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スリップを分析する。依存症におけるスリップについて

先日、渇望の波にのまれてしまい、数カ月離れることができていたアダルトコンテンツを視聴してしまいました。

依存症において、依存行動から離れていた人が、単発の依存行動をしてしまうことを「スリップ」や「リラプス」と呼んでいます。
日本ではスリップという呼称が広く親しまれています。

スリップとは

S - Sobriety
L - Loses
I - Its
P - Priority

の頭文字をとって「スリップ」と呼んでいます。
英語の意味は、「依存行動をしないこと=しらふが優先順位を失う」という意味です。
つまり、「依存行動をしない」という最優先の約束が破られた、という状態を指します。

また、英語圏などでよく使われる「リラプス」はrelapseのことで、再発や逆戻りを意味しています。

スリップは回復の通り道

スリップをしてしまう=恥ずべきことと捉えてしまうことは、スリップそのものと向き合うことから遠ざかってしまうだけでなく、スリップしたことを隠してしまうことで、依存行動に逆戻りしてしまう本格的な依存の再発に繋がってしまうリスクがあります。

なので、スリップしてしまうことは「回復の途上では度々起きること」であると認識しておくといいと考えています。

私は今回スリップを経験して、正直なところ自分にとても失望しました。
発信をしている立場として、スリップしてしまうことへの罪悪感もありました。

しかし、スリップしたことを隠してしまうことは、スリップを「なかったことにする」という嘘を重ねていることになります。
この小さな嘘は、「隠しておけばバレない」という慢心に繋がり、「バレなければやっても大丈夫」という言い訳が、再発の背中を押してしまうのです。

なので私は、スリップをしたことを正直にtwitterで打ち明け、後日ブログにまとめることで、今後の回復の糧にしていこうと思いました。

スリップしたら、「分析」をしよう

スリップした時、多くの依存症当事者は自分を責めます。
そして「また頑張ります」と決意を新たにして、再度しらふの生活に臨むことが多いと思います。

行動としては間違っていませんが、スリップを回復の糧にするために、もう少しスリップに対して踏み込んで考えてみてほしいと思っています。

スリップしたのは結果です。
その結果が起きた状況・感情の動きなどを、少し振り返ってみることをお勧めします。

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