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おっさんは風俗嬢と食事にいきたい。【3】出勤が入らない

話しやすい子が相手してくれた後は、終わってからもしばらく幸せ感が続く。カリンちゃんの場合も、すべての反応が作りものではなく自然で、印象に残った。
一週間経っても余韻が覚めなかった。

「今度連れてってよ」

素直に受け取っていいのだろうか。

自分自身は関東出身だが関東内の田舎出身ということもあって、地方出身者に親近感を持っている。初めて東京に出た時の、新しい場所を開拓していくワクワク感を覚えていて、東京に出てきたばかりの彼女にもそういう体験をさせてあげたいなと思った。

まずは彼女との距離を縮めなければ何も始まらない。
とはいえ、1週間そこらですぐに2回目に行ってしまうと、ガチ恋勢と思われ重たく感じられてしまうので、しばらく間を空けようと思った。
毎日、店のHPで出勤予定を確認しつつもスルーを続けた。

ここで困ったことが起こる。
初回から1か月以上経ってそろそろ行こうと考えた1月半ば、彼女の出勤予定が完全に途絶えたのだ。1月初旬までは細々とでも出勤があったのだが。
経験上、出勤が少なすぎる子は辞めるのが早い。

自分が意図的に時間を空けているうちに会えなくなってしまったのだ。もちろん店に「カリンちゃんはまだ在籍してますか?」なんて聞けない。危ないやつだと思われる。

風俗嬢との恋をテーマにした経験談を読んでいると、多くは「余裕が大事」と書いてある。
これは本当にその通りだと思うが、それを変に捉えて、自分から距離を置こうとしようとしても、もともと大半の嬢は客に一切興味などないのだから、それによって関係が縮まることはない。一人芝居なのだ。

もう会えないのだろうか。こうして機会を失ってみてはじめて、信じられないほど惜しいことをしてしまった気がした。
結局2月が始まってもカリンちゃんの出勤予定は空白のままだった。

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