おしまいのデート
瀬尾まいこさんの『おしまいのデート』を読んだ。
解説にもあったけれど、薬膳スープのようなお話。心が温まった。決して全てポジティブな「おしまい」ではないのだけど、ここで終わらない続きがある終わり。こんな「おしまい」もあることをすっかり忘れていた。
家族を思い出した。特に母親。
わたしは昔とうもろこしが嫌いで、匂いから無理だった。夏の大通り公園は最悪だった。
たまに母が仕事から疲れてお惣菜を買ってくる日があった。そこにとうもろこしが入ったおかずがあると、律儀に抜いて出してきてくれた。(おかずを丸ごとでなく、とうもろこしだけをよけてくれていた)もちろんこれは小学校とかの話。私は元からとうもろこしがない物だと思って食べていた。
母のその行為に気づいた時、こんなのめっちゃ面倒じゃん、となんとも言えない感情を抱いた。それ以来、食卓に出されたらとうもろこしは食べるようになった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?