鎌足

タイトルの文字をみて「かまたり」と読んだ方は歴史がある程度得意な方だと思います。日本の歴史で摂関政治で権力の頂点を極めた「藤原氏」の祖にあたる「藤原(中臣) 鎌足」は「ふじわら(なかとみ)の かまたり」と読むからです。

一方でタイトルの文字を「かまあし」と読んだ方はバレエに詳しい方ではないでしょうか。一応辞書にも載っている一般的な語彙であるようですが、バレエにおいてはケガを起こしやすい足のつき方として指導のポイントとなっているところだからです。

私はこの「かまあし」という読み方を知っていましたが、数十年単位で意味を誤認していました。私が誤認していた鎌足の意味は「鎌で切り裂くようにすぐに履物をダメにする足」といった意味でした。これは幼い頃から両親から言われていた内容で、小学生の時分にはその年に購入した上靴が履いているだけで完全にバラバラになった事があり、両親からも私は「すぐに靴をダメにする鎌足」と認識され、自分でも強く自覚するに至りました。

大人になってから知人にこの話をしても基本的に信じてもらえず、鎌足という言葉を発しても誰もピンときていない様だったので改めてネットで調べたところ私が鎌足という言葉の意味を誤認していたことが分かりました。
ではすぐ靴がダメになるこの足は何なのでしょうか。

靴がダメになる理由としてあがっていたものが「靴の履き方が良くない」「靴選びが良くない」「歩き方が良くない」といった理由が大半でした。では、数十年靴を破壊し続けた私の足に宿っていた妖怪「鎌足」の正体は良くない靴を選び、その靴を良くない履き方で履き、良くない歩き方で破壊していた私自身なのかもしれません。

「無知から生まれた足に宿る妖怪の正体はおまえ自身だった」とホラーな展開がオチになってしまいましたが、靴がよく壊れる方は靴選びや歩き方を見直してみてはいかがでしょうかというお話でした。


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