おっさんは風俗嬢と食事にいきたい。【９】大人の余裕などあるわけない

連絡先の交換ができたものの、LINEのやり取りは難しい。

どうやらカリンちゃんは会った時とLINEのテンションが違いすぎるようだ。昼の仕事もあって忙しいのはもちろんわかるが、返信が３日後、４日後など当たり前。好意が少しでもあれば、さすがに翌日くらいには返すだろう。自分からLINEを聞いてくれた積極性は何だったんだろう。

この反応では、「１人の客」という立ち位置から全く抜け出せていない。下手すると店の外で会うのはやっぱり無理なんじゃないかと思えてくる。

結局、今できることはいち早く次に会う予定を決めてしまうことしかない。対面で会話することは割と得意だから、長い時間話せばもっと距離が縮めれるだろう。

ただ、書いたようにカリンちゃんは昼の仕事と風俗を両方やっている。それに、初の外デートで当たり前なのかもしれないが、夜は避けたいみたいだ。夜６時には帰りたいという。なかなか２人の予定が合わない。

結局会えそうなのは、１か月先の３月末になりそうだ。
どうしても空白の時間を過ごさなければならない。これは困った。

自分はLINEの雑談で相手を楽しませるのが本当に苦手だ。
カリンちゃんは真面目で割と冗談が通じないタイプだから軽口も言いにくい。ツッコミなど入れようものなら傷つけてしまいそうだ。なんというか箱入り娘のような雰囲気だし。

４０代にもなると「大人の余裕」という言葉も重くのしかかってくる。なにせ２０歳以上離れた子と関わるのだから。それを考えるとあまり中身のないことを連投するのも良くない。

もやもやした気持ちを抱えながらも今はただ、細々とLINEを続けていくしかなさそうだ。

実は２回目に店に行ってからも、気になって毎日カリンちゃんの出勤状況を見ていた。彼女は定期的に出勤しているようだ。ということは、次々に新しい客と出会っていく。自分はカリンちゃんにとって一体何なんだろう。