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どこから来て どこへ行くの

小学校か中学校の国語の教科書で
桜の木で染め物をされる
志村ふくみさんのお話を読んだことを
よく覚えている。

詳しい内容は朧気なのだけれど
強く印象に残っているのが
桜は1年に一度あの短い季節を咲き誇るために
あの桜色を蓄えているのだ、といった一節。

それ以来、
咲き誇る桜並木を見るたびに
ああ、この木々は桜の木だったのかと思い出し
その一節もあわせて思い出すのだった。

わたしはとかく
なにかなしたことの結果を
すぐ求めすぎるのかもしれない。
1年かけて、
あの春の数週間を咲き誇る
桜のように
のんびりと構えてみてもいいのかもしれない。

窓際では老夫婦が
ふくらみだした蕾をながめてる
薄日の射す枯木立が
桜並木であるのを誰もが忘れていても
何も云わず やがて花は咲き誇り
かなわぬ想いを散らし 季節はゆく

経る時

急がなくても
時はこんなにも速く過ぎるのだから。


経る時
作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

『REINCARNATION』 1983/2/21


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