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ALDIOUS、Re:NOに涙を流した日々。

荷物を整理するついでに、久しぶりにLIVE DVDを見た。正確には、見ようとした。こみ上げるものが大きすぎて、途中で見られなくなってしまった。

ALDIOUS(アルディアス)という女性バンド。私は2代目ボーカルのRe:NOのファンだ。一見キャバ嬢のような華やかなドレスを身に纏って、思いっ切りヘドバンをかますようなヘヴィメタルのバンドだった。

Re:NOのことは、KERAという雑誌で読者モデルをしていた時から知っていた。
透き通るような金髪が綺麗で、肩や腕にタトゥーの入った、それでいて繊細な女性。彼女の声は、自身で書いた哀しさや強さで胸がはち切れそうな歌声だった。

彼女は2019年をもって、耳が壊れてしまったことからバンドを脱退している。

ALDIOUSのライブには、地元に来る度に参戦した。私が初めて「箱」と呼ばれる「ライブハウス」に行ったバンドだ。都合が合えば、県内であれば新幹線に乗ってでも行った。
ファン層はお兄さんやおじ様だらけだったが、女1人紛れて行った。行く度にマフラータオルを買い、ヘドバンをしたり、こぶしを振り回した。

大音量は心臓がビックリしたけれど、爽快な音だった。大声を出しても構わない、飛び跳ねてヴォイヴォイ叫ぶ。ストレス発散にはもってこいだった。

ヘヴィメタルでありながら、バラードもあった。Re:NOの悲しすぎる歌詞で泣いた事も沢山あった。

ALDIOUSは今、3代目のボーカルに引き継がれて、新しく活躍している。それでもRe:NOの声が忘れられなくて、どうしても聞く事が出来ないでいる。

元々ロック調の曲が大好きだ。
重いサワのベース、素早くて軽い、だけどパンチのあるMarinaのドラム(バスドラムが3つあるのは他に知らない)、曲全体を引っ張っていく張りのあるトキとYoshiのツインギター。そして強くて優しくて、悲しいRe:NOのボーカル。

そんなRe:NOが最後に地元に来た時、私は精神的に堕ちていて、とても大声を挙げてヘドバンが出来る状態ではなかった。家で曲を聞く度に泣いていた。それでもライブには行きたくて、彼女に手紙を書いて行った。差し入れを入れる箱に「今日はとてもヘドバンも大声も出来ないけれど、その代わりにずっとこぶしを挙げる」という内容を書いた手紙だった。

Re:NOが最後という事は、当然露知らずだった。彼女が好きだった「GLADNEWS」というブランドの服を着て、目立つように上から赤と黒の市松模様のロングシャツを羽織り、下はsemanticdesignのデニムでまとめた。カラコンにはDハロで余った、青色を着けて行った。

運良くRe:NOの正面に立つことが出来た。箱の本当に真ん中辺りの位置だった。
何度か目が合った気がした。私は笑うことも出来なかった。ただひたすらに、こぶしを挙げ続けた。彼女も、普段より笑顔が少なかったように感じた。

DVDが発売された時、絶対に買って手放してはいけない気がした。彼女の脱退ニュースが流れたのは、その後だった。

今日久しぶりに見ようとしたけれど、彼女の声に、表情に耐えられなかった。涙が止まらなかった。「この瞬間、Re:NOは何を考えていたんだろう。どんな思いだったんだろう。」そんなことを無意識に考えてしまって、悲しくなってしまった。

Re:NOは今、事務所に所属しながら、Instagramを中心に活動している。音楽からは離れ、絵の個展を開いたり、本を出版したりした。
個展には行くことは出来なかったけれど、本は購入することが出来た。タイトルは「生きづらい」。

最初にタトゥーを掘ったのは、人見知りを治すため。手首に目のタトゥー。続いて、肩に自身でデザインした髑髏、腕に英詩や星など、次々に増やしていった。全ては彼女の生きづらさを表現するため。

ここ最近はInstagramの投稿も減ってしまった。彼女のことだから、フラッと海外に行きたい欲が上がっているのかも知れない。お兄さんの子供の遊び相手をしているかも知れない。

彼女がまた音楽を発表したら、その作品は手に取りたいと思う。仮に箱に来ることがあれば、予定を何とかして行きたいと思う。

今、手持ちのCDを大量に出品して断捨離しているけれど、彼女の作品は手放したくない。音源はPCにもUSBにも携帯にも入れてあるけれど、CDやDVD、マフラータオルは手放すつもりはない。

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