結局のところVTuberとは何か。

昨年の2020年12月25日、ちょうどクリスマス当日に、読み上げソフトで有名なキャラクター『弦巻マキ』の声優交代が、販売元であるAHSから公式に発表された。同じく読み上げソフトが発売されている『結月ゆかり』と並び、VOICEROID界隈で恐らく最も有名なキャラだけに、年末最後のタイミングでアナウンスされたことで色々と憶測が飛び交ったようだが、前任の担当声優もTwitterで声明を発表し、ファンへ向けて感謝の意を表明する旨のコメントを掲載した。公には所属事務所側の辞退ということのようだが、各主体が納得した上での結論のようなので、それをファンとしては静かに見守り尊重すべきだろう。後任としてアフレコを担当する声優の活躍を応援したいと思う。

私自身も、実は弦巻マキのVOICEROIDを所有しており、それを使用した動画を作ったこともある。定価は少々お高めの8000円ぐらいだったと思うが、ソフトの開発費やアフレコの報酬を考えたら、デジタルデータで複製が出来ることを鑑みても、良心的な価格帯で発売されていると言えるだろう。動画制作をするにあたって一番のネックは、意外にも音声だったりすることが多い。ニコニコ動画あたりだと、何かの動画から録音したり、オーディオファイルを抜き取ったりして、パロディ的な動画を上げる投稿者も多いが、場面に合った素材を探すのは簡単ではなく(フレーズを合わせるのにも悩む)、雑音が混じってしまっていたり(雑コラなら良いがクオリティ重視だと気になるレベル)、ストックしたオーディオファイルが膨大になり、管理が煩雑になりがちである。動画音声に間があったり雑な音声だと世界観が伝わりにくい。その点、この音声読み上げソフトは音質がクリアなだけでなく、ソフトを通して指定したフレーズを喋らすことが出来るので、終始動画にアフレコが可能なだけでなく、ナレーション役に困ったときの進行役や補佐役としても重宝する。その分、打ち込むのが大変ではあるが。文字通りデジタル端末内の人形といった感じなので、公式ビジュアルも存在することから、マスコット感もあって愛着が沸くのがVOICEROIDの魅力でもある。知名度があって、すぐに視聴者に受け入れてもらいやすいのも特長だ。

それに対し、最近のYouTubeでビジネス化しつつあるのがVtuberと呼ばれる、2Dや3Dといった架空のキャラクターを画面に表示させてアフレコをするスタイル。

ここから先は

1,763字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?