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#55 生産×食 河内鴨

先日、第16回日本食育推進大会に行ってきました。
クッキングステージで「鴨の解体実演」がありました。また、解体を行った津村さんがブースも出展していたので、お話も伺ってきました。見てきました。鳥食の話が続きますが、たまたまです。

長年、大阪に住んでいながら、全く知らなかったのですが、河内松原では昔から鴨の飼育が盛んに行われてきたのだそうです。

豊臣秀吉が鴨肉を好んで食べ、近江の長浜から大阪に居城を移してからも、琵琶湖の鴨のおい しさを味わうために、大阪の河内の湿地帯で生産を奨励したことがきっかけと言われています。社長さんの話では、これについて、何からの文献が残っているそうです。ちなみに、現在、大阪で鴨を育てて販売しているのは、ツムラ本店だけです。

現在の社長の津村佳彦さんは5代目だそうで、このお店の創業は明治3年!息子さんと2人での解体実演はスピーディーで驚きました。津村さんは、鴨を刺身で食べるという食文化を残したいそうで、生でも食べられる鴨肉を提供するために、品質を保っています。今回、大阪にはたくさんの鴨料理店があることも知りました。今度、行ってみようと思います。

なお、江戸時代の料理本に紹介されている鴨料理は以下のとおりです。いろんな調理法で食していたのですね。
・汁、骨抜き、煎鳥、生皮、刺身、なます、串焼き、鴨煮、鴨わさびあえ
・濃漿(こくしょう:濃味噌汁などで煮込んだ料理)
・酒びて:酒に塩を溶かして、刺身を漬け込んだもの
・鴨飯:鴨の身をあぶり、ゆで汁で米を炊き、ご飯に乗せる
・鴨飯(かけ飯):鴨をゆで、炊いたご飯に混ぜ、すまし汁をかける
また、当時は生の鴨だけでなく、塩漬けにした「塩鴨」も使われています。

参考文献
「江戸時代における獣鳥肉類および卵類の食文化」江間三恵子(日本食生活学会、第23巻、2013年)


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