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裏切り者の自覚と覚悟


私はある会社でマネージャーとして勤務しているが、10月に転職をする。

私が退職することは、まだチームのメンバーには伝えていない。
会社と相談し、私の最終出勤日である8月31日の、約10日前に伝えることになった。
業務の関係上、チームが混乱するのを懸念しての判断だが、ギリギリだ。
伝えるのが怖い。

メンバーたちは、驚くだろう。
そして裏切られたような気持ちになるかもしれない。

かつて、私がそうだったから。

過去に上司が転職を理由に退職した時、裏切られたような気分になった。

その時、彼はすでに別部署に異動していて私の上司ではなかったにも関わらず。

情熱的かつ魅力的なリーダーだった。
成果や結果はもちろん、仕事に取り組む姿勢やチームの雰囲気など、数字では見えないところまで承認して褒めてくれた。
だから、ついつい頑張った。

辞めると聞いたとき、
「上司のために頑張ったのに。」
とがっかりした。

正確には上司のために頑張ったわけではないのだが、それでもそう思ってしまった。

ところで私は、このチームをマネジメントをするにあたって、メンバーに未来のイメージを語ったことがある。

一年後はこのくらい成長しよう。
二年目、三年目も同じくらい成長を続けたら、
三年経った時、このくらいの大きなチームになるよ。

話しながら、私はいつまでここにいるかわからないけど、と思っていた。

辞めたい気持ちはいつもうっすらとあったし、辞めなくても別部署に異動する可能性は大いにあった。

それでも、あの時はあれを言わなければ前に進めなかった。
チームに方向性を与えたかった。

そんな私の心境を、メンバーが知る由もない。

あれは今年の一月のことだった。
そうか、まだ半年しか経っていないのか。

三年後の未来を語ったマネージャーが、半年後に言う。
「辞めます。あと10日ちょっとで。」

立派な裏切り行為だ。

自分の退職のことを、メンバーにどう話そうかずっと悩んでいた。

悩んでいたのは、自分を裏切り者だと認めたくなかったからだ。

私も私なりの事情があり、それをメンバーにも分かって欲しいという甘えがあった。

だけど自分は裏切り者だと自覚して、あらゆる感情をぶつけられることを覚悟して話すべきだど思った。

そう思ったのは、Katsuさんが転職と雇用スタイルについて書かれたこちらがきっかけだった。

アメリカで研究者として活躍されているKatsuさんのご経験やお考えは勉強になることが多い。
ぜひKatsuさんのnoteもご覧ください!








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