情熱
指導に熱が入るとヒートアップするコーチがいる。
僕もその一人だと思うが、大切な事は心は冷静でいる事。
桜花学園の井上眞一先生の言葉を借りれば、怒ったふりで良いのだ。
感情的になればなるほど、周りが見えなくなり正しい判断ができなくなる。
科学的な話をすれば、脳の視覚野のパフォーマンスが50%低下するらしい。
また、この現象は周りに伝染する。
(ミラーニューロン効果という)
逆に良い雰囲気も周りに伝染する。
その苦しい状況を乗り越える為にも、誰かが前向きでいなければならない。
その行動を率先して行えるのが、リーダーだと思う。
一流のコーチ
一流のコーチや職人はだいたい不機嫌。
ピリピリしている=サボれない雰囲気
なんとなくそう思うだろうか?
僕自身は、中学生時や高校生時にそう感じた。
だが果たして、インテグリティが厳しくなった今の時代に、これは有効なのであろうか?
僕は半分正解で半分ハズレだと思う。
僕自身も練習中は一切妥協を許さなかった。
3メンで床にボールが落ちれば怒っていたし、ペナルティもたくさんあった。
だが性格上怒鳴るタイプでもなかったし、正直僕が怒鳴った所で怖くはない(笑)
その分静かに怒られていた僕の教え子達は、もう僕には怒られたくない様な精神的なダメージを受けていただろう(笑)
正解の部分は、上位大会と同じ雰囲気が出せる事。
上位大会ともなればチームはもちろん、レフリーも一流である。
その為会場内で自分達の試合中ヘラヘラしているのは、そのチームに関心がない観客ぐらいだろう。
常にピリピリした雰囲気で練習していると、決めるべきシュートを決めなければいけない雰囲気や、ミスができない雰囲気を味わう事ができる。
僕は練習中鬼のようだったかもしれないが、練習が終わればみんなのお兄ちゃんみたいなものだったと思う。笑
歳も近かったし、教え子達は何人も僕の家に遊びに来たこともあるし、今でも教え子達とは食事に行ったりする仲だ。
一緒にコーチをしている子もいれば、バスケットボールの事で悩むと練習にきたり、連絡くれたりする子達もいる。
オンオフをしっかりする事で、選手とコーチの信頼関係に繋がるのではないかと僕は考える。
これは家庭でも言える事で、家の父や母は怒った事を引きずらなかった。
それは僕も見習うべきと思い、実践している。
体育館でミスした事を怒るが、帰り道ふざけていようが何しようがその事は決して口には出さなかった。
試合が終わってからもそう。
その試合内容が悪かろうが、もう二度同じ状況はない訳で、引きずっていても仕方ないと思っている。
ピリピリした雰囲気を出す練習。
リラックスしてさせる練習と、練習内容のオンオフをつけるのもコーチの大切な仕事だと思う。
選手をやりたくさせる気持ち
僕はミニバスの指導者からスクールコーチとなった。
スキルコーチとも名乗っている。
先日面白い記事を読んだ。
ミニバスに入っている子の約半分は、そこまでバスケットボールが好きではない。
ミニバスの練習に来てバスケットボールを教えてほしいと思っている子は、約3割。
練習なんてどうでも良いから試合がしたい。と思っている子は約7割。
要はコーチは教えたい事がたくさんあるが、子供達が習う姿勢があまりないとの現状のデータだ。
僕はなんで?
の質問をたくさんするコーチだった。
今だから言えるが、正直答えなんて何でも良かった。
この選手は答えられる能力があるか、ないか。
それを知りたかった。
そこで答えられる選手は伸びていくし、逆に答えが出ない選手は伸び悩んだ。
これをピリピリした雰囲気の中で出来るかが大切。
みんなが笑顔でいる状況で発言する事は、そんなに難しい事ではない。
だが、例をあげれば僕がかなり不機嫌の時に率先して発言出来る選手。
そういう選手が多い代は、実際結果が残っていた。
選手達がこのコーチに教えてもらいたいと思わせる事が、何より難しいと僕は思う。
ふねひきミニバスでの指導時には僕がユニフォームメンバー12人、それ以外をH君が見ていてくれたが、試合に出る為にはこのユニフォームメンバー12人に入らないとそもそもユニフォームすらもらえない。
前回の記事でも書いたが、上級生よりも下級生が上手かったら下級生を使っていた。
先ず目標としてはユニフォームを貰う事。
そしてローテーションに入る事。
ベストメンバーで出場する事。
ベストメンバーで出場し続ける事。
そして試合で勝つ事。
ふねひきミニバスで言えばこのステップしかなかった。
その為には勉強をして、より良いものを選手達に提供する。
バスケットボールの事はおれに何でも聞け。
というくらいの気持ちでなければ、選手達からは信頼されにくい。
うちのスタッフのT君も、何でこんな練習するんですか?とコーチに思った事があり、質問したそうだがコーチにいいからやれ!
と言われたそう。
それは果たして正しい回答なのか?
いいからやれ!
と言われるのと
これは~の為の練習だよ。
だからここがポイントだから意識しようね!
あなたはどちらに生産性を感じますか?
前回も書きましたが、選手は機械ではありません。
質問には正しく答えましょう。
それが選手が求めている事ならば。
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