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あなただけが大事だった素敵な季節

わたしが生まれ育った盛岡という街は
川が多い。
必然的に橋も多い。

川も橋もものすごく大きいわけではなく
まあ、歩いて渡っても1,2分程度のもの。
橋の上からは、川辺を散歩する人や
川面にゆらゆら光る魚の影が見えたりする。
冬には鮭や白鳥が訪れる。

そんなあたりまえの風景が
じつはとても美しいものだと気づいたのは
盛岡を離れてからだった。

自分自身のこともそうだけれど
特徴というのは、ちょっと離れてみないとわからないもの。

無意識にわたしは、
どんな街に暮らしても
歩いていける範囲に川のあるところを選んでいる。
今も隅田川まで、徒歩5分くらいの距離だ。

川は海や湖とはまた異なり
より「直線的に流れている」感がある。
時の流れ、つながり、運ぶ。

中学高校時代には
ボーイフレンドと手を繋いで川辺を歩いた。
橋の下で、あたりが暗くなるまでおしゃべりに夢中になった。
水切りをする背中をまぶしく見つめた。

川はわたしの人生にとって、
いつもそばにある大切な存在だ。

じっとしてね ちょっとだけ
光と影ゆらさずに
恋が消えてしまったら
この景色も消えるから

川景色

川景色
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

『REINCARNATION』 1983/2/21

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