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素材の味で体の声を聴く
私は心の状態が、すぐに体に現れる繊細な体質である。心配事があればおなかを壊すし、悩むと食欲がなくなる。
最近は忙しすぎて心が疲れていた。
『もう何も考えないようにしよう…』
やはり胃の動きが悪くておなかが空かない状態が続いていたのに気がついたことがあった。
ある日、急に油っぽいものと塩気のあるものが食べたくなり、普段インスタントラーメンや、添加物の多そうな体に悪いと言われる食べ物なんてほとんど食べない私が、フライドポテトを食べてしまった。
体が欲するだけあって、その時は満たされたように感じたけれど、翌朝は何だか胃腸の調子が悪くて後悔した。
反対に普段から野菜もキノコもバランス良く食べているのに、無性に野菜が食べたい時もある。でも炒めて味をつけたりするのではなく、例えて言うならば、茹でたりチンしただけのブロッコリーの味とか、アスパラに少しだけマヨネーズを付けて食べるとか、キャベツの千切りにドレッシングはかけない感じ。ようは“素材の味”である。
おいしい出汁を紹介していただいたので、大根・人参・キャベツ・椎茸などを煮て、食感を残したいブロッコリーは最後にいれたスープを作ってみた。
出汁の香りと大根の煮える香りで味を想像し、湯気をボーッと見つめて“野菜を炊いている”感じ。味噌も塩コショウも何もいれないシンプルなスープ。
胃が温かくなり、ホッとした。
“体が喜んでいる”感覚だった。
でも、体の調子がいい時は物足りなく感じてダシに味噌を足して温かいお味噌汁をゆっくり味わったり、調味料をいれた普通のスープを作っている。体が欲していないときは、ムリに“素材の味”にこだわる必要はないからだ。
いろいろ考えてしまって何となく物事をリセットしたくなった時も“素材の味”を感じてみるのはオススメだ。“感じる”時間は雑念を忘れるひとときだから。
そして“素材の味”に今日の気分(調味料)をプラスしてみると、今、体が欲する味が分かる時もある。
例えば…
ちょっぴり攻撃的な時は唐辛子の辛さをプラス→何か燃えて発散する気がする
何か疲れたな…っていう時は酢とか塩気をプラス→何故か元気になる
元気な時は、何でもおいしいから食べたい物を作れば良し
気分が沈んでいる日は“素材の味”でリセット
…と、いったようにあくまでこれは私の感覚だけど試していくと、“今の自分にちょうどいい味”が、わかってくるのである。
時々、体の声を聴き間違える時もあるけれど、こんな風に素材の味や香りを感じてじっくりと自分の体の声を聴く時間の余裕を多く持ちたいものだ。
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