【映画感想#5 [リミット]】ロドリゴ・コルテス監督


主人公のポール(ライアン・レイノルズ)は目を覚ますと木製の棺の中に居た。
暗闇の中主人公の息遣いから始まる本編。
状況が飲み込めず、パニックに陥るポール。
徐々に荒くなる息遣い。
パニックの中、必死に記憶を辿り状況を整理しようとする。
手元にはジッポライターとペン、そして誰のものともわからない携帯が1台…

ライアン・レイノルズ主演、そしてほぼ全編一人芝居のワンシチュエーションスリラー。

閉所恐怖症の人は一発アウトの作品。
そして完全に好みの分かれる作品。

個人的には好きなテーマで、好きな展開だった。オチも期待通りの方向に向かっていってくれて良かった。

変に綺麗にまとめようとすれば、それこそ"なんでもない作品"のひとつになっていたと思う。

なにより全編一人芝居を演じきったライアン・レイノルズに魅せられる作品であった。

ただ一点、この手の作品に出てくる携帯の電波は、空気を読み過ぎる。
いい感じの所で圏外になるし、狭い棺の中なんとか電波を探して連絡をとっていたかと思えば、終盤では何の問題も無くスムーズに連絡が取れてしまう。(一度申し訳程度に圏外演出入ったが…)

まぁ密室系や脱出系において、そういう割と都合のいいアイテムは出てくるものと思っている(笑)
ので、個人的には許容範囲かなと。

正直細かい点で気になる点が無いかと言えば嘘にはなるが、そんなことはどうでもいいと思えた。

狭い棺の中で主人公が感じるもどかしさや苛立ちは、我々が普段から現実の社会に感じているであろうもどかしさや苛立ちを反映しているし、加えて作品のテーマが皮肉のたっぷり効いた内容で非常に興味深く、楽しめた。

一風変わった、少し特殊な作品を見たいという方は是非!

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