潜水服ジャケットにハズレなし① Deceptive Bends - 10cc
ピートルズ路線が好きな僕にとって、少しヒネリが効いたブリティッシュ・ポップスは最も興味をそそられるジャンルです。
その代表とも言えるバンドが10ccです。
王道ポップが得意なエリック・スチュワートとグレアム・グールドマン。エキセントリックなアプローチが好きなケヴィン・ゴドレイとロル・クレーム。
この真逆なスタイルの2チーム4名が融合した10ccのサウンドは、僕の欲求を十分に満たしてくれる『捻くれポップ』でした。
今回紹介する『Deceptive Bends』は1977年リリースの5作目です。
10ccが真っ二つに分離してポップチーム(エリック・スチュワートとグレアム・グールドマン)の2人だけで作った渾身の作品です。
まぁ、この2人が作っても十分に捻くれてますが…。
とにかくアルバムを通して捨て曲が全く無い『超名盤』です。
前作までのサウンドと比べ、全体的にシンプルなギターバンド寄りになっていて、各曲のクオリティも上がっていると思います。
もちろん独特なコード展開やバッキングボーカルは健在で非常に10ccらしいです。
さて、全曲ではないですが、特にお気に入り数曲の感想を書きます。
A-1 Good Morning Judge
B-3 You've Got a Cold
この2曲はどちらも人を食ったようなメロディのfunkyなナンバー。
しかし軽快な『Good Morning Judge』、ドッシリ重いビートが効いた『You've Got a Cold』とそれぞれの表情は違います。
リズムギターのノリとギターソロがカッコイイです。
Wild CherryやAverage White Bandの白人ファンクバンドのパロディなんだろうかと勘繰ってしまいます。
A2 The Things We Do for Love
『愛ゆえに』
非の打ち所がないポップソング。
完璧です。
10ccの中で一番好きな曲で、僕の半世紀近い音楽ライフの中で、ピートルズを除くTop20に入るナンバーです。
『I’m Not In Love』とはタイプが異なりますが、どちらの曲も甲乙付け難い名曲で10ccの代表曲と言えますね。
B-4 Feel the Benefit(Parts 1. 2 & 3)
アルバム最後に入っている11分を超える大作です。
タイトルからも分かるように3つのパートで構成されたメドレーで、メロディやストリングスがAbbey Roadを彷彿させます
(ホワイトアルバムの『Dear Prudence』かも?)。
パート3の終わりで聴けるエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンのギターソロの絡み(ギターバトル?)は『The End』のギターソロを意識したのかも。しかしフレーズは個性的で面白いです。
そして、ギターソロが突然途切れる点は
『I Want You』ですよね。
やっぱり、ジャケットのデザインに潜水服を使ったアルバムにハズレはないです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?