専門に特化するよりも重要な「最強の武器」を手に入れたい人が読む本
特定の分野に専門特化している人は、一定の信用がありますし能力も高いように見えますよね。とは言いつつも、「これからの時代は闇雲に専門特化しても生きていけないんだよ!もっと大事なのは知識の幅!」と説く本が面白かったのでご紹介します。
「RANGE 知識の幅が最強の武器になる」には、これから新しいスキルを身に付けたい人や、今もっているスキルを活かしたい人にとってより良いヒントがたくさん書かれています。
親切な環境での専門特化は有益
「RANGE」の内容を一言でまとめるとこうなります。
「専門特化は親切な環境に適応できた分野だけに有効であり、すべての分野で適用できるわけではない」
親切な環境とはすなわち、フィードバックがすぐに得やすく、成長への筋道が立っており、パターン学習が可能なフィールド。例を出すと、チェスやゴルフですね。ぼくはどちらも未経験ですけど、この分野のプロは早期から専門特化に勤しみ、努力を積み重ねてきた人たちでしょう。
要するに専門特化が効果的に分野とは、学習環境が整っていてノウハウも潤沢にあるゲーム要素が含まれた分野のことですね。
意地悪な環境での専門特化は不利益
「RANGE」を読んでいて目からウロコだったのは、ゲーム要素の少ない環境では、専門特化してもうまくいくケースは少ないという事実ををわかりやすく理解できたことです。
親切な環境とは真逆の環境を本書では、「意地悪な環境」と呼んでいます。
専門特化が大事だと言われている風潮が現代にありますけど、だからといってその専門分野が使われる環境を理解してから特化する努力をしないとムダになってしまうわけです。
たとえば、エアビーアンドビーは専門特化したスキルで作れるか?と言われたら誰もがビミョーだとわかるでしょう。なぜなら作ったサービスや機能がすぐにフィードバックを受けられるわけではなく、結果は1年後になる可能性もあります。それに相手は人ですからパターン学習もできません。しかもどのような行動が正解かもやってみなければわかりませんよね。
これからの時代、親切な環境での行動量は減っていき、意地悪な環境につねに身を置かなければいけないのは誰もが理解していますよね。クリエイティブに考えつつ、仮説を立てて行動することでしか、成果の良し悪しはわからないのです。
ではそんな意地悪な環境を上手に乗り越えるための武器とはなにか?それが知識の「幅」だというのが本書の主張です。
寄り道や回り道が宝石を見つける
親切な環境で力が発揮させる専門分野、たとえばゴルフなどは、筋道立った練習方法が確立されており、やり続けていくとパターン学習も進み成果が出やすくなりますよね。それを知ってか子どもをプロに育てたい親は、早期から専門特化な練習量を子どもに押し付けます。
ただこの行動には、寄り道も回り道も実験もありません。言い換えると、自分で仮説を持ってやり方を変えるタイミングがないのです。
「RANGE」では、そのような生き方は意地悪な環境では役に立たないと主張しており、その理由が明確にわかります。世に大きな影響を与えた偉人たちも、全員が専門特化に注力していたわけではありません。最初は間違いだと思われた寄り道や回り道、奇想天外な実験など、親切な環境では得られない経験をたくさんしているわけです。
だからこそ、いろんな失敗を経験し、その失敗を受け止められる器量が身につき、その器量のおかげで想像力豊かな思考ができるようになるのです。
ぼく自身、専門特化するよりも幅広いスキルを得たいと考えているので、本書の主張には背中を押されました。もちろん専門特化するのも良いんですけど、大事なのは知識の幅になる時代がもう来てるのはまちがいないでしょう。
自分のスキル設計を考える上で大変役に立つ本なので、試しに読んでみてはいかがでしょう。
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読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。