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悩みに寄り添い、搾取する。オンライン上の性的搾取の段階について

性的搾取というのは、むりやり性的な行為を強要されることだけを指すのではありません。多くの性的搾取はむしろ、被害者を「手懐ける」ところから始まっています。

こんにちは。SAHS 性依存ヘルプサポートのShiroです。

2014年に発表された「オンライン上の児童性的搾取」という論文の中で、"Cybersexaploitation"という言葉が出てきます。Cybersex(オンライン上の性的なやりとり)とExploitation(搾取)を合成した言葉です。
この論文では児童に対するオンライン上の性的搾取がメインで書かれていますが、児童だけでなく、性依存の傾向がある人や、心の問題を抱えていて、異性に悩みを打ち明けたりした経験がある人の中には、読んでいて腑に落ちる人も多いのではないかなと感じた内容がたくさんありました。今回はオンライン上の性的搾取がどのような段階を経て実際に搾取に至るのか、解説していきます。

悩みにつけ入って被害者を手懐ける(グルーミング)

"Cybersexaploitation"(以下:オンライン上の性的搾取)には、大きく分けて6つの段階がありますが、このうち実際に性的搾取が行われるのは5番目の段階です。それまでの4つの段階のことを「手懐け行動(グルーミング)」と呼んでいます。児童加害などにおいては、「知らない人からおやつやおもちゃをもらったことをきっかけに仲良くなる」ことなどを指しますが、オンライン上の性的搾取においては、「家庭生活や日常生活に関する話題で、被害者の親友的な関係性を構築する」ことで、被害者にとって特別な存在になって、性的搾取へ持ち込むというパターンが一般的のようです。つまり、「悩みや困難を抱えている人ほど性的搾取のターゲットになりやすい」ということを示しています。実際に論文中にも、片親など、家庭環境が子供に対して十分に目が行き届かない状態にある場合ほど、加害者のつけ入る余地が多く、ターゲットになりやすいという言及がありました。

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