ここは終点➖詩


暁の空の色が溶けた海を見ていた
さざなみは私をまた一人にした

もう行く先はない

滅びゆく体 腐りゆく体液

寂しさにほんの少しミルクを注いだような波の音
ゆらめいて消える ゆらめいている

私は 本当にここに来たかったのだろうか

みんなどこに向かっているの?

燃えるような朝日も
芯から凍えた私を置き去りにする
指先はぎこちなく

ここは終点、行く先はない。

この広い浜辺に閉じ込められている

上部だけの自由と歌うような海の音

もう見失ってしまった

もう見失ってしまった

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