大厚木でバフェットからの手紙を読む③運用成績の現実と虚構
大厚木で寝ながらバフェットの手紙を読む日々だ。さらに続きを読み進める。ここからはバークシャー・ハサウェイの運用成績の「現実と虚構」を解き明かし、投資の真髄に迫る洞察を提供するくだりだ。数値の背後に隠されたストーリーを読み解く知恵が示される。
▼原文はこちら
https://www.berkshirehathaway.com/letters/2023ltr.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
運用成績の現実と虚構
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
数字から始めましょう。公式の年次報告書はK-1から始まり、124ページにわたっています。重要な情報もあれば些細な情報もあります。
▼BERKSHER HATHAWAY INC. 2023 ANNUAL REPORT
https://www.berkshirehathaway.com/2023ar/2023ar.pdf
多くのオーナーと財務記者は、K-72ページに注目するでしょう。
そこには「純利益（損失）」とラベル付けられた「ボトムライン」が見つかります。数字は2021年は900億ドル、2022年に230億ドル（損失）、2023年に960億ドルと読み取れます。
一体何が起こっているのでしょうか？
これらの「収益」の計算方法は、落ち着いた資格を持った財務会計基準委員会（FASB）によって定められていると言われます。献身的で勤勉な証券取引委員会（SEC）によって義務付けられ、デロイト・アンド・トウシュ（D&T）の世界クラスの専門家によって監査されていることをあなたは知りました。K-67ページで、D&Tは遠慮なく言います。
「私たちの意見では、財務諸表は……すべての重要な点で……会社の財務状況を公正に提示しています……およびその運営結果を2023年12月31日までの期間の3年間にわたって……」
これは、企業の財務状況と業績を適切に示しています。
この神聖なる、実際には役に立たない「純利益」の数字は、インターネットとメディアを通じて世界中にすぐに伝えられます。すべての関係者は、彼らが自分の仕事を果たしたと信じています。法的にはその通りです。
しかし、私たちは不快に感じます。バークシャーでは、「収益」とは、バーティーがビジネスを評価する際の出発点としてある程度役立つ合理的な概念であるべきだと考えています。それは評価の出発点に過ぎません。
そのため、バークシャーはバーティーと皆さんに対して、私たちが「営業利益」と呼ぶものをあなたとバーティーに報告します。
以下がその内容です。
2021年には276億ドル、2022年には309億ドル、2023年には374億ドルです。
義務付けられた数字とバークシャーが好む数字の主な違いは、時には1日に50億ドルを超えることがある未実現の資本利益または損失を除外していることです。皮肉なことに、私たちの好みは2018年に「改善」が義務付けられるまで、ほぼルールでした。数世紀前のガリレオの経験は、上からの命令に手を出さないように教えてくれるはずでした。しかし、バークシャーでは、私たちは頑固です。
資本利益の重要性について誤解しないでください。それは、今後数十年にわたってバークシャーの価値増加の非常に重要な要素になると私は期待しています。なぜなら、私が投資生活を通じて自分の資金で行ってきたように、市場で流動性のある株式に巨額の資金をコミットする理由がなければならないからです。
1942年3月11日、つまり私が初めて株を購入した日以来、私は自分の純資産の大部分を株式、米国を拠点とする株式に投資してきました。そして、今のところ、良い感じです。
ダウ・ジョーンズ工業株平均は、私が「引き金を引いた」運命の日に100を下回りました。学校が終わる頃には約5ドル減少しました。しかし、すぐに状況は好転し、現在その指数は3万8000前後を推移しています。アメリカは投資家にとって素晴らしい国でした。彼らが必要だったのは、誰の言うことも聞かずに静かに座っていることだけでした。
しかし、株式市場の気まぐれな日々や、年々の動きを取り入れた「収益」に基づいてバークシャーの投資価値について判断するのは、愚か以上のことです。ベンジャミン・グレアムが私に教えてくれたように、「短期的には市場は投票器として機能し、長期的には計量器となる」のです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
バフェットは再び、投資の本質と長期的視点の重要性を強調する。バークシャー・ハサウェイの報告書を通じて、彼は市場の変動を超えた真の価値を見極める洞察力の必要性を示しているのだった。バフェットの投資哲学は、時代を超えて投資家にとって貴重な指針となる。忍耐と洞察力を持って投資の道を歩む勇気を与えてくれる。
（つづく）
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？