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七色のポエジー(書きとめておきたい古今東西の詩句)

第304回 昨日、今日、明日(バルタス)

Hier, demain, ce jourd’hui,
Toujours présents, ne sont qu’un seul temps.
(昨日、明日、今日は、常に現在にして唯一の時間でしかない)
 
 フランスの宗教詩人、デュ・バルタス(Du Bartas, 1544~1590)の『続聖週間』から。時間が消滅した世界を描く。
南仏ガスコーニュ出身のバルタスは宗教的には熱心な改革派新教徒で、国王アンリ4世に軍人外交官として仕えた。
 天地創造を歌った『La Semaine(聖週間)』は黙示文学の頂点として一世を風靡した。それはジョン・ダンをはじめイギリス文学にも大きな影響を与えることになる。
 後世の詩人、ネルヴァルは<ああ、デュ・バルタス殿、古えのあなたの詩句にわが詩句を結ぶこの私は、あなたの流れを汲むもの>と讃えた。

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