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3月28日 私の春が来た

先日街に出かけて、いわゆる「JD」と会う機会があった。女子大生ではなく、JD。

個人的に抱えている印象の話になってしまうけれど、女子大生と表すと黒髪のストレートで控えめで小脇に本なんかを抱えていて喫茶店で本を読んでいるようなイメージ。JDと表すとちょっとやんちゃで「今月ピンチなんだよね〜」なんて言いながらバイトに駆け出していく感じ。

久しぶりに会うその子、以前は女子大生のイメージだったのに髪の毛をハイトーンにしていて、その場にいるだけでその場がパッと華やぐような雰囲気を惜しげもなく醸し出すJDとなっていた。「来年から就活するんで今最後に楽しんでいるです」という彼女は本当に楽しそうだった。私にもあんな頃、あったなぁ。

そんな軽やかな彼女のオーラを全身に浴びたら「私も髪染めたい!」と思い、さっそく染めた。近所のドラックストアで買った745円のヘアカラーにて。

私がヘアカラーから退いていた15年で技術は驚くほど進化していたようで、カラー液は混ぜてもびっくりするような色にはならなかったし、匂いもなんだかちょっとフローラルに近づけようとしている努力が感じられた。前は呼吸したら鼻の粘膜が悲鳴をあげるような匂いだったような気がしたのに。

そんなこんなで新しい髪色となった自分を見て「生まれ変わった」と思った。何から何に生まれ変わったのかはわからないけれど。

思えば髪を染めるという行為は、私たちが無意識に科せられている足枷から解放してくれる行為に似ているような気がする。先ほどのJDも「最後に自由に髪を染める」と言っていた。自由を表現する究極の方法は髪を染めることなのかも知れない。

私は子を出産しママになったけど、ママとしての役割だけではなく「個」としての自分も捨てきれず、どうにかして両立出来ないかと足掻いている真っ最中。その「個」の表現の一つとして今回髪を染めたのかも知れない。

黒髪で髪を振り乱しているとどうしても昭和の疲れた母ちゃんっぽくなってしまうから、そこから逃げたかったのかも。ちょっとヘアカラーしてますよ、自分もケアしていますよ、的な誰にするのかわからないアピールを含めて。

とにかく、髪を少し明るくしたら気持ちも肩に乗っていた重圧も少し軽くなった気がするのだ。春風でひゅ〜っとどこかに飛んでいってしまいそうなくらい。春だ春だ、春が来た。何もかも全部、春のせいにして今年はヘラヘラっと楽しく生きたい。

うちの金魚に美味しいエサを食べさせたいと思います。