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{レポート}ライブ配信で実験を行ったら

それぞれの実験についての目的

目的①:ライブ配信で理科実験教室の開催は可能なのかを判別する。また、配信中に実験を行うことの意義を考える。

目的②:材料のみが分かっている状態で、スライムを作る。また、スライムを作る場合、それぞれの試薬はどれぐらい必要なのか、また、映える実験を行うためにはどのようにしたら良いのかを考える。

目的③:ビスマスの再結晶を行う。また、この実験により、どんなことを知ることができるのかを考える。

使用する器具

器具①: スマホ リングライト 机 

器具②:試験管 試験管立て ビーカー 駒込ピペット 洗瓶 キムワイプ ボウル 割り箸 

器具③:ステンレスボウル ステンレス網×2 ステンレスフォーク ガスコンロ 軍手 ペンチ×2(ラジオペンチもあると良い)ピンセット

使用する試薬

試薬①:魔剤(たんぱく質0g 脂質0g 炭水化物12.6g ナトリウム77mg ビタミンB20.7mg ナイアシン8.5mg ビタミンB60.85mg ビタミンB122.5μg L-アルギニン125mg D-リボース125mg 高麗人参82mg L-カルニチン42mg カフェイン40mg)

試薬②:ホウ砂(Na₂[B₄O₅(OH)₄]·8H₂O  溶解度 4.7g/100ml 白色粉末 水に可溶) PVA洗濯糊(ポリビニルアルコール 弱酸性〜中性 粘性がある) キラキララメ 絵の具 純水(H2O 分子量18.01528 g/mol )

試薬③:ビスマス(レアメタル 原子量208.98040g/mol 融点271.4°C 沸点1,564°C)

実験操作

操作①:はじめにPocochaアプリを開き、自分のプロフィールを確認しサムネイルが行う配信に対して合致しているかを調べた。次に配信ボタンを押し、お忍び配信ができないことに対する虚しさを感じながら新規歓迎配信をするのか通常配信をするのかを選択した。ここで、新規歓迎配信をする場合は一度配信を中止し、ファミリー欄に戻り、アシスタントの選択をし直したのちに、再び配信ボタンを押す。通常配信の場合はそのままタイトルを入力して配信スタートのボタンを押した。この時、極端に寝不足であったり気合いを入れたかったりした場合は魔剤を注入した。次にリスナーさんが来るまでの間で配信の支度をした。身の回りを片付け、画角を調節した後に配信に合致する音楽を選択し、人がくるのを待った。

操作②:はじめに飽和ホウ砂水溶液の調製を行った。ホウ砂は溶解度が低く、あまり水に解けないので、水100gに対して少量のホウ砂を入れた。この時、飽和水溶液を作成したかったので、少し多めにホウ砂を加えた。溶け残りは沈殿してしまっていたが、上澄みの溶液を使うことによってホウ砂結晶が入ることを防いだ。次にボウルに洗濯糊を注いだ。使った洗濯糊の量がそのままスライムの量になることに注意しながら適切な量を注いだ。ここに調製しておいた飽和ホウ砂水溶液を駒込ピペットを使いながら入れた。加えた飽和ホウ砂水溶液の量が洗濯糊に対して少なすぎても固まらないし、多すぎてもスライムが切れてしまうので、1.0mlずつ慎重に、撹拌しながら加えた。この時、完成したスライムをゆるくしたいのであれば飽和ホウ砂水溶液は少なめに、固くしたいのであれば多めに加えた。ここで、撹拌が足りず、飽和ホウ砂水溶液を多く加えてしまったためスライムが千切れてしまった。そのため、手でこねていたスライムを再びボールに移してこねながら水を洗濯糊を加え、スライムの硬さの変化の様子を見守った。スライムの原型を作ることができたら、ラメラメパウダーや、あらかじめ試験管内に用意しておいた絵の具溶液をこのスライムに加え、十分に混ぜた。色やラメパウダーが全体に混ざったことを確認したのち、乾燥しないよう、ラップをしてスライムを放置した。この様子を図1に示す。

操作③:はじめにビスマス結晶をステンレスボウルに入れ、コンロに網をひいて、その上で加熱した。この時、金属が焼けてしまうのを防ぐために弱火で熱した。5分ほど加熱することで金属が溶けはじめた。10分ほど立ったところで全ての金属が溶けたことを確認したのち、ステンレスフォークを用いて、この金属溶液の上にできた酸化被膜を取り除いた。ここでコンロの火を止めた。火を止めるとだんだん溶液上部にシワができた。このシワに四角形の形が見えたところでペンチを使ってこの四角形の部分を掴み、溶液から取り出した。出てきた結晶を図2に示す。次に大きな結晶を作るために先に取り除いた酸化被膜の破片を金属溶液の中に加えた。この時にできた結晶の様子を図3に示す。結晶ができるのを待っていると外側からビスマス溶液が固まってしまい、うまく結晶を得ることができなかった。そこで再び加熱し、同じ操作を行った。

各実験における結果

結果①:配信を始めてからリスナーさんがくるまで少しラグがあるので、アーカイブに残る1番最初の顔がブサイクになりがちであった。また、今回の配信では初めて理科実験教室を行ったのだが、配信中で出来上がった物質を見せる時にピントが合わず、ボケてしまった。配信中で実験を行うことにリスナーさんはかなり肯定的で、参加型として楽しくできた。途中からきてくださる方は何かが起こっている、ということで分かりにくくなってしまっていた。実験自体は家で手軽にできるが、配信でやるとなると画角や色味、自分の顔が見えるかなどの諸々の考えるべき点が存在した。

結果②:スライムを作るためにはかなり少量のホウ砂で良いことがわかった。洗濯糊にホウ砂水溶液を加えると、初めは撹拌棒(割り箸)にゲル状の物体がついた。ホウ砂水溶液を加えれば加えるほど、撹拌棒に付く物体が増えていった。スライムが固くなってしまった時に水と洗濯糊を少しずつ加えたが、柔らかいスライムにしたいのであれば、水を加えるほうが有効であることがわかった。今回は固めのスライムを作りたかったので水の含有率は5%ほどにした。混ぜているときは泡が含まれるため、作ったスライムの色は白みがかっていたが、一晩放置するとかなりスライムの中に含まれていた泡(空気)は減り、鮮やかな色になった。(図1参照)

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図1:作ったスライム

結果③:酸化膜を取り除いた高温ビスマス溶液は様々な色をなしており、酸化膜を取り除いた瞬間では黄色を示した。時間が経つにつれてこの液体の色は黄色→緑→青色→紫色と変化していった。また、結晶を作るために振動を加えたり、結晶の種を入れたりしたが、振動を加えた場合は図2のような空洞状の、四角形の結晶が出来上がり、種を入れた場合は図3のような横に広がった結晶ができた。できた結晶はほとんど黄色を示した。角度によって青色がかった金属を確認することができた。結晶を取り除く際に、できた結晶が周りの固まってきた金属個体に飲み込まれると、ペンチを使っても取り除くのが困難になってしまった。

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図2:振動を加えた時のビスマス結晶

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図3:広がったビスマス結晶

各実験における考察

考察①:ライブ配信で理科実験教室を行うことは可能であった。私たちは実験が日常になっているが、世の中の大多数はそうではなく、まだまだ『実験』というと敷居の高いものであるのだと感じた。ポピュラーな実験器具であれば、認知度は高く、試薬に至っても少し説明を加えればわかるような簡単なもの使うことによって、どんな実験を行っているのかを分かってもらえると感じた。問題点としてはライブ配信の画角では実験を最大限に見てもらえない点だと考える。離すと全体像を写す事ができるが、近づけなければ何が起こっているかを伝える事ができない。また、内カメラではどうしても画質に限界があるため、Twitterとの併用を行った。実験で起こっていることの説明の時間をもう少し設けても面白いと感じた。その場合はホワイトボードを用意して、理論を伝える時間を作るべきだと考える。ただ、日頃実験から縁遠い世界にいる人たちにとって、理科実験を見せることは、科学の楽しさを広める1つのいい手段になったと感じた。

考察②:スライムが出来上がる反応は以下のように示す事ができる。

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すなわち、結合前のふたつの-OH基が引きつけ合い、結合が出来上がる。このとき、反応はゲル化が起きているので、スライム特有の柔らかさを生み出す事ができる。できた物質は網目構造を有しているので、これが弾力の元となっていると考える。今回はスライムを固めにしたかったので、水の含有率は5%ほどであった。1度、ホウ砂を入れ過ぎてしまった時に洗濯糊と水を少しずつ足したが、水を加えた時の方が、スライムは柔らかくなった。すなわち、スクイーズのようなスライムではなく、柔らかいスライムを作りたいのであれば水の含有率を10%以上にする必要があると考える。しかし、水を入れ過ぎてもトロトロのスライムになってしまうので、水分の含有率ごとのスライムの粘土について、次回実験したい。

考察③:ビスマスの結晶を作成したが、ビスマスは金属元素である。金属は基本的に融点は高く、有名なものだと鉄の融点は1538℃である。これは家庭どころか実験室レベルでも溶かすのは難しく、工業的製法でないと融解させることは難しい。しかし、ビスマスの融点は約270℃であるため、この実験を行う事ができた。また、取り除いた酸化膜は、金属個体であるビスマスの液体から除いたのにも関わらず、できた金属結晶のように硬くはなく、少し指で力を加えるだけでパリっ、シャリっと壊れてしまうほど脆い。これはこの酸化膜には金属の組成はほとんど含まれていないからだと考える。加熱する前の金属個体の中に含まれていた不純物が、酸化物として一緒に取り出されたためにこのような結果になったと考えた。また、この酸化膜をきちんと取り除いたことにより、美しい結晶ができたと考える。1回目に作った結晶よりも2回目に作った結晶の方がより深く洞窟状になっていたと感じた。これは、2度目の加熱を行ったときも同じように酸化膜を取り除いたため、物質中の不純物がより少なくなったと考える。結晶は基本的にゆっくりと時間をかけて形作った方が大きく、綺麗なものになる。今回の実験は冷房直下の中で行ってしまったので、次回行うときは、冷却の方法にも注意しながら行いたい。

設問

Q.ビスマス結晶の独特な形を骸晶と呼ばれる性質を用いて説明しなさい。

A.ビスマス結晶は骸晶または骸晶骨格の特徴をもち、底面を正方形とする直方体各面の中心部分が雷門模様を描いて内部へと落ち窪み、変部分を残して内部が過疎化している。ビスマス原子は5個の価電子をもつため6s2p3混成軌道を持つが、sp分離が大きいため、主としてp軌道に存在する3個の電子が結晶化に寄与する。その結果、±xyz方向に伸びたp軌道が共有結合によって6個の原子を結びつけているために、ビスマス原子は立法結晶になる。

まとめ

ライブ配信で実験を行うのであれば、重視すべきは結果ではなく過程である。どんな器具を使って、どんな手順で、どんな理論で、どんな道筋を経てその結果に繋がるのか、結果ではなく、そこに至るところまでを配信することに意味があると感じた。そしてもう一つ。冷静に、何してんだろ。。。

最後に

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こんにちは!ライブ配信アプリPocochaでライバーをしているあーりんです!このnoteに書いたように、ライブ配信アプリを通じて、理科実験教室を行いました。少しグダグダにはなっていますが、プロフィール下部にアーカイブを残しています「2020年7月14日 はーじめーるよー!!! 参照(90日間しかアーカイブ残りません)」 気になった方は是非、Pococha あーりん に会いに来てくださいね♡

最近、noteから来ました!という方が枠に来てくださって嬉しい限りです!ぜひ、noteから・・・!と気軽に来てくださいね! こんな真面目な文章書いてますが、中身すっからかんの女子大生です笑 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!今回は実験レポート篇なので、イベント篇はまた別で書かせてください!ではまた次回お会いしましょう!

(わー、頑張ったね!よく書いたね!のスーパーシャボン待ってます♡馬車でもいいです♡)

2020.07.15 あーりん


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