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伊豆半島を堪能する歩き旅7泊8日〜7日目〜

どうにかステルスキャンプをした。
ぐっすり眠れた。
海風少なく、夜になったら人はあまり来なくて静かな夜だった。

夜釣りの人かなにかが車で来ていたが、騒ぐこともなく静かだった。

しかし、2人のダメージは深刻だ。
身体的にではない。
精神的にである。

帰りたいとか歩きたくないとかそんなんじゃない。

カップルが多すぎるんだよ伊豆半島

というわけで7日目が始まる。

今日の目的地は温泉とコインランドリーだ。
ゼロデイに近いことにしたく、歩く距離を抑えたかった。
そろそろ疲れてるしね。
次の海岸まではそう遠くない。

夜が明ける前、まだ少し冷え込む。バックパックの中にある最低限の衣類を着込んで撤収を終わらせた。

現場点検
ヨシッ!


〜堂ヶ島公園〜

一つ目の目的地は温泉。
海を一望できる公衆浴場。
昨日入ったけども、温泉は何度入ってもいいものだ。
2人とも銭湯&サウナ好き。

ふざけ倒しているおじさん
強くなって安心!
を真似ているようだ
近くのセブンイレブンに寄って堂ヶ島公園で朝食を取る。
マット外付けのが旅人ぽくね?と
パッキングをサボったバックパック。


加山雄三ミュージアムには後ろ髪を引かれるが、あいにく開館まで待っていられなかった。

目の前には加山雄三ミュージアム
ちょっとした洞。
天然記念物と勘違いしたがこれではなかったようだ。


堂ヶ島公園内の遊歩道がコースとなっている。
少しアップダウンがあるが、気楽に楽しめる道。

岩の背が遊歩道。ちょっとした冒険気分を味わえる。
なんかのロールプレイングゲームでこんな道あったなぁ。
自撮り三脚が置かれている。
おじさん2人はもちろん楽しむ。

堂ヶ島公園内には天窓洞という天然記念物がある。
その上を歩ける遊歩道も含まれていた。

ちょちょっと遊歩道を楽しんで、また伊豆の街中を歩いていく。

〜ゆるキャンと温泉〜

高齢化かなにかで…だんだんひっそりしてきたんだろうなぁ…と思えそうなノスタルジックな街中を通り、右手に海鮮市場を見かける。
温泉の看板もあり。
目的の温泉だ。

遠くの方に1人バックパッカーのような人が見えた。
こちらの存在を確認できたところで、そっと逃げるように曲がり角を曲がっていった。

1人になりたい人もいる。きっとそうだろう。

目的地の温泉

沢田公園露天風呂に到着。
どうやらゆるキャンの聖地になっている様子。
あれ?あの子たち山梨とかじゃなかったっけ?
伊豆も来てたのね。
ファンの方々が来ていた。
朝一番くらいの時間に行ったんだけど、既に先客がいたようなのでジュースを飲んで待つ。

2組ほど出るのを待つといよいよ。

ドアを開けると、小さなドアの幅から海が広がる。
足元を見ると温泉。
海はクルージングツアーをやっている船も見える。
あれ?これ向こうから丸見えじゃね?

ちっちゃいことは気にするなワカチコワカチコ

ということにして、温泉を楽しむ。
ご家族で来ていた旦那さんが1人ご相席。
お子さんがゆるキャンにハマって、キャンプ旅をしているとのこと。
東京在住ってことで、少し離れた地で同じところから来ていることに親近感が湧く。

なんだか自然と人と話しちゃうなぁ

なんてそれっぽく旅人ぽい気持ちになりながら少し談笑をした。

ここのちょっと上に温泉がある。
完全にキマってしまった僕。


〜イカスミ焼きそばと強気なおばちゃん〜


先程の海鮮市場の辺りに戻ると美味しそうな雰囲気を感じる。
「ちょっと中だけ覗いていきますか」と立ち寄ると、入口前で物売りをしているおばちゃんがいる。

「イカスミ焼きそばだよー美味いよー他じゃ食えないよー」
と商売人らしい少しカサついた声で元気よく声をかけてくれる。
「なんたってね!うちは全部自家製!麺はイカスミ練り込んであるんだよ!」
ちょっと中を見てからまた来ます。と応えると、
「中行ったってここより美味いもんないよ!早く戻ってきなー!」
と返される。

ぐるっと中を見たところ、美味そうな魚は結構あったが、その場で食べられるようなものはあまりなかった。

入口前に戻ると
「美味そうなもんあった?ほら!戻ってきただろ!どうだい!」
またカサついた元気な声で声かけしてくれる。
たしかにすごく美味そう…
目玉焼きが乗っているイカスミ焼きそばを買った。

「ありがとねー!そこでほら!海でも見ながら食ったら倍美味いよー!」

5m先は堤防になっていて見晴らしがいい。

マットを広げて
目玉焼き乗せのイカスミ焼きそば。具も豊富。
イカ、キャベツ、たまねぎ、紅しょうが。
これで600円ほど。

イカスミの磯っぽい香りと、和風塩だしの味付けが美味い。
いい塩梅だ。白飯の上に乗っけて食べたい。

頭上にはエサを狙っているのか1羽のとんびがぐるぐると回っている。


「こらーっ!!しっしっ!はっ!!はっ!!!」

地団駄のような音と聞き覚えのあるカサついているが元気な声がした。
さっきのおばちゃんだ。

「とんびはね、おっきい音出すと逃げてくから!気をつけてね!あいつらもうまったく!」

おばちゃんが教えてくれた。

焼きそばを食べ終えて、少しうたた寝。
そよ風と太陽、海の音が気持ちいい。

太陽がポカポカと暖かくて気持ちいい。

小一時間ほどのんびりした後、市場の前で変わらず声かけしながら仕事をしているおばちゃんを訪ねる。

「美味しかったです!」
と言うと、
「そうかい!うちのは美味いんだから!ゴミもらうよ!また来てね!」
と返してくれた。

〜コインランドリーと出会い〜

地図を見て、再び歩き出す。
コインランドリーに向かおう!

雰囲気のあるバス停
空が広い
振り返ると山
T氏が撮影。「あい」に思い入れが…?
それとも[そば][ラーメン][冷めん]だろうか。


街中を少し歩くとコインランドリーに到着。

[洗乾 大和] なんとも洒落た名前だ。

地元の方々も多く利用しているようで、空きがない。
あと10分ほどで終わる洗濯機があるので、しばし待つ。
昔、自転車で旅していた時を思い出すなぁ。
旅中にコインランドリーで服を洗うっていうのが結構好きだ。
なんとも言えぬ旅感を感じられる。

無事、投入を済ませ、およそ洗濯乾燥完了まで30分ほど。

隣に喫茶店があるので、そちらへ入る。
店前の看板には「ここがウワサのカツカレーの店」と大きく張られている。
時間はちょうどお昼時なので、そこで昼食を取ることにした。

店内は昔ながらの「喫茶店」または「純喫茶」といった雰囲気。
昭和感が残りながらも綺麗にされているので居心地がいい。

うわさのカツカレー

噂のカツカレーが到着。肉厚柔らかジューシーでめちゃくちゃ美味い。衣はザクザク系の荒目のパン粉。カレーに浸して食べるとこれまた美味い。
カレーもスパイスとデミグラスぽい味付けがたまらない。
喫茶店のカレー…?カレー専門店にも引けを取らない美味さ。これで1200円なんだから安い。

食後のアイスコーヒー。

美味しく食べた後は、アイスコーヒーでしばし涼む。
大満足の喫茶店だった。

洗濯を終えると、今までお世辞にもいい匂いとは言えない服たちがいい匂いに変わっていた。

洗濯ってすごい。

当たり前のことに感謝しつつ、再び歩き出す。
泊まる予定の海岸まで約5km…。

途中ファミリーマートがあるので、そこでご飯を調達。
向こう2日間はコンビニや食事できるところが無さそうなので、少し多めに買っておく。
と、ファミリーマートから出るとハイカーのPさんに声をかけてもらった。
外に置いてあったバックパックで気づいてくれたみたい。
今回の旅で初めてハイカーと話したので、喜びが大きい。

僕たちは南下、Pさんは北上なのでお互い泊まることができそうなところの情報交換などをしてそこでお別れ。

いやー出会いっていいもんですね

舗装路をテクテクと歩いていく。
少し登りがあったりと、ゼロデイのはずなのになかなか休まらない。
ゼロデイはほんとにゼロにしないと意味がないのかもしれない。

道端に謎のモニュメント
お!あれか!男子が好きなやつか!と思ったら意識高い本が捨てられていた。
ポイ捨てするくらいだ…元の持ち主は意識高いとは言えない。
観光地の洞窟があったので行ってみる

途中右手に観光地の案内があった。
地下洞があり、そこは石切場の名残を残した観光地になっているようだ。
荷物を置いて、観光してみる。
中はひんやりと涼しい。
入口すぐにコウモリが住んでいて、洞窟らしさぷんぷんだ。

石切で伊豆は栄えていたようで、城石や船に活用されていた。
切り取った石は船で運ぶ。そのため造船所も増えていったようだ。

ひたすら歩いていくと、宿泊予定地である海岸が見えた。
時刻は15時
なんだかんだのんびりながら結構歩いてしまった。

広々した東屋があるので、そこでビビィを張って寝ることにした。
日没まで時間があるので、ガラス石や貝殻を拾って遊ぶ。

東屋に残した作品。もう残ってないかな?

プライベートビーチ感がある。
黄昏るにはいい雰囲気だ。
脳内はサザンオールスターズが流れていた。
リッキーG流してるのに。

東屋から見える夕焼け


この日は温泉あり、ご当地食事あり、ハイカーとの出会いありでまた思い出深い1日となった。

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