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【データで楽しむ!】週刊阪神タイガース!Vol.1

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皆さんどうも初めまして。
凌真と申します。

2021年度のプロ野球が開幕してから約3ヶ月。
現在交流戦が全日程終了し、6/18(金)から再びリーグ戦が始まろうとしています。

開幕からしばらく経過してしまってはいますが、今週からセ・リーグの阪神タイガースの1週間の戦評や成績を1つの記事としてまとめていきたいと思います。

阪神タイガースを選択した理由としては、単純に私がタイガースのファンであるからです。
ただファンだけの目線ではなく、客観的な野球選手としての主観で記事に仕立て上げていく予定です。
しかしそれだけでは面白くないので、ファンとしての思いも反映させて行こうと思います(笑)

試合の把握に関しては、広島ホーム戦以外はすべての試合を観戦、視聴済み、広島ホーム戦は速報サイトとラジオにて情報収集を欠かさず行っています。
筋金入りのタイガースファンであり、幼少期から蓄えた野球知識を持っているため、同じくタイガースファンの楽しみの一つになる記事を提供できれば幸いです。

更新頻度としては基本週1回、試合がお休みの月曜日の夜に投稿予定です。
試合の状況や日程、タイトルなどによって変更する場合は別途お知らせします。とはいえ数が膨大になりがちなので、できるだけボリュームをセーブしてまとめていきます。

第1回目の本記事Vol.1は、交流戦終了までの総評と大きなトピック、ターニングポイントを中心にまとめていきます。
とはいえ数が膨大になりがちなので、できるだけボリュームをセーブしてまとめていきます。

初回のため前置きが長くなってしまいましたが、本題に移りましょう。
レッツ、プレイボーーーーール!!!

阪神タイガースの現在の順位(交流戦終了時点)

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3/26に開幕してから交流戦終了までの総合順位をまとめてみました。

順位表_Vol1

現在阪神タイガースは単独首位をキープしています。
2位の読売ジャイアンツに7ゲームの差をつけています。
まだ60試合消化と前半戦も終わっていませんが、順調にスタートダッシュを切れたと言えるでしょう。

ここで考えたいが、今年の阪神タイガースがここまで首位を固められている要因はどういったところにあるのでしょうか。
私は主な理由として2つあると考えています。

阪神タイガースは他球団より圧倒的に「引き分け試合」が少ない

先の順位表を見てもらえればわかると思いますが、タイガースは引き分けで終わってしまった試合はわずか2試合しかありません。

実は2021年度のプロ野球はコロナウイルスまん延防止策として、「9回裏終了時に同点の場合、その試合を引き分けとして試合終了とする」という対策を打ち立てています。
通常は12回裏まで同点の場合に引き分けになるのですが、今年は3回も早く引き分けが言い渡されていまいます。

その影響で球界全体で引き分け数が例年に比べて圧倒的に増加しています。
実際に引き分け数10試合以上あるチームも両リーグ含め少なくありません。

しかしそんな制約がある中でタイガースの引き分け試合は2試合。
その引き分け数に現在の勝率を参考にすることで、今のタイガースは「試合に勝ち切る力が強い」ということが見て取ることができます。

ちなみにタイガースはこの「勝ち切る力」持ち合わせてはいますが、確実に発揮できているわけではありません。
ここまで勝ち越せているのは、最高のタイミングで持っている力を最大限に引き出すことができているため、引き分けにならず勝ち越すことができています。

今年の阪神タイガースは強いですが、完成されたチームとは程遠くまだまだ発展途上のチームと言えるでしょう。

試合に勝ちきる力とは?

試合に勝ちきる力とはどういった力なのでしょうか。
言葉として漠然な表現になってしまうため、少し掘り下げてみます。

例えば試合の序盤に4点先制できたとします。
この場合試合に「勝ち切る」には何が必要でしょうか。
相手のチームの選手も同じプロ野球選手であることを念頭に考えてみてください。

まず1つ目の手段は単純に「投手陣が0で抑える」ことです。
これができれば最も最高の形で試合展開が進みます。
しかし相手もプロの打者のため全て抑えることを目指すのは確実性に少し欠けてしまいます。

他の手段としては「更に点数を取る」ことです。
ダメ押しと呼ばれるリードしている点差で追加点を取ることで、相手を引き離し試合を決定付けられます。
ただプロ野球にはコールドとなる点差や点数制限がないため、何点取ったとしても逆転さえてしまう可能性は27個のアウトを取るまで拭い去れません。

この2つの手段に共通していることは、それぞれの手段だけでは確実に試合に勝てる見込みが無いことです。
必ず何かしらの負けてしまう可能性を背負ってしまいます。

しかしここで気づいてほしいのが、それぞれの手段がお互いの敗戦の可能性を補うことができるということです。
投手陣が0で抑えることができなくても、打者が追加点を取ることでリードを保つことができる。
打者が追加点を取ることができなくても、投手陣が9回までに3失点以下に抑えることで試合に勝つことができる。

つまり試合に勝つためには投手、野手ともにバランスの取れた戦力に整える必要があるということです。
どちらか一方だけが優れていても試合に勝ちきることはできません。

この「投手が失点しない」「打者が追加点と取る」という2つの手段を持っている、確立できていることが「勝ち切る力」があると言えます。

阪神タイガースは「お得意様」を確保できている

野球で言うお得意様といえば、全25回戦中7割ほど勝ち越すことができる相手チームのことを指します。
基本的にリーグ優勝する、首位をひた走るチームはその年でお得意様を2チーム以上作れています。

ではここで今年のタイガースの各チームの対戦成績を見てみましょう。

チーム別対戦成績_Vol1

現在タイガースはヤクルト、横浜、広島の3チームに大きく勝ち越す事ができています。
近年では巨人、広島、中日にかなり苦手意識があり毎年負け越してしまっていましたが、今年は広島には勝ち越し、2位の巨人と中日とは互角に張り合えています。

横浜、ヤクルトにはかなりお得意様のイメージが定着していて、今年もそれを着実に体現できています。

この、元からお得意様だったチームをキープしながら苦手チームと互角に戦えるという部分が非常に重要です。
裏を返すとタイガースは、どのチームのお得意様にもなっていないという証明になります。

チームの方針や特性上、相手チームによってどうしても得意不得意が出ては来てしまいます。
しかし苦手チームと勝ち星を取り合っている間にお得意様チームからは勝ち星を取れるときに取っておくことが、総当たり戦で優勝するための最善策と言えるでしょう。

阪神タイガースの今年の主なトピック(交流戦終了時点)

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開幕してからの特出した出来事をピックアップしてまとめていきます。

今回は交流戦終了時点までのことをまとめていくのですが、全て拾うと書ききれないため最重要の事項のみに留めていきます。

新人選手が即戦力のオンパレード

2020年ドラフト1位のゴールデンルーキーの佐藤輝明は言わずもがな、同2位の伊藤将司、同6位の中野拓夢は開幕してまだ3ヶ月しか経ってない中で既にレギュラーを手中に収めています。

佐藤輝は現時点で16本塁打、伊藤将は開幕ローテーションをキープし4勝、中野は遊撃で芸術的な守備と打率.291と好成績。

新人選手が即戦力として活躍できていることで、昨年より圧倒的に選手層の厚みが増しチームとしてここまで首位という位置にいることができています。

各選手について触れていきたいところですが流石に語ることが多すぎるので、創刊ごとに1選手ピックアップして紹介していくコーナーを儲けてそちらでしっかり触れていきたいと思います。
お楽しみに。

藤浪晋太郎が初の開幕投手

開幕投手に内定していた西勇輝が喘息のため開幕戦登板回避を余儀なくされてしまい、その代役としてOP戦で絶好調だった藤浪晋太郎が開幕投手にプロ初めて指名されました。

他にもローテーションが確約されていた青柳晃洋や秋山拓巳なども開幕投手候補に挙がっていましたが、日程や相手チームの問題などで登板日の変更ができず、ローテーション枠を争っていた藤浪に言い渡されたという背景があります。

成績は以下の通りでOP戦のような成績は残せませんでしたが、復活の気配は伺うことができました。

藤浪_先発投手成績_Vol1

1度は2軍へ降格になりましたが、現在中継ぎに配置変換されて1軍へ再昇格しています。
セットアッパーとして8回をメインに登板しています。

5月の月間MVPにドラフト1位佐藤輝明が選出

今やプロ野球ファンの誰もが打席を楽しみにしている佐藤輝明。
体つきや佇まいが新人離れしていますが、規格外な成績を残し5月度のMVPに選出されました。

タイガースで新人がMVPに選出されるのは、2013年8月の藤浪晋太郎以来でした。

元々大物ルーキーとして鳴り物入りした佐藤輝ですが、5月という早期に月間MVPを取れると予想した人は限りなく少ないでしょう。

5月の佐藤輝の成績は以下の通りです。

佐藤輝_5月度月間MVP成績_Vol1

佐藤輝にはこのまま突き進んでもらって、プロ入り時に宣言していた新人賞を投票率100%で獲得してもらいたいものですね。

交流戦順位は大健闘の2位

毎年タイガースが苦手としている交流戦。
今年も交流戦前まで好調だったものの不安を抱えている中で開幕しましたが、リーグ戦の好調をキープし堂々の単独2位という輝かしい成績を残しました。

交流戦の結果から見ると今年のタイガースの好調さが見て取れるでしょう。

ちなみに交流戦の全体順位として、セ・リーグの他3球団が6位以上に位置し、パ・リーグのほうが強いと言われた時代の一時終了が見えたように思われます。

交流戦チーム成績_Vol1

阪神タイガースの今季ターニングポイント(交流戦終了時点)

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タイガースのチーム全体、一人の選手に絞ったターニングポイントをピックアップしていきます。

今回はシーズンを通して変化があった場面を2つ取り上げていきます。

内角の集中攻めを克服する兆しを見せた横浜3連戦|佐藤輝明

今や5番の打順に入っていたり、大山離脱時4番に抜擢された佐藤輝明。
実はOP後半からなかなか打率を上げることができませんでした。

春キャンプの紅白戦や練習試合、OP戦初期、佐藤輝はどちらかというとセンター方向からレフト方向への流し打ちをしていました。
実際率としても残せていましたし、プロに対応するために引っ張る意識を捨てているようでした。

しかし、OP最終カードのオリックス戦の3連戦でそれまでのセンター方向の意識を捨て、自身のスイングを貫くスイングを取り戻すかのようにかなり手を出すようになりました。
高めのまっすぐや内角に大きく落ちる変化球に手を出していき、圧倒的に三振の数が増えていきました。

シーズン開幕してからもそのバッテイング思考は変わらず、開幕カードのヤクルト3連戦でホームランは打ったものの、正直打率はOP戦の見る影もありませんでした。

そのまま試合を消化していった今シーズン初の横浜3連戦。
その2戦目から佐藤輝のバッティング思考がガラリと変わりました。

内角の落ちる球を振らなくなり、ひきつけで見送る事ができる様になっていました。
正直私も見たときは「このスピードで見逃せるようになったの!?」とかなり驚きました。
落ちる球で空振りをとれればあとは高めの直球を投げれば空振りを取ったりカウントを取れる幅が広がるので、投手はかなり楽になります。それを急に見送るようになったため、相手バッテリーが混乱したようでその3連戦で佐藤輝は別人のように打ちまくりました。

それ以降も佐藤輝は空振りするときもありますが、落ちる変化球を見れるようになっていて、それが影響して打率本塁打数ともに急上昇し先程も取り上げたように5月の月間MVPを獲得しました。

彼自身「ローボールヒッター」と公言しているので、結果を求めるあまり低めの球には積極的に手を出していたのかもしれません。
打撃コーチの助言などによりうまく修正できたものと思われます。
実際横浜3連戦で井上ヘッドコーチと1対1で長時間バッティング練習を行ったようで、そこでの助言が生きているのかもしれません。

宿敵・巨人との3連戦で失われてしまった快進撃|チーム打撃

開幕から打撃好調で昨年までの点が取れないチームとは全くの別物のタイガース。
しかし今の開幕ほど打ちまくれるイメージは薄れてしまっているのが現状です。

この好調が少し落ち着いてしまったのが5/14~5/16までの巨人戦3連戦のからです。
実際3連戦の結果は2勝1敗でタイガースが勝ち越していますが、ゲームの内容としてはいつ負け越してもおかしくない試合内容でした。

この3連戦までのタイガースは先制したあと、中押しダメ押しと確実に勝てる攻撃ができていましたが、巨人戦以降なかなかその攻撃のリズムを作ることが難しくなっています。

肝心の点が取れなくなってしまった原因としては、開幕から打線を引っ張っていた糸原健斗とサンズの調子の下降が同時期に被ってしまったことが挙げられるでしょう。

糸原はそのあと下半身のコンディション不良で離脱しますが、交流戦最終カードの楽天戦から1軍へ早期復帰しています。
ただバッティングは開幕当初まではまだ上がりきっていないように見て取れました。

サンズも昨年に春先は絶好調でしたが、夏から秋にかけて調子を落としています。
これが彼自身の波なのかもしれませんが、今年は夏場からまた調子を上げてきてほしいものです。

ただ開幕から調子が悪かった近本光司や本塁打が出なかった大山悠輔の調子が上がっているため、出遅れた分糸原とサンズの不調を埋めるような活躍をしてくれるでしょう。

阪神タイガースのここまでのMVP選手(交流戦終了時点)

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交流戦終了時点までの阪神タイガースのMVP選手を投手と野手に分けて1名ずつ選出します。
現在首位をひた走っているチームなだけあって、正直いって各部門1名に絞るのはかなり難しかったですがなんとか選出しました。

本記事ではこういった選出に関しては成績だけでなく相手チームへ与える影響が強い選手をできるだけ選んでいくようにしています。
確実に個人によって感じ方が違うため、こういった考えもあるんだな程度に読んでいただけると幸いです。

あなたがMVPだと思った選手もチームに大きな影響を与えていることに間違いはないでしょう。

マウンドに上がるだけで相手に絶望を与える絶対的守護神|R.スアレス

タイガースが現在首位をキープしている要因は様々なことが挙げられますが、おそらく1番功績を挙げられているのがこのスアレスではないでしょうか。

スアレス_投手成績_Vol1

成績を見るだけで伝わってきますが、圧倒的で絶対的な守護神であると誰もが頷ける成績です。

セーブ数も21と現在セーブ王に位置していて、2位の広島・栗林は12セーブであり圧倒的な差がついています。

最も驚愕するのは失点数でしょう。
29登板で3失点は、抑えとして毎試合1イニングしか投げてないとはいえ驚異的な数字です。
この数字や常時160km前後の直球により、相手チームは9回までに勝ち越さないと勝てないという思考になり、実質相手の攻撃回数を減らすという異次元的な影響を与えています。
野球においてこの相手チームへの心理的影響が最も効果的であるため、MVPに選出しました。

このまま大きく成績を落とすことなく2年連続セーブ王に輝き、優勝時の胴上げ投手になってもらいたいものですね。

外国人離れした鋭い制球眼|J.マルテ

投手野手ともに外国人になってしまいましたが、打撃好調のマルテをどうしてもMVPから外すことができませんでした。

マルテ_打撃成績_Vol1

※GPA(Gross Production Average)・・・OPSの出塁率重視ver。(出塁率×1.8+長打率)/4
※BB/K(Base on Balls per Strikeout)・・・四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標 四球 / 三振

マルテは昔在籍したブラゼルや昨年加入し退団したボーアのような一発を狙う打者ではなく、ボールを見極めカウントを良くし甘く入ってきたボールを打つ巧打者に位置します。
見た目はブンブン振って長打を狙うような風貌をしていますが、とても繊細で制球眼のいい最高の打者です。

現時点で四球数、出塁率がチームトップでありその制球眼の良さが見て取ることができます。

ただ正直マルテの良さは実際に打席を見てみないと伝わらない部分があります。

動画で見るとわかりやすいですが、投手がカウントをとっていきたいアウトサイドの変化球やクロスファイヤーや低めの真っ直ぐをしっかり見逃すことができています。

投手からするとこのカウントを取るための空振りを狙った球を見逃されるとその後の配球がかなり難しくなります。
次に投げる球は見逃されたアウトサイドに更に精密にコントロールされたボール球か打者の頭にない球、自信があるけど打ち取りに行く球として投げたかった球種ぐらいしかありません。
ちなみに今挙げたコースや球種は基本投手はまだ投げたくありません。

もちろんカウントも有利になりますが、それ以上に投手に投げる球をなくしていけることで制球眼が良くない限りできない有利な状況を作り出すことができます。
これができる打者は本当に少なく貴重です。

更にマルテの場合開幕から継続して3番に入っているため、マルテを歩かせた場合最低でもランナー1人置いて4番5番を迎えなければならなくなります。
そうなると投手は歩かせることもできずに勝負しなければならない状況が生まれます。

しかしここ最近ボールの判定が審判と合わないような場面が多く見られるため、少し苛ついているように見えます。
マルテの制球眼は優勝に必要不可欠であるため、しっかり調整してリーグ再開に望んでもらいたいです。

今週のスケジュールと予想先発

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今週の対戦チームや登板が想定される先発投手をまとめていきます。
先発投手に関してですが、できるだけ報道をサーチして記載しています。
ただどうしても不明な部分や予測にとどまってしまうことがありますので、ご了承お願いします。

試合予定表_Vol1

リーグ再開最初のカードは宿敵・読売ジャイアンツとの3連戦となります。
この3連戦でできるだけ巨人とのゲーム差を開きたいところ。

現状菅野の登板回避、スモークの電撃退団など重なり、現在の巨人は戦力が低下していると思われます。
1野球ファンとしてあまり手放しでは喜べないですが、この機に乗じて一気に突き放しましょう。

西もここ最近勝ち星が上がっていないので、景気づけに1つ勝っておきたいですね。
再びエースとしての抜群に制球された投球に期待しましょう。

リーグ戦再開、スタートダッシュを決めておきたい

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6/18(金)からリーグ戦が再開します。
ここでスタートダッシュを決め首位キープの流れを確立させたいところです。

交流戦でも今年の調子の良さを存分に発揮できたタイガースであるため、リーグ再開後もかならず高い勝率を保ってくれるでしょう。

注目はやはり打線。
開幕当初の快進撃を再現するため、先制、中押し、ダメ押しの攻撃をできるかどうかが最重要になるでしょう。

Vol.2でもカードを勝ち越したタイガースの良い部分満載な記事をお届けできるよう願っています。

それではVol.2でお会いしましょう。
次の投稿予定日は6/21(月)になります。
お楽しみに。

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