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頭がいいってなんだろう

「あの人、頭悪いからキライ」

と、ある人がある人のことをそう言った。
軽く冗談まじりに。

取るに足らない会話の中で出てきた一言だったけど、瞬間的に胸が痛んだ。

頭悪いと言われた人のことを、私は頭が悪いとは思わない。
いいかどうかもわからないけど、彼女なりの魅力に溢れていて、私は好きだ。

だけど私は何と言っていいか分からなくて、ただヘラヘラと笑ってしまった。

人のことを頭が悪いと言った当人は頭がいいのだろうか。
確かに優秀ではある。
仕事が早いし、漏れもない。

頭が悪いと言われたあの人は、確かに仕事がギリギリだし、よく忘れる。

…私もだ。
私も頭悪いって思われるのかな。

でも。
頭がいいってなんだろう。
私が頭がいいと思う人ってどんな人?

思い浮かぶ人たちはみんな、やさしい。
私が困った時、彼らは知識や知恵を総動員して相談に乗ってくれ、応援してくれる。

知性を、人のために使える人。
知性で、人を助けてあげられる人。

私がヘラヘラと笑ったから、言ったその人は自分の考えが肯定されたと感じただろう。

また同じようなことを言うかもしれない。
実際にあの人と接する時に、頭が悪い人という前提を持って接するかもしれない。
そういうのは行動や言葉の端々から伝わってしまう。
あの人が、悲しい思いをしてしまう。
もうしているかもしれない。

だから私は伝えなきゃいけなかったのに。
そんなふうに言わないでって。

私には勇気が足りなかったのだろうか。
目の前の人を不快にさせたくなかったのだろうか。
相手を不快にさせずに伝える表現力や語彙力が欠如していたのだろうか。

勇気を持って相手に配慮しながら言いたいことを伝えられる人のことを、知性がある、または頭が良いと表現してもいいかもしれない。

私も頭が良くなりたい。
知性で人を助けてあげられるようになりたい。



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