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2022/1-2新譜感想 The Weeknd, Hippo Campus, Big Thief, Spoon, 他

今年は序盤から充実した新譜のリリースが続き、早々にリスニングが追いつかなくなっています。
アウトプットすると記憶に残るので、可能な範囲で書いておこうと思います。力入れて書くと後が苦しいので、軽めに行きます。

■Grace Victoria「Love&Justice」

ジャズやボサノバ調のアコースティックな楽曲と本格感のある歌唱。この手の路線にありがちな取っつきづらさは、キュートで跳ねるようなメロディに緩和され、聴いていて楽しく冬休み中によく聴きました。
1/1リリースのデビュー作。幸先良くて嬉しいですね。

■The Weeknd「Dawn FM」

2022年初めの必修科目的な姿勢で聴き始めたものの、しっかりハマりました。特に「Out of Time」はいくらなんでもメロディがくさすぎるだろう、と当初は思ったんですが、そのシンセサウンドが癖になり、更に調べたら1983年リリースのJポップが元ネタで親近感も沸いてしまい、結局は当月で一番繰り返し聴いた曲というチョロさ具合です。

■Hippo Campus「LP3」

ヒッポー・キャンパスの3rdアルバム。アレンジがカラフルで遊び心があり、親しみやすくポップなメロディー、インディー感のあるバンドサウンド。自分の印象と世間の評価で今回一番ギャップがあるのは今作で、過小評価されてると思います。
Vampire Weekdendを連想する瞬間が多々あり。と言うか声もちょっと似てますかね。
もっと広まれー、そして来日しろー。


■Animal Collective「time skiffs」

アニマル・コレクティヴは全作追っかけきれてないんですが、彼らの大名盤「Merriweather Post Pavilion」は00代で最も好きと言っていい作品なので期待値が高くなってしまいます。
今作はというとそれに並ぶにはちょっと地味かもしれませんが私は傑作のレベルにあると思います。彼らの中ではややオーガニックな感触でバンドサウンドを残してる分類、リラックスして聴ける懐の深さが魅力的。
彼らからしか得られない養分は十分に満たされました。

■Big Thief「Dragon New Warm Mountain I Believe in You」

白状するとBig Thiefは今作が初めてなんですが反省です。すでに高い評価を得ていますが、私もメロディ、アレンジ、質感、楽曲構成、他に無い高みにある非凡な作品という感想です。
けどですね、もう少しコンパクトにまとめてほしかったのも正直なところ。20曲 1h20minですからね。
通しで聴くのは覚悟が伴いますので、次作においてはもう少し削って密度を高めて頂けると助かります。という謎の低姿勢になってしまうほど、楽曲のレベルの高さには文句が全く無いです。凄い。

■Spoon「Lucifer On The Sofa」

こういう生々しくギターをかき鳴らしてくれるオルタナバンドは定期的に摂取していきたいものです。良い意味で期待を裏切らない展開や各パート必然かのような纏まりがイケてます。どっしりと構えた余裕のある大人のロック。あの頃背伸びして聴いたロックの煌めきを思い出しました。


■Gang of Youths「Angel In Realtime」

ギャング・オブ・ユースの3rd。2020年代の洋フェスヘッドライナーはこの人達に託したい。
1-4曲目のスケールの大きなダイナミズム溢れるロックサウンド、まずこれでやられたんですけど、5曲目からはダンサンブルな趣が追加。ベースフレーズやリズムパターンに一捻りあり、聴き減りしなくて素敵です。アーティストとしての華も楽曲のパワーもどちらもあって、大変に期待です。



■Fickle Friends「Are We Gonna Be Alright?」

フィックル・フレンズの2nd。これも良盤です。#8「Yeah! Yeah! Yeah!」のようなディストーションギターによるリフが牽引するエレクトロパンクから、抑制されたシンセポップ#4「Alone」まで、幅広くも統一的な世界観、キャッチーなメロディ、伸びのある歌声。liveで化けそうな雰囲気がいいですね。
このバンドはあまり王道には行かず、ちょっとくらい変なことやっててほしいです。


■宇多田ヒカル「BADモード」

既に各所で批評され、どう語っても後出しになるので気が引けるんですが、共同製作者が混在している弊害か、中には好みじゃないなって曲も複数あり、個人的にはハマりきれないのが悔やまれます。具体的には「誰にも言わない」〜「Face My Fears」。
特にSkrillexとの「Face My Fears」は望んでいない方向へのパンチが強くて個人的にはかなり苦手です。大体サビの途中でギブアップして飛ばすのがパターン化してしまっています。
5曲目までが非常に好き。

■THE SPELLBOUND「THE SPELLBOUND」

これはですね、正直別の形を期待していました。というのも前身であるBoom Boom Statellitesの延長上にありすぎるんですよね。まあそういうコンセプトで、勝手な自分の期待とは違ってたってだけの話ではあるんですが、楽曲もそう大きな変化はないし、ボーカルの声もエフェクトもどうしたって川島氏を思い出してしまう。どうせなら女性ボーカルだったり楽曲もガラッと違う路線で見せてほしかった。
かつてBBS(初期ですが)に夢中になった時期があり、いつまでの中野氏には、新しい扉を開いてくれるような音楽を期待してしまいます。「Umbra」とか凄まじかったですから。なんか別名義での活動とかもしてほしいですね。


ここまで振り返って、今年は改めて充実してるなと。
来日公演の文化も戻るといいですね。サマーソニックの第一弾発表は良かったですよね。まだ発表していないフジロックに期待しています。

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