高専ロボコン歴
2019年10月15日公開,2024年10月8日更新
みなさま、こんちには。みなみゆうき(@yuki373)です。
高専ロボコンに関わってから、それなりに時間が経ちましたのでロボコン歴を振り返ってみたいと思います。ひとつひとつはペラペラですが、それなりの枚数になってきたような気がします。
1997以前 高専進学のきっかけ
テレビでロボコンを観戦していました。自分もロボットを作りたいと思うようになりました。中学生のときに観た「テクノカーボーイ」とか「花開蝶来」はよく覚えています。舞鶴高専のオープンキャンパスに参加したときに、テクノカーボーイの出場ロボット「トレジャーハンター」(3枚の羽がついた輪っかを竹とんぼの要領で飛ばす;全国大会で技術賞受賞)のデモをみました。いまのロボコンロボットと比較すると,とてもシンプルなロボットでした。
1998, 1999 工作要員として参加
1998年に高専に進学し、ロボコンの活動をはじめました。このころは、先輩が作成した設計図通りに材料を加工することしかやっていませんでした。このころのテーマは、「生命上陸」(1998)、「Jump to the future」(1999)でした。
2000 初の全国大会出場
舞鶴高専の低迷期を抜け出すために、4年生の精鋭部隊で参加することになり、3年生の自分はロボコン関わることができませんでした。テーマは、「ミレニアムメッセージ」(2000)です。しかし、推薦で全国大会出場が決まり、運良くピットクルーとして参加することができました。パールホテル両国 両国国技館デビューです。全国大会出場のロボットたちの完成度の高さ、アイデア、技術力の高さに圧倒されっぱなしでした。舞鶴高専のロボットは、「昇鶴」(地区大会ベスト4、パフォーマンス賞受賞)で、ポールを螺旋状にのぼるロボットでした。マイコンではなく,アナログ回路で動作を実現していたのが特徴でした。
2001 最初で最後の主要メンバーとして参加したロボコン
4年生7人での参加となりました。テーマは「Happy Birthday 39」。ケーキに見立てたフィールド上に円筒(ろうそく)を立てるという競技です。円筒をn段重ねにすると得点がn倍になるというものでした。これまでのロボコンは有線のコントローラが使用されてきましたが、この年から無線のコントローラを使うことが求められました。無線と言っても、赤外線通信です。
我がチームは「一鶴千金(いっかくせんきん)」というロボット作りました。複数の小型移動ロボットがフィールド上で円筒を立てるというアイデアです。倒れている円筒を回収するロボットに加えて,回収した円筒を立てる(積み重ねる)ロボットとフィールドの端に立てられている円筒を回収する6台の自律ロボットから構成されていました。自律ロボットはマイクロスイッチで壁や円筒を認識するもので、比較的確実に円筒のところまで到達していましたが、残念ならがら小型にしすぎて本番ではすべて転倒していました。しかし、アイデアがよかったのでしょうか、審査員判定(3−0)で勝ち上がり、一回も得点をとらずして、準優勝という結果になりました(それまで動いていたロボットが不調になるという運もありました)。今の近畿地区大会ではありえませんね(笑)。
なんと、全国大会にも推薦をしてもらい、改造を施して、全国大会に挑みました。ただ、調整不足で、小型ロボットがまったく機能しませんでした。そのなかで、バックアップ用に手動機の活躍で、全国大会で初の1点を取ることができました。所属していたs-ken部としての初めての全国大会での1点だったようです。
2002〜2004 高専生として観戦
5年生、専攻科は、ロボット製作には関わらず、観戦するのみでした。そのなかで、2003年「鼎」は、思い出深いです。近畿地区は舞鶴高専が主幹校でしたので、運営スタッフとして関わりました。その大会で、後輩たちの「拍手鶴采(はくしゅかっさい)」が地区大会で優勝しました。うれしかったですね。全国大会ではベスト8どまりでしたが、とても立派な成績でした。
2005〜2008 高専OBとして観戦
2005年の「大運動会」は奈良の大和郡山まで応援に行きました。この年は、舞鶴高専の「鶴鶴鶴鶴鶴鶴鶴(さんかくしかく)」が準優勝でした。
そのほかは、テレビでの観戦でした。
2009〜2012 指導教員として高専ロボコンに参加
母校に帰り、s-ken(前s-kenの電子制御研究会と技術科学研究会が合併し、創造技術研究会となった)の顧問となりました。顧問になってびっくりしたことは、優秀なロボコニストがたくさんいたこと。その技術力の高さには脱帽でした。このころのロボコンでは,「歩行」要素が取り入れられていて,移動の面で競技がむずかしくなっていました。
2009年「DANCIN' COUPLE」では、「足鶴(アガク)」、「鶴恋慕(かくれんぼ)」の2台が出場し、地区大会で好成績を残しました。さらに「鶴恋慕」は、全国大会に出場し、「ベストカップル賞」というテーマ賞を受賞しました。とてもたのもしかったですね。私の貢献は何もありません。
2010年「激走!ロボ力車」は、舞鶴高専が主幹校でしたので、ベテランの先生方が運営に関わるということで、Aチーム、Bチーム、両方の指導教員を自分がやることになりました。主幹校ということで、見えないプレッシャーはありましたね。でも、自分は何もできないので、ただただ学生を応援するだけでした。「鶴ったー」と「鶴車(かくしゃ)」は健闘しましたが、このころ、近畿地区は全国大会でも好成績を残せるレベルになっており、激戦区となっていましたので、優勝は叶いませんでした。それでも、推薦で鶴車が全国大会に出場し、37秒程度でゴールするパフォーマンスをみせ、ベスト8まで進みました。
2011年「ロボボウル」。辛い年でした。「投鶴」と「15分の奇跡」の2チームとも地区大会どまりとなりました。これは、私の不徳のいたすところです。アイデアに不備があり、その修正を早くに指示できなかったのが原因だったと思います。学生さんたちには辛い思いをさせてしまいました。
2012年「ベスト・ペット」は、前年のリベンジを目標に掲げ、いろいろ改革をしたと思います。この年は、コントローラを用いてはいけないという課題でした。「鶴投虫(かくとうむし)」と「鶴側努(かくそくど)」の2チームでの参加でした。学生たちの頑張りもあり、地区大会で好成績を残せました。カメラと画像処理による認識もやっていて、高性能なロボットでしたが、全国大会には出場できませんでした。悔しかったですが、やり切った感はありました。
2013〜2018 大学教員として観戦
30歳を機に高専をはなれて大学で働きはじめました。高専ロボコンは、テレビでの観戦でした。そんななか、2015年「輪花繚乱」は、舞鶴高専の応援団にいれてもらい、現地(御坊市)で観戦しました。このころ、奈良先端大にいて、教え子に奈良高専のOBもいたので、奈良高専の「大和」もこっそり応援していたというのはここだけの話(そのあとの全国での優勝&ロボコン大賞は感動していました)。あと、2017年「大江戸ロボット忍法帳」、2018年「Bottle-Flip Cafe」も地区大会は現地(舞鶴、東大阪)に応援に駆けつけました。ただ、舞鶴高専の応援団席ではなく、特別席でした(関係者の方々には感謝です)。
2019 解説員として参加
まさかまさか、解説のお仕事をさせていただくことになりました。12年間担当されていた名解説の衣笠先生のご都合が悪く、急遽(2週間前に)依頼されました。自分には荷が重いなぁと思い、1日悩みましたが、せっかくの機会をいただいたので、チャレンジしてみることにしました。
その結果がこれです。ポンコツ解説です。すみません。台風の影響でテストランを当日の朝に実施するというスケジュールとなり、ロボットの情報を整理する時間がほとんどありませんでした。というのは言い訳ですね。とはいえ、不完全ながらも楽しめましたので、受けてよかったと思っています。あと、はじめて、「勝ち負け関係なく、すべてのロボットがきちんと動いて、すべての機能を見せてくれー」という思いが生まれました。
ロボコン熱が再燃して、全国大会の観覧を申し込み、運良く席が確保できたのですが、近畿地区大会の後に悪化した腰痛のため観覧を断念しました。。。
2022 解説員(2回目)として参加
3年ぶり2回目の解説のお仕事となりました。今回は、しっかり前日のテストランからロボットをチェックし、ピットでロボットの特徴を教えてもらいました。紹介するデータはいろいろ集まりましたが、言葉で伝えることはやっぱり難しかったです。ただ、すべてのチームのロボットの完成度が高く、しっかり動いてくれていたので、解説の出番がすくなかったのが救いです。
近畿地区大会の会場はとても盛り上がりました(Vゴール、高得点、不具合、カオスなエキシビなど盛りだくさんでした)。コロナ禍で活動制限もあったと思いますし,3年ぶりの現地開催でしたので、現地開催を経験している学生さんはすくなかったと思います。それでも、しっかりロボットを作り上げ、競技をこなしていたのは、本当にすばらしいことだと思いました。お疲れさま、そしてありがとう。
2日前の金曜日の夜、チーム紹介シートを読んでいたら、興奮と緊張で3時間ぐらいしか寝れず、前日もホテルに戻って解説用の資料をまとめたりしていたら興奮してしまって、ほぼ一睡もできませんでした。
この年は,全国大会当日の別の仕事が入っており,観覧を断念しました。全国大会では,近畿地区代表の奈良高専が全国制覇を果たしました。すごいです。
2023 解説員(3回目)として参加
2年連続3回目の解説のお仕事となりました。今回は、大会前に舞鶴高専(非常勤講師として勤務)と大阪公立大高専にお邪魔し,事前にロボットを見せていただきました。
競技課題は,「もぎもぎフルーツGoラウンド」で,高所に吊り下げられたフルーツ(ネットに入ったボール)をフィールドを移動しながら収穫していくというものでした。フィールドには,角材とロープが配置されていて,移動の難易度が高い競技課題となっていました。ロープの部分は,下をくぐる,上をまたぐ,そして,ロボットがすり抜ける,という3パターンあり,とくにすり抜けるタイプは,なんともいえない不思議な感覚になるものでした。競技結果を見ていただくとわかりますが,近畿地区だけ,得点がバグっているようなハイレベルな大会となりました。
この年は,全国大会を観覧しようと思い,観覧席を申し込みました。なんとか当選し,娘と二人で国技館に行きました(落選したらネタにしてやろうと思っていました)。国技館は2010年以来なので,13年ぶりでした。会場では,諸事情で北九州高専の応援団に混じらせてもらって,近畿勢と北九州高専を応援する形になりました。ありがとうございます。結果ですが,優勝候補の和歌山高専が不調だったのが残念でしたが,大阪公立大高専が全国制覇を果たしました。さらに,近大高専のmoggyも大健闘で,とてもうれしかったですね。
2024 解説員(4回目)として参加
3年連続4回目の解説のお仕事となりました。今年は,舞鶴高専が主幹開催ということで,気を使っていただき,解説のお仕事をいただきました(衣笠先生と交代で担当することになっているようですが,衣笠先生は2023年から四国地区大会の解説を担当されています)。2023年にひきつづき,事前に取材に行く計画を立て,今年は,舞鶴高専,大阪公立大高専,神戸高専を訪問させていただき,事前にロボットを見せていただきました。予定が合えば近畿地区の高専を訪問したいのですが,繁忙期のため,厳しいですね(あとは奈良と明石は候補です)。
競技課題は,「ロボたちの帰還」で,エリアAdeロボット2がロボット1に投げられて,エリアBを飛び越えてエリアCに着地する。そして,エリアCでは,ボールとボックスを回収し,それらをエリアAに届ける(ボールはロボット1に渡す,ボックスはロボット2が持ったまま戻る),というものでした。ロボットがジャンプするというテーマは,1999年のJump to the future 以来の難しいものでした。ロボットが壊れる可能性があり,製作に苦労するだろうなと予想していましたが,近畿地区はいつもどおりのハイレベルなロボットがたくさん登場しました。350点満点(Mission Complete)を達成できるロボットが複数チームあり,それ以外も,100点越えができるものが多数,そして,得点できないチームは0でした。高専ロボコンならではのロボットも登場し,非常に盛り上がりました。ありがとうございました。
これから〜
ロボコン部に入部した年から20年、指導教員になった年から10年、経っているんですね。年取りましたね。。。
これからも、高専ロボコンのファンでありつづけます。現地にも機会があれば行きたいと思います。ロボコニストの皆様、がんばってください!
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