遺伝子検査を受けるか悩んでいる人へ
がんを告知された人のなかには家族や親戚にもがんを経験した人がいて、遺伝子検査を勧められる場合があります。
遺伝子検査という言葉を初めて聞いた人は、そんなものが必要なのかどうか迷うことも少なくないと思います。実際私もその一人で、受けるつもりもない検査を勧められて、正直困惑した記憶があります。
そんな方のために、実際に遺伝子検査を受けた立場から遺伝子検査を受けるメリットとデメリット、さらに遺伝子検査を受けない時のメリットとデメリットを紹介したいと思います。
前提として、この記事であなたに遺伝子検査を勧めたい訳ではありません。また遺伝子検査を受ける・受けないに正解はありません。この記事が少しでも自分で答え出す難しさを和らげるヒントになれば嬉しいです。
遺伝子検査を受けるメリット
遺伝子検査で陽性だった場合、もう片方の乳がんや卵巣がんに将来また罹りやすくなります。それを予防するため、次にがんが発症する前に切除してリスクを下げることができるようになります。
もう一つのメリットは、陽性の場合自分以外の血縁者にも遺伝子変異の可能性があるため、その血縁者に遺伝子検査を勧める事ができますし、早期発見・予防に役に立てることができます。
逆に陰性だった場合は、遺伝性のがんではなかった安心感があります。
遺伝子検査を受けるデメリット
遺伝子検査はがんに罹患した場合だと保険適用になりますが、3割負担でも(2021年7月現在で)6万円強かかります。決して安い金額ではありません。
また検査結果が必ずしも陰性・陽性となるわけではなく「未確定」となる可能性もあります。
遺伝子検査には限界があり、万一この結果が出ると受け止め方に困る可能性があります。
陽性の場合次のがんにかからないか不安になる事も考えられます。予防的な治療が始まるまでの期間にリスクを考え始めると、不安になったりするかもしれません。
子どもがいる場合は、子供にも遺伝させている可能性があるので罪悪感を抱いてしまうケースが考えられます。私もそうですが、子供に対してはある程度分かる年齢になったら「がん教育」として隠さず話していこうと思っています。
がんを遺伝させているかもしれないという不安を持っていても、人が生きている以上、その他の病気にかかる可能性だって十分あるわけです。
不安があるからこそ、少しでも安心に変えられる行動を取っていくことで、前向きに捉えていきたいと私自身は考えています。
遺伝子検査を受けないメリット
遺伝原因をはっきりさせない方が不安にならないという方もいます。一般的に遺伝子検査ができるようになったのもここ最近のことなので、まだまだ抵抗感がある方もいらっしゃると思います。
遺伝子検査自体いつでもできる検査なので、迷っている方はすぐに結論を出さなくてもいいかもしれません。
遺伝子検査を受けないデメリット
遺伝子検査を受けないことで、原因がはっきりしないのがかえって不安になる事もあります。検査を受けていれば陽性だった時に予防的な治療ができますが、それができない事で知らない間にまたがんにかかっているかもしれないという不安を持ってしまうかもしれません。
まとめ
いかがだったでしょうか。遺伝子検査を受けるか受けないかは、その結果を自分がどう捉えるかによって判断が変わってくるものだと思います。
ただ少なくとも私は、遺伝子検査を受けたことによってがんの原因がはっきりしましたし、自分では避けようがなかったこと(宿命)だったんだと納得することができました。
この記事が皆さんの決断に少しでもお役に立てる事を願っています。
遺伝子検査後にカウンセリングを受けた時の話はこの記事に載せています。
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