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2代目担当のキューピッドAちゃん

生きる意味とか希望とか夢とか、そういった類のものを全部失って死んだように生きていたぼくを救ってくれた人がいました。

それが歌舞伎町で初めて出来たお友達Aちゃんです。
生い立ちとか過去の出来事を聞くと、なんでこの子はいつも笑顔で、ぼくなんかに親切にしてくれるんだろうと思ってしまうくらい壮絶な人生を歩んできている人でした。
根っからの面食いで当然ながら彼女の担当は整形顔とかではなくて元から整ってる系の王道イケメンでした。

多分Aちゃんはその王道イケメン担当の組数エース的なポジションだったのだと思います。
Aちゃんは、もうホストクラブなんて行きたくない…って思っていたぼくに何回も「奢るから枝で来てよ!」って誘ってきました。あまりのしつこさ(笑)に根負けして付いて行ったAちゃんの担当の店でぼくは2代目担当に出会うことになるのです。

(あ、もちろんAちゃんはそれ以外にも時々うちに遊びに来てはくだらない話をしてくれたり、ご飯を食べに引っ張り出してくれたりする優しい子でした。)

ぼくはその日あまり乗り気ではなかったので、メイクも適当だったしカラコンは何故か1つずつ余っていたやつを付けてバレない程度のオッドアイになっていました。
Aちゃんと合流して元担がいた店の前を通りすぎて目的のお店に到着しました。

約1年ぶり人生2回目の初回でした。
初めての担当は顔で選ばなかった分、この日はめちゃくちゃ顔で選んでやろうと意気込んでいました。
写真指名は黒髪センター分けで一重の韓国系イケメンくんと、バンドマンっぽい金髪ウルフのイケメンくん。

ぼくと仲のいい人はこの段階で既にどっちを選んだのか分かっていると思いますが、当たり前ながら最後はウルフくんと飲み直しをしました。
決め手は襟足ももちろんのことながら、ぼくの地味なオッドアイに気づいてくれたこと(笑)
そしてウルフくんは、Aちゃんの担当さんが可愛がっている後輩かつ、Aちゃんのお気に入りヘルプということもあり、猛プッシュされたのもあります。

それからラストまで他愛もないことをたくさん話しました。
グリンピースとニンジンが嫌いなのにオムライスが好きとか、家でじっとしてるより何をするわけでもなく出掛けてたいとか。あと、彼女に浮気されて別れたからホストを始めたこととか。

話せば話すほど真逆な考え方と性格だったのに、ぼくたちはここから短いようで長い約半年の狂った共依存をしていきます。

狂った共依存なんて書いたけど、ぼくは1度もこのことを後悔したことはありません。むしろ、出会わせてくれたAちゃんに感謝しています。

真逆だからこそ、ネガティブなぼくにポジティブな新しい考え方を教えてくれて、死にたかったぼくを幸せにしてくれたから。
今でも、ウルフくんならこう言っただろうなと思い返してしまほど、彼の考え方はぼくにとって新鮮でその後の人生に大きな影響を与えてくれました。


そんなウルフくんとの短いようで長かった約半年の共依存生活はまた次にでも。

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