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箸休めではない Wild Honey Pie

『Wild Honey Pie』はホワイトアルバムに入っている1分足らずの小品。
最初聴いた時は「何じゃコレ⁈」と思ったけど、こういった「お遊びソング」は嫌いではない。いや、大好きです。

ポヨ〜ンとした雰囲気で始まり、G - F - E - E♭- Dと1音、半音、半音、半音と下がって行くコード進行。
ボーカルも芝居がかった感じで
Honey Pie...
Honey Pie...
I love you... Ooo
とコミカルな作品に仕上がってます。
Paulのソロアルバム『McCartney Ⅱ』に入っててもおかしくないですね。

▫️『Wild Honey Pie』とは…

このアルバムにはSIDE4の2曲目に『Honey Pie』というボードビル調の曲が入ってます。
正にPaul McCartneyといった名曲。
僕はてっきり、この『Honey Pie』を先に録音していて、後でオフザケ・バージョンの『Wild Honey Pie』を作ったと思ってました。
ところが録音日は『Wild Honey Pie』の方が2ヶ月前だったんです。
もちろん『Honey Pie』の構想は先にあったそうですが、コード進行もメロディは全く違いますね。全く別モノです。

⚫︎『Honey Pie』のRepriseや変奏曲ではない独立した曲。
⚫︎アレンジも絶妙。
⚫︎録音日も『Honey Pie』より前だった。
⚫︎アルバム中の配置は本家『Honey Pie』より先の全40曲中5曲目。堂々のSIDE1収録。

東芝音工盤 Red wax

こういった状況を踏まえると、
アルバム構成に於いて『箸休め』的な存在とは思えません。
ホワイト・アルバムは曲順にかなり拘ったらしいです。しかも各曲の曲間を無くしてアルバム全体に一体感を持たせてます。
そんな凝りに凝ったアルバムの中で、花形のSIDE1に収録されたわけですから、
『Wild Honey Pie』は粋な歌舞伎者です。
アイデアも素晴らしいし『箸休め』なんて口が裂けても言えませんね。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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