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33歳、東京都の補助金を活用して卵子凍結しました

こんにちは。
フェムテックの法人向けサービスcarefullを作っている張です。
タイトルの通り、卵子凍結をしてきました。
東京都の補助金を待っていたら1年越しとなりましたが、無事に卵子凍結が完了したので、体験談を残しておきます。
自分がネットリサーチする中で、クリニックが出している記事はあってもなかなか原体験の情報が探せないなーという思いがあったので、これから検討される方にとって参考になれば幸いです。

きっかけ

20代の頃、婦人科検診で子宮頸がんの異形成が見つかりました。その治療で通院していた際に、多嚢胞卵巣(PCOS)という病気が今度は見つかり、お医者さんからは、妊娠を希望した際には不妊治療が必要になるかもしれないので早めに相談してくださいね、と言われていました。

そんな原体験もあってフェムテック領域で起業をしたのですが、「将来子どもが欲しくなった時の保険」という考え方に共感をして、生物学的に卵子の質が低下し始める34歳までには凍結をしておきたいなと思うようになりました。

クリニックの選び方

産婦人科医やフェムテックの関係者、卵子凍結をした先輩方に相談。
以下が選ぶ際に考慮した軸です。

  1. 費用

  2. 自宅や職場からの通いやすさ

  3. 実績

  4. 培養プロセスへの投資(採卵までの技術の差はほとんどなく、差が出るとすると培養士さんの技術や設備と聞きました)

  5. 将来転勤となる可能性を考慮して、凍結した卵を希望する他のクリニックに送ってもらえるかどうか

  6. そのクリニックが潰れないか

以上のことを踏まえ、私は知り合いも何人かお世話になった港区のクリニックに決めました。

通院1回目 2022/12/07

初回でする検査
・感染症検査
・甲状腺検査
・AMH検査
・IVF術前検査

その他注意点
ピルを飲んでると、辞めてから2〜3ヶ月経たないと卵子凍結を始められないのでタイミングは考慮しておくと良いです。

私の場合は一年以内にひと通り検査済みだったので、ダメ元で検査結果の紙を持参したところ、認めてもらえ検査をカットすることができました。そしてピルも辞めていて、全体的に前準備バッチリだったので、先生からはなんでそんなに詳しいんですかと驚かれました笑

次回は生理の2〜3日目に通院して、本格的なプロセス開始となるのですが、ここで問題が。
なんと通院した日に、小池百合子さんが東京都の補助金を発表したのです。

こちらも別途周囲に聞き込みをし、早ければ4月に開始するんじゃない?ということを言われ、補助金が開始するまで待つことにしました。

9ヶ月待ってようやく制度が開始

4月には全然始まらず、結果的には見立てよりも半年遅れとなりましたが、9/25 受付開始ということですぐに申し込み!補助金の交付申請が降りたのが11月。「卵子凍結をすると決めたら生理2〜3日目に来てくださいねー」と言われていたので、生理周期を鑑みて生理予定日の前後はいつでもクリニックに行けるよう、午前中はMTGを入れないなど仕事を調整しました。

が、予定日を過ぎてもなかなか生理がこない、、、
結局1週間ずれて生理が来ました。

2回目の通院で治療開始 2023/12/22

朝イチで通院。この日は採血とエコー、そして治療計画やお薬の説明を受けました。
朝9:00に行って、終わったのは12:00頃。院内だと仕事ができないし、こんだけの時間かかるのはなかなか辛かったです。
しかもほとんどが待ち時間。
※仕事前に通院できる、日曜日もやっているなどの観点から知り合いはクリニックを選んでいました。
クリニックによってはリモートワークのスペースを設けていたりもするので、そういうところを選ぶのもありかもです。

ここでの豆知識
卵子を育てるために毎日自分で注射を打つのですが、その注射は2種類あるみたいです。
①痛い(太めの針)で安い
②痛くない(細い針)けど、高い

友人に毎日自分で打つ注射で痛いと辛いからここはケチらない方がいいと聞き、私は痛くない方でお願いしました。
この日の費用は薬代も含めてざっくり7.5万円。

奮発した注射はこんな見た目
針は確かに細め

3回目の通院 卵の育ち具合確認 2023/12/30

この日も採血から始まり、エコー検査をしながら卵の育ち具合を確認しました。そしたらなんと成長が予想よりも早かったようで、採卵日が予定の1/6から前倒しで1/4に。
(1/4となったのは1/3まで病院が正月休みだったため。計らずも新年一人めのオペ患者になりました笑)

それにしても予想してはいたけど、生理の予定日といい、採卵の日といい、スケジュールってずれますね。。。

この日新しい注射ペンも処方され、お会計は6.5万円でした。

4回目の通院 採卵オペ  2024/1/4

個室で着替え、点滴に繋がれ、手術台へ。点滴に全身麻酔も入っていたようで気がついたら眠っていて、起きた頃にはもう全てが終わっていました(笑)

知り合いは部分麻酔で挑み、鋭利な針の痛みが出産よりも痛かったと言っていたので、全く痛くなく済んだのはよかったかも。

意識が戻ったあとは再び先生と面談。
「いっぱい取れたよ〜」
と言われ、数を聞いたらなんと39個(!)

PCOSの患者は多く取れる傾向にあるとは聞いていたけど、想像を超える数でした。
むしろ全部凍結すると保管料がとんでもない金額になるので、料金表を見ながら希望する保管の個数を検討。
実際には取れた卵の中で成熟したものだけが生き残るので、Max39個が保存できるわけではありませんでした。
費用体系は基本、6個の卵/1本の試験管ごとにサブスク料があがっていきます。

参考料金

  • 1〜6個 約5万円/年

  • 7〜12個 約10万円/年

  • 13〜18個 約12万円/年

  • 19〜24個 約14万円/年

  • 25〜30個 約16万円/年

  • 以後、6個ごとに約2万円

Q. 1人の子供を希望するのに理想とされる卵の個数は?

先生:「1人につき3個〜多く見積もって8個」
※こちら年齢や個人差もあるので、あくまでも33歳の私のケースとなります

保管する卵の数をどう考えたか

  1. 子供が2人期待できる数は欲しい (=16個)

  2. いっぱい取れたのを捨てるのも後悔しそう

面倒な患者で先生には申し訳なく思いつつ、リクエストをすごく細かく刻ませてもらいました(笑)
17〜18個目 Keep
19〜21個目 捨てる
22個〜24個目 Keep
Max 24個でお願いしますとリクエスト。

この日の会計は23万円でした。

5回目の通院 採卵結果のヒアリング  2024/1/5

翌日、もう一度病院へ。
そこで最終的には24個凍結したと告げられ、その分の手続きやお会計をして帰りました。

費用は15万円ちょっと。

トータル費用
・採卵まで 35〜40万円(東京都の制度を活用すると20万円補助)
・1年目の卵子保管 15万円(東京都の制度を活用すると2万円補助)

凍結を終えて

凍結した卵子は最大10年間保管できます。
今後ライブイベントがどうなるかはわかりませんが、将来の妊活に対する安心材料ができた点では、本当にやって良かった!

思ったよりも大変なことで言うと、通院のスケジュール調整、そしてお腹が張ってしばらくの間食欲が低下しましたがどちらも許容範囲ではあるので、メリットデメリット比べると圧倒的に満足しています。

以上、張の体験談でした!

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