9.反射光と環境光を取り入れる
次に、前の記事でちょっと触れた「反射光」と「環境光」についてです。
こういうのですね。
さて、この「反射光」と「環境光」ですが
「明暗の順序」が「基本」、
「明暗の強さ」が「全体バランスの整え方」、
だとすると
「反射光と環境光」は「クオリティアップの方法」
となります。
「また知らない単語が…」となるかもしれませんが、パースで勉強した「消失点」とか「アイレベル」よりは覚えやすいものなのでご安心ください。
あと、「まだ明暗の塗り分けで精一杯だよ〜」という場合は
反射光・環境光の描き込みは後のお楽しみに取っておくのもアリです。
無理せずいきましょう。
●反射光と環境光の違い
まず、この2つの「光」について
イラストメイキングなどで見かけることはあっても
・どこにどう入れたらいいかわからない
・何色を入れたらいいかわからない
・まず2つの違いがわからない
など迷う部分が出てくると思います。
「反射光」「環境光」についてざっくり説明すると
反射光(主に地面、近くのものからの反射した光)
環境光(主に周囲にある「光るもの」からの光)
こんな感じになります。
「最初に設定した光の向き」とは「別方向からの光」が「反射光」や「環境光」になります。
「??」となった方は、黒いもの(ペンタブとか)の上に手のひらをかざした後、白い紙の上に手のひらをかざしてみてください。
白い紙にかざしたほうが手のひらが明るくなっているはずです。それです。
光というものは直線で降り注ぎ、壁や床・その他障害物などにぶつかって反射→ぶつかって反射…を繰り返して広がっていきます。
これらが物体の陰影部分に当たり、少し明るく見えるようになります。
その部分が「反射光」です。
つまり環境光も周りからのの反射っちゃあ反射です。
(※「別角度から弱い光が当たっている」等の違う場合もあります)
なので、「反射光」「環境光」の違いやニュアンスを把握するまでは
全部「反射光」として描いてみてもOKです。
●反射光の色の決め方
反射光は基本、近くにあるものの色を入れると自然になじんで見えます。
この絵の場合は実物より強めに入れて、果物のツヤツヤ感を出したりしています。
また、青紫や青緑などの青系の色を入れても綺麗に見えるものもあります。
なぜ青系かと言うと、科学的には「青色の光は散乱しやすい」といった理由や、海が青い理由と関係しているなど説明できるとは思うのですが
それらは一旦置いておいて、
「近くにある空気の色を反射している」と考えると良いと思います。
なぜ空気=青系の色かと言いますと
例えば、木々で覆われて緑や茶色のはずの富士山が
遠く離れる=空気の層を重ねることによって綺麗な青色に見えますよね。
なので「空気は青系の色」としています。持論ですが。
とはいえ理屈を考えすぎても絵を描くのがつらくなるので
「上手い人はみんなやってるから」
「なんか綺麗に見える」
などの曖昧な理由で選んでしまってOKです。
自分が綺麗だと思ったらそれでいいんです。
人によっては赤紫っぽい色を入れていたり、黄緑や黄色を入れていたりする人もいます。自由〜!
ただ「そんなんじゃ色選び迷うよ〜」という方は
まず「近くの色を反射させる」ところから始めてみましょう。
●反射光の入れ方
続いて反射光の入れ方ですが、「反射」とついてるものですので
メインの光の向きとは真逆からの光を意識して入れていくと自然です。
真逆の部分全てに入れるよりは
強弱をつけたり、ぼかす部分があったりするとより立体感が出ます。
下の方に反射光を当てるとなんかそれっぽいです。
また、暗いものと暗いものの境目に反射光を入れて
それぞれを際立たせる、という描き方もあります。
この絵の場合、長いパンが乗った台の角に強めに反射光を入れて
落ち影と同化しないようにしています。
せっかく描いたのに同化して潰れちゃったらもったいないですからね。
以上で反射光・環境光については終わりです。
これらはパースのような正解がないものなので、最初は難しい・迷うかもしれませんが
そういう時は好きな人の絵や、こういう絵を描きたいなと思う人の絵を観察してみて、自分の絵に取り入れてみてください。
一瞬で絵が上手くなったりして楽しいです。
NEXT:10.実際に明暗で塗ってみる
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