ヴァグラントのここがすごい!(観劇日記)
ファミマの店内で聞こえてきそうなタイトルにしてしまったんですが、ただの観劇した感想です。
a new musical「ヴァグラント」、8月22日の公演を見てきました。
この日記はポルノグラフィティのファンが書いています。
ミュージカルの観劇経験は、遠い昔の学生時代に片手で数えられるほどの回数しかありません。
今回は完全に晴一さんきっかけで観劇した人間です。
きっと読んでくれる方は私のことを知っている方のほうが多い(=ポルノファンの方が多い)と思いますが、どなたが見られるかわからないので一応私のことも書いておきました。
そして、ミュージカルのセリフや演出、パンフレットのネタバレも含めてこの先に感想を書きます。
避けたい方はまたいつか読んでいただけると嬉しいです。(個人的にポルノファンの方は先に読まないほうが楽しいような気がします。ライブと同じような感じであまり知らない状態から初めて見た方がいいんじゃないかなと。人それぞれですが。)
そしてレポートでは無いので超読みにくいです。先に謝っときます。すみません🙇
それでもよかったら見てもらえると嬉しいです。
そしてあなたの感想も聞かせてもらえると嬉しいです。
🕺 行くよ~
とりあえず見終わった後の感想を一言で言うと「生で見れて本当によかった」。
普段全然書かないnoteに気持ちを残しておきたくなるほどには心が突き動かされた。
ミュージカルって、プロの人たちの仕事って、本当にすごい。
正直こんなに圧倒されるだなんて思ってなかった。
歌、音楽、お芝居の素晴らしさよ。始まってすぐにあっという間に引き込まれてしまった。
なんだか心動かされまくったので、ネタバレありでまとまらないまま書いていく。
マレビトって結局なに?
造語かと思ってたら違うんだね!
ただ、「来客あるいは客神をあらわす語」として古くからあるのと、折口信夫さんという国文学者が「古代の来訪神の存在を説明するためにこれを用いた」と記載があるので、ヴァグラントにおけるマレビトはまた別の独自の意味があるんだと思った。
旅芸人は身分が低かったみたいな記述を伊豆の踊子などで見たことがあったので、そんな感じなのかな。
でも佐之助も桃風も特殊な能力があるようなので、ただの人間ではない。
特殊な能力があるからこそ、利用されたり迫害されたりしかねないから旅をしているのかな。
パンフレットによると
晴一さん「日常がどんなにつらくても自分のライブの2時間だけは浮世のつらさを忘れてほしいと思ってやっている」
板垣さん「マレビトは晴一さんそのものなんですね」
という会話があったとのこと。
ヴァグラントにおけるマレビトはどんな人間を指すのか正確なところはわからないけど、晴一さんのミュージシャンとしての人格が移植されたようなキャラクターなんだろうなとは思った。
幸せってなに?
後半開始時の劇中歌「あんたに聞くよ」は日比谷フェスティバルの時点で歌だけ聞いたことがあった。そのときにはわからなかったけど「あんた」は観客の私たちなんだとやっと理解ができた。
マレビトやヤマの人たちの生き様を外から見ていたはずが、急に同じ視点になったので不思議な感じがした。
私の知らない時代に必死で生きてきた人たち。
その人たちは手にできなかったものがある。
今の私はどうだろう。
それらがあること当たり前になってないかな。
生きてることも当たり前になってないかな。
100年前の大正時代に必死で生きてきた人たちから私たちは問われている。
胸がギュッとなった。
▼元ツイートから歌詞つきで曲が聞けます
晴一節
ポルノファンならきっとわかるであろう、私たちの心に染み込んだあの感じ。
メロディーやセリフ、歌詞の書かれ方の中に散りばめられたそれらを感じ取るたびに高揚感があった。
(お話が進むにつれてストーリーにかなり集中していったので細かい部分は拾えなくなっていったけど。)
例えば「他人と自分の線引き」、「約束」、「自分を欺かない」とか。
煙、ウォーカー、AGAIN、ダイアリー00/08/26、THE DAYあたりの歌詞が近いかもしれない。
政則、トキ子、譲治の3人が歌う劇中歌の中に「間違えたときはそっと教えて」というような歌詞があった気がする。そういうところなんですよ…。
晴一さんの内面にある哲学が見えると嬉しくなっちゃうなと思った。
それと、パンフレットを開いて冒頭に晴一さんの言葉が載っている。
開いて読んだ瞬間、本当に私はこの人が大好きだと思ったし、この人を追いかけてきたことが改めて誇りに思えて泣きそうになった。
性別も年齢も職業も違うけど、昔からポルノグラフィティの二人はずっと偉大な人生の先輩だと思っている。
それは本当に上記の言葉を人生かけて体現しているから。もがいて前に進んできたことをファンなりに知っているから。
「ミュージカル作ってみたい」と日記に書いていたときから、長い時間を掛けてここまでのものを創り上げてしまったのも知っているから。
こんな人間になりたいと改めて思った。
他にも、以前noteにも書かれていたこのお話に近い内容がパンフレットに書かれていた。
私は欠点が気になってしまう。
足りないものを見つけて悔しい悔しいって言って、何とかその穴埋めをしようとする。
人は欠点も魅力などというじゃないですか。他人ならそれはわかる。でもなぜか自分自身にはそう思えない。欠点は嫌われる要素だと頭の中で紐付いてしまっている。少しずつでもそんな自分を認められたらいいよね。
とか書いてたんだけど、だから他人と関わって生きるのは大事なんだなと思った。
認めてほしいと自分を押し付けるのは違うけど、自分の好きになれない自分も他人の目に触れると嫌な部分ではなかったりするもんね。
私も誰かの人生に丸をつけたいものです。
プロとは自分が輝く場所を知っている人
パンフレットも一気に読んだし、晴一noteも後から一気に読んだ。
各所にありとあらゆるプロが集結しまくったとんでもないミュージカルだと改めて実感した。プロかっこいい…。
で、私もそんな仕事ができるようになりたいとぼんやり思った。
なんていうか、歌ったり踊ったりお芝居できる人はどんどん舞台に上がってほしいし、歌を作ってお話を書ける人はインスピレーションをどんどんアウトプットしてほしいし、インスピレーションを言語化できる人はどんどん言葉にしてほしいと心から思う。
プロとは自分が輝く場所を知っている人で、その場所に行くために「我こそは!」と言える人なんだと思った。
自分だって日々仕事をしてお金をいただく暮らしをしているわけだけど、正直仕事をしているときが輝いているときだとはあまり思えていない。一日のうち長く時間を費やしているというのに、それって勿体ない話だと思う。
輝ける場所に向かって「我こそは!」って心から言える人になりたいと改めて思った。
腹を括る
数年前に「自責」という言葉を知った。他人のせいにするのではなく、自分にできることを全うしようという考え方。(自分が全てやらなくちゃいけないとか、全て自分のせいにしなくちゃいけないというのとはまた違う。)
物語も、みんなが腹を括る意識を持ってから大きく動いた。
「あいつのせいで!」「わかってくれない!」ではなく、どうしたらわかってくれるか、またはわかってくれないならどうしたら好転させられるかを考えて行動する。
すごく難しいけどそれができる人になりたい。(さっきからそんな人になりたいとばかり言っているね)
※でも「あいつのせいで!」「わかってくれない!」って思っちゃいけないわけじゃないと私は思う。そう思うのには必ず理由がある。
相手を変えることはできないにしても、嫌なことにちゃんと怒ってどうしてほしいか伝えるのも手段の一つだし、怒らずにどうしたらいいか考えるのもまた一つの手段だと思う。
ハッピーであること
昔から、アニメやドラマなどのつらい・悲しい・苦しいシーンを見ることができない。
物心ついたころにはそうだった。母曰く、未就学児だった頃の私はセーラームーンを見ていても苦しいシーンになると逃げだしていたらしい。そして未だにドラマや映画を家で見るのが結構しんどい。逃げたくなって集中が途切れる。早送りしたりもする。
ただ、舞台や映画館で見る映画のように、拘束されると見ざるを得ないので見られる。今回も途中ちょっときつかったけど集中は全く途切れなかった。
どうしてか考えたら、会長と健三郎と崎島以外みんないい人だったからかもしれない。(崎島も憎めなかったけどw)
すれ違い、ぶつかり合って時に絶望するけれど、基本的に思いやりを忘れない人たちだったのが救いだった。あと誰も死ななくてよかった。
ハッピーエンドであることは私にとっては結構大事なことなんだなと思った。
(でもチサをソロで歌わせて「かわいいねえ☺️」と思わせてからのダイナマイトでドカーンの一幕終わりはえぐかったよお…。)
細かい備忘録とか気になったこととか
・オープニングの「a new musical、ヴァグラント」って晴一さんの声だったよね!
・三ツ葉炭鉱のトップの名字が弓削で、トキ子の名字が三葉なのはどうしてなんだろう。
・そもそも「ヴァグラント」ってどういう意味なんだろう。
・譲治が佐之助の手を握って仲間だと認めた後、同じように炭鉱の仲間たちの肩を触っていったのがよかった。言葉に嘘がないのがしぐさでよくわかった。
・ヤマの人たちと佐之助が仲良くなっても、どうすべきか悩んで一人でいた桃風が、最後に桃風らしく人とかかわって笑顔になれてよかったなと思った。佐之助には佐之助なりの関わり方があっていいし、桃風には桃風の関わり方があっていいんだと思えた。
・佐之助すごいやんちゃなのに、トキ子のことを「トキ子さん」ってさん付けで呼ぶのがかわいくていいなと思った。
・平岡くん、普段はあんなに根っから優しそうな人なのに、今回は激渋で怖〜い健三郎になってた。すごい。
・炭鉱夫たちが社長室に乗り込むシーンで一瞬晴一さんの声しませんでした?ファンの幻聴?
・もし次回があればミュージカルの音響に特化した舞台だと…もっといいな…(明治座がお話を引き受けてくれてこのミュージカルは実現したわけではあるけども…)
・俳優さんのファン、ミュージカルファンなど、いろんなファンの方の目線から感想が聞いてみたいと思った。
・俳優さんみんな、その役を演じるために生まれてきたんだと思うような配役だった。本人のキャラクターもそうだけど、たくさんの努力の賜物なんだろうな。
・一回観劇できればいいやと思っていたけど、物語やお芝居をしっかり焼き付けたいし、キャストチェンジバージョンも見たいし、同じキャストさんの進化も見たい…。沼や…。
というわけで感想でした。
▼ エンヤーサーサーしながら捌けていく我らが晴一Pがかわいかったです。
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