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ピンクリボンポスター炎上の件

先日ピンクリボンフェスティバルが主催しているポスターデザインコンテストでグランプリに輝いた作品が、当事者の感情をえぐられるような内容になっていると話題になっていました。

実際私も拝見しましたが、そこには商店街などのイベントで使われるガラガラ抽選器が乳房に見立てられていて、その抽選器から赤い玉、つまり当たりが出ていました。そしてそこに書かれていたのは
「まさか、私が」と毎年9万人が言うというキャッチコピーでした。

グランプリ受賞作

制作側・審査側と当事者の視点がズレ過ぎている

このポスターをデザインされた方は他にも数々のコンペに参加されていて、素敵な作品を数多く残されていると感じますが、今回は審査で目を引きやすいデザインに寄せすぎているな…と感じました。

9万人の前であなたたちは大当たりです!なんて普通言えないですし。
こういうポスターをちゃんと見る人って当事者が割と多い気がします。

審査員の方々は相当数の応募の中からプロの目線でこの作品を選ばれたんだと思いますが、今回のコンペ以外にもこれまで病気に関するデザインに関わられたことはおそらくあると思うんですよね。

そのプロ集団でさえも、当事者意識に配慮することと検査を啓発するデザインを追求する部分のバランスを取るのは難しいんだなと改めて感じました。

一歩間違えたら、今回のように沢山の当事者を傷つけてしまうのですから。

当事者に寄り添っているはずの団体が、なぜ

病気に関するポスター等のデザインを募集する時は、当たり前ですが当事者やその家族に配慮する旨は注意事項などに記載されています。
ですがこれも形骸化してしまうといずれ意味をなさなくなります。

今回の主催団体は定期的な乳がん検診を啓発する事業で、日本対がん協会などで作られている団体です。

検診を啓発する目的に焦点が当たりすぎて、それ以外の視点を取り込みにくい風土があるとすれば、そこを変えていく組織づくりが必要なのかもしれません。

傷ついた1人として

つらつらと偉そうなことを申し上げましたが、私も傷ついた1人の当事者として
多くの人の目に触れる機会があるものは
関係する人々の心情に配慮する事がいかに求められるか、そこに他者の視点はあるかを追求し、柔軟に考える姿勢が重要だと私自身も勉強になりました。

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