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在りし"MIKKE"に思いを馳せて...

来る2021年6月30日(水)。

私は名古屋・日本ガイシホールにて、
約1年半ぶりにスピッツのライブを観に行く。

「SPITZ JAMBOREE TOUR 2021 "NEW MIKKE"」と題されたツアーは、横浜・ぴあアリーナMMを皮切りに全国8都市・計16公演を巡るアリーナツアーとなっている。

ただ、そのライブを観に行くにあたり、
叶わなかった夢がある。

それは、2020年のホールツアーに
行くということだった。

今年開催されている「NEW MIKKE」ツアーを開催するにあたり、2020年3月から7月にかけて開催する予定だった「SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 "MIKKE"」のホール公演は、全公演中止になってしまった。ほとんどの公演でチケットが完売していたこと、そして現在あるイベント開催制限による観客動員数の制限の範囲内では、全公演を予定通りの収容人数で開催することが困難になったということが、ホール公演の中止の理由となった。

私は本当なら、2020年4月7日に鳥取県・米子コンベンションセンター BiG SHiPでの「MIKKE」ツアー・ホール編を観に行く予定だった。そして、それを観ることは、私の4年来の夢であった。

現在、社会人となり、地元・静岡で生活している私なのだが、今年3月まで私は大学生だった。鳥取にある公立大学で、4年間気ままに過ごしていた。

この4年間は、好きなことに存分に費やした時間でもあった。ライブを観ては、様々なことを感じ取り、学び、自らのアウトプットに費やしていく。そんな時間を、大学時代に観に行った113本のライブと日々の生活の中で生きていた。

そんな4年間の中で、スピッツのライブには計5本観に行っていた。そして、そのライブのほとんどを、高校時代の友達と観に行っていた。彼は、広島の大学に進学したことから、大学時代にもよく会って遊んだり呑んだりしていた。私のアパートで、深夜2時まで騒ぐこともよくあった話だ。

彼も、スピッツが好きな奴だった。
きっかけは、高校3年生の夏休み直前。その年に、全国で順次公開されていた映画「スピッツ 横浜サンセット2013 -劇場版-」を観に行った話を、私が終業式後の教室の掃除中に話したことが始まりだった。その時は、彼がスピッツが好きだとはひとつも知らなかった。その友達は、その映画が静岡でやっていたことなど知らなかった。その結果、何故か私の尻には彼の笑い込みの蹴りが一発。その痛みは、観に行けなかった悔しさと誘ってくれなかった苛立ちが込められているように思えた。

その瞬間、決めた。
「もしかしたら、9月のライブ誘えるかもな...」と。

2016年9月23日(金) 静岡市民文化会館大ホール

「SPITZ JAMBOREE TOUR 2016 "醒 め な い"」

観に行きたいと思っていたライブであった。しかし、当時大学受験を控えていた私にとって、ライブに行くということはなかなか高いハードルであった。模擬試験の成績の向上、親の説得も相まって、チケットの応募の許可を得ることができた。と言えども、スピッツの人気を知っていたし、2,000人収容のホールのチケットは、簡単に取れるものではないとわかっていた。そして迎えた当落日、メールには「当選おめでとうございます」の一言。

その結果、私は学校帰りで会場に向かうことになった。通学のリュックには、チケット2枚を無くさぬように厳重に保管して、電車に飛び乗ったのだった。

ライブ開演して2時間半。

私は、ロックの魔法にかけられていた。

「スピッツって、本当に実在するんだな...」と思った矢先の、1曲目の「みなと」のイントロに私は殺られていた。

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↑「醒めない」ツアー
    2016.09.23 静岡市民文化会館 大ホールより

それからというもの、私はFCにも入会し、ズブズブの関係性となった。

その日のライブ以降、スピッツのライブは、友達と行くということが、お決まりとなっていった。2017年の「SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR "THERTY30FIFTY50"」の初日・静岡エコパアリーナと広島グリーンアリーナ・2日目の公演に行ったし、翌18年のFC限定ツアー「Spitzbergen tour 2018 "GO!GO!スカンジナビア vol.7"」は、9月下旬の広島CLUB QUATTROに行くことができた。

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↑「THIRTY30FIFTY50」ツアー
    2017.07.01 静岡エコパアリーナより

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↑「THIRTY30FIFTY50」ツアー
   2017.07.23 広島グリーンアリーナ公演より

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↑「GO!GO!スカンジナビア vol.7」ツアー 
   2018.09.29 広島CLUB QUATTRO公演より

そんな中で、ひとつ感じていたことがあった。

互いの地元・静岡で観れた。
友達の住む広島でも観れた。
じゃあ、私の住む鳥取では...?

そうして、抱いた大学時代の大きな夢、それが「今住んでいる街でスピッツを観る」ということだった。そして、それは程なくして決まった。

2019年、スピッツはアルバム『見っけ』を引っ提げて、全国アリーナ&ホールツアーの開催を発表した。その中の、2020年4月に米子公演があったのだ。

当時住んでいた鳥取市と米子市は、対極に離れているので、移動のことが置いといて、この日があるということは、私の支えになった。BiG SHiPは、ライブで何度か行ったことのある会場だった。GLAY、ゆず、MAN WITH A MISSIONと行ったことがあったが、会場の構造だとかその空気感を含めて素敵なホールだなと思っていた。

有難いことに、この「MIKKE」ツアーは、初日となった2019年11月30日の静岡エコパアリーナ公演を友達と観に行けて、私はそれに加えて2020年1月19日の大阪城ホール公演を観に行けた。高校の友達とは、静岡、広島と今までも互いの地で観ることが叶い、そして満を持して私の住む町で観る日がやってくる、、、はずだった。

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↑「MIKKE」ツアー 
   2019.11.30 静岡エコパアリーナ公演より

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↑「MIKKE」ツアー
   2020.01.19 大阪城ホール公演より

ここからの話は、前述の通り。

2020年3月から予定されていた「MIKKE」ツアー・ホール公演は、全公演中止となってしまったのだった。そして、それと同時に、私のひとつの夢は叶わないで幕を下ろしてしまったのだった。

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そして、2021年6月18日(金)

神奈川・ぴあアリーナMMにて、動員制限や声出し禁止といったマナーを敷いたうえで、バンドにとって久々のツアー「NEW MIKKE」が始動した。

そのツアーの開催にあたり、ライブでは恒例のグッズが解禁された。その中に、少し変わった商品があった。それは、"ご当地ステッカー"というものだった。予定なら、昨年3月からのホールツアーの各地の飲食店やガソリンスタンドなどで、配布して貼ってもらうはずだったものだった。

その中にはもちろん、”YONAGO”(米子)と書かれたステッカーもあった。

ライトグリーンに施された1枚。

2種類、各4枚ずつ買った。

そのうちの1枚は、一緒に行くはずだった友達にあげるつもりだ。

在りし""MIKKE"に思いを馳せてみても、このステッカーを買ったことで、そのライブに「未練がない」ということはできないと思う。

あくまでも、行くはずだったという証を残したかったのだ。いつかは、何年かかってもいいから、その街で、私にとっては切っても切り離せない大切な場所で、スピッツを観たい。そんな未来を願うための、瞬間であったのだ。

そして、来る2021年6月30日。

舞台は、鳥取県・米子コンベンションセンターから408km離れた、愛知県・日本ガイシホールにて、「NEW MIKKE」の幕が上がる。

残念ながら、この日の私の横には、いつもの友達はいない。彼は、彼の仕事があるし、それ以前にこういうご時世を踏まえて、行くことを見送る決断をしたのだった。私は、彼のその判断を尊重するだけだし、何年かかってもいいから、いつか一緒に行ける日が来たらと、願うだけだ。

まだ「NEW MIKKE」のセットリストを知らないから、こんなことを言うのは変だけど、ライブ1曲目の音を聴いた瞬間、私は何を思うのだろうか?

泣いてしまったりするのでしょうか?

はなまた、マスクの裏の口元は笑っているのかな。

全くわからない。

でも、"再会"の夜は、あと数日と迫ってきている。

いつものメンツで、名古屋へ向かう。

そんなことに思いを馳せながら。

私は週末を過ごすのです。

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