逃避 7 m. 2019年1月16日 18:00 確かに所有していた四肢がいつしか鉛にすり替わって重く軋んで動かない。 脳から垂れた憂鬱の尾びれ、目の覚めるようなどろどろの群青。瞼の裏から呼気に逃げ込みきっと二度と出会えない。 昨夜芽吹いた眼球と、一昨日羽化した心臓と、ほんの少しの肉片を連れて、コンクリートのヒビに隠れる。ルージュと煙の乾いた匂いで愛しい肺は干からびた。 時計の秒針歪んでいるから、今以上を構築してももうあの赤には会えないな。 #小説 #詩 ダウンロード copy #小説 #詩 7 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート