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ふわりとした愛おしいあの人の言葉

「 否定、されなかった 」

たったこれだけだったの。それだけで柄にもなく感動してしまって、泣きそうになって、温かさを感じて、紡ぐ言葉をなくしてしまったの。それほどまでに、うれしいことだった。あの人からしたら何気ないことだったかもしれない。でも、わたしにはとても大切なことだった。

* * * * *


以前、だいすきなものがあった。

すこし幼い子が好むようなものだったのかもしれない。でも、ちいさな頃からすきだった。年齢を重ねると共に過ごして、常にかわいいを教えてくれた……そんな大切な存在だった。

だった、はずなのに。たったひとりの、何気ない言葉で、心ない言葉で、わたしはその温かさも、愛おしさも、すきという気持ちも、手放してしまった。

「 子どもかよ……笑。」

そう言われて笑われた過去があった。いま思い返すと、ほんとに「そんなこと」って自分でもおもえる。なぜか当時は、強くあれなくて、周囲に恐怖を感じていて、でもすきなものはすきで、貫きたかったのだ。

でも、ほんとになぜか。バカにされたような言葉が頭からも、胸に刺さった刃も抜けてはくれなくて。だいすきだったかわいいもの、ぴんく……だいすきって素直に言えなくなって。誰かの目に触れるところで持つことができなくなってしまった。

そんな過去があり、それほど長い時間が経ったわけではないけれども。気づいたらまたかわいいものが増えていて、人前でもだいすきって言えるようになっていた。

こんな過去さえも帳消しにしてくれるようなことが、先日に繋がった。きっと深く考えて言葉を紡いでくれたわけではないとおもう。わたしのこと褒めてくれたわけではないかもしれない。

でも、否定されなかった。それだけで十分だった。それだけで光が見えた気がしたの。同じ目線でわたしのすきなものを見てくれた。それがとても温かくて、理解してくれたことがうれしくて、涙が溢れそうになった。

わかりやすく「いいね!」って言われたわけではない。でも、わたしだからわかる。いままで一度も否定されたことがないもの。きっと好みじゃなくても、同じ目線に立って認めるって誰にでもできるようなことじゃない。でも、あの人はそれができる。

「この人は、とても温かくて、誰かをやさしく包み込んであげられる温かさを持っている。知ってたよ。」

そう改めて感じた。温かくて、ずっと冷めてなんてくれなくて、ずっとずっと温かくて。寄り添ってくれていて、わたしのこと見てくれていて、愛おしくて。たまらなくなって。心がすこし落ち着かなくなって、たくさん涙が溢れそうになった。

価値観がまったく同じ人なんていないからこそ、良いとおもうことだってもちろんある。でも、違う・わからないからという理由で誰かの大切にしているものを否定していいことにはならない。

誰かに傷つけられて信じたくないとおもってしまうことも、もちろんあるとおもう。でも心無い言葉に傷つけられてしまうことも、また笑顔にして温かさを与えてくれるのも人だ。

いつもどんなことでも否定せずに「いいね!」「ぎゃんかわ」といい、いつだってわたしのほしい言葉をくれる愛おしいあの人。

とても温かくて、ふあふあ。ありがとう。

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