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短編集

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短編集まとめ
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#超短編小説

落下

特に理由はなかった。 これと言って何かあった訳でもなかった。 唯、街に数個しか無い高層ビ…

m.
1年前
6

雨の合図

青々とした空、一輪の雲さえない青空。 その空の隅っこに、薄青色のリボンが結ばれている。 も…

m.
2年前
3

ラズベリーのゼリー

合成されたチェリー味のキャンディで 舌が赤く染まってベタついている。 少し前から、鈍色の…

m.
2年前
9

雨の街

鈴蘭の街灯がぼんやりと、雨に濡れた寂れた街を、憐れむように照らしている。 通りには人影は…

m.
2年前
4

冬の鱗粉

冬が世界を白く凝固させている。 灰色に分厚く塗り固められた空に、刺すように吹く風も、靴底…

m.
2年前
4

生贄の花

郊外にある大きなパラボラアンテナが、毎日、何かを受信する。 その度に、大きな曲線を描く、…

m.
2年前
8

不正解の討論

午前3時の月明かり。 満月の光は、昼間の太陽よりはるかに明るかった。視界の端に、極楽鳥の羽色を捉えながら、唯、私が私に課した今日中の業務を淡々とこなしていた。 卓上で感情の解体をする。 卓上で感情の解体を繰り返し、有りもしない正解を模索しては、不正解を、捨て去る作業。 生と死が対極にあると見るか、死は生の延長線上で起こるただ一つの出来事でしかないと見るか、を絶えず考えては、それをまた、ゴミ箱に投げ入れる。 紙とペンがあればいい、幻視と思想ともう会えないあの子達と、何もか

細胞と色彩と

 彼女は淡い紫色の、冷たい呼気を吐いていた。 僕はどっちつかずの、群青の、ぬるい呼気を細…

m.
4年前
10

紫陽花

 雨音はショパンの調べ、な、わけがないだろう。先ほどから降り出した雨はバラバラと乱暴な音…

m.
4年前
9

梅雨の夜

ゆらゆらと空気が揺れるのを、唯見ている。 降る予定だった雨は今日一日一滴も降らずに、空気…

m.
4年前
11

彼の目

彼の目が綺麗だったので、私の人生の中の一晩をあげる事にした。 なし崩しでもなく、向こうか…

m.
3年前
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