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プロパンガスを売るということ。

はじめに

こんばんわ、れーや氏です。
私はプロパンガス会社に勤めています。
プロパンガスと言えば、プロパンスキームと言われたり、ガス料金が高いと言われたり、色々ネット上では評判の悪いイメージがあると思います。

また、検索すれば簡単に業者紹介サイトが出てきて適正単価などと嘯いており、本当の適正価格とは一体何なのかと疑問を持つ方等も居ると思います。
まぁその手は完全に紹介料いくらの仲介業者でロクな業者じゃないんですが、中身にはあまり触れない事にします。

ちなみに私はそういうのはおススメしません。そういうの利用してる業者が一番高い料金表持ってますからね。かけた金は最後に回収する、彼らはバカじゃないから。大抵お金がある大手がやってますが、業界内では大手が地域内で一番料金が高いというのは割と一般常識です。
そもそも業界から外部のブローカーなんぞにお金を流すような事するからガス料金が底上げされるんです。当然の結果だよね。

さてさて、それはおいといて、私は普通のプロパンガス会社に私は勤めているのですがこの仕事には誇りを持っています。我々は絶対に顧客の助けになっている自信をもって仕事をしています。


そもそもプロパンガス屋とは

プロパンガス屋とは、客先に直接ボンベを置いてガスを供給したり、アパートのようにボンベ庫を建てて一か所の拠点から複数の拠点に対してガスを供給するのがメインのお仕事です。

その使用量は法律の基準に適合したガスメーターで常に計量されています。ボンベがあり、そのガスの圧力を調整器で調整し、メーターを通して計測しながらお客様の使うガスを安定供給するのです。

お客様がガスを使うと容器のガスが減り、一定量ガスが減ると充填所にあるガスボンベを持ってきて、交換して常に使える状態を維持します。この数字を管理し、状況を予測してガスを切らさないようにするのもガス屋のお仕事になります。

充填所とはこんな感じの場所です。

充填所

ガス屋はガスを売るだけではない

基本の業務はガスの販売となりますが、プロパンガス屋は、ただガスを売っているだけではありません。
お客様の家の設備を定期的に点検して安全確保したり、期限の切れたメーターや調整器等の機器を交換したり、お客様の要望に応じてガス機器の修理や交換もします。

なんなら、仕事上様々な業者と関わり、様々な自社施工もやっているので相談して頂ければ大抵の事は出来るかと思います。

我々はエネルギー供給から設備工事までのワンストップサービス

そう、プロパンガス屋はガス水道電気などのインフラ業界において最も供給業者と工事業者が一体化したサービスなのです。我々はガスを供給する事で利益を得ており、そのために色々な不随業務を行っています。ガスを使ってもらう為に必要な事はなんだってやるのです。

設備工事だけがメインの業者になると、設備工事が終わってしまえば、電気や水道の供給に支障のない限りその後、お客様の使用状況等は正直あまり業者には関係ありません。

しかし我々プロパンガス業者は、工事だけに留まらずその工事が終わった後もそのお客様と付き合い続ける必要があります。
お客様と長く付き合うためには、他の業者以上に正直な対応や、顧客の使用状況や内容に応じたサービスに気を遣う必要があります。

ガスを使ってもらう為に常に本気

我々はガスを使って貰わないと正直利益は出ません。
なので常に供給を維持するのに本気です。器具が壊れた際の対応も他のどの業界よりも早く対応する事が重要となります。なぜなら電気や水道と違い、設備工事を行う業者と電気水道の供給業者が別々の業者ではないからです。

言ってしまえば、我々の対応が遅い程、顧客だけでなく我々の首を絞める結果が待っているのです。ガスの配管だけでなく、水や給湯の配管もお湯を使うのに必要だから修理できるようにしているわけです。

つまり我々は、機器が壊れたりした場合にアフター対応が絶対に必要になります。ガスを使って貰わないとと我々の生活は成り立ちませんので。

何か起きた際、素早い対応を出来る体制・人員を常に整えているのはこの為です。自社施工が広い範囲で出来て、かつ、住宅設備に関わる多数の業者とお付き合いがあります。

これが、災害時にプロパンが強いと言われる理由の1つでもあります。
決してボンベがその場にあって使えるだけというだけではないのです。

プロパンガス屋のイメージ

正直良いイメージを持たれていない自覚があります。
電気のが安全だと思われている方も居ると思います。
ガス料金は高いと思われている方も居ると思います。

それはある意味では正解、ある意味では不正解と言えるのが事実です。

実際、ガスと電気どちらが安全か 安価か

結論からいいますが、安全も、料金も、どちらにメリットがあるかは実際の所、顧客の使い方次第なのです。そうとしか答えられません。簡単にどちらが絶対に良いと答えるのは、単なる無知です。


これははっきり言います、知識に乏しいからそんな適当な事を言うのです。



IH調理機器は火がないので、服に直接火がつくなどの事故は起こらないのは事実です。これはガス機器ではありえないメリットとなります。
ただし、安全装置が表面に出ていないため、なべ底の温度検知機能と反応速度はガス機器に劣ります。

揚げ物をするとします。
料理をする方はわかるかと思いますが、基本的に揚げ物鍋はどちらかというと綺麗じゃない鍋でする方が多いです。
特になべ底が焦げついてるような汚れ方の鍋もよく見かけます。
何でこんな黒焦げの鍋を使ってるんだろうかと思いますが、中々買い替えて貰えないのが現実です。IH調理機器の場合電磁波を受けて加熱するのは、汚れが焦げているなべ底ではなく、電磁波を受ける為になべ底に入ってる金属部になります。
つまり、温度が一番高いのはその部分です。そこから当然全体に熱が伝わっていくのですが、なべ底の温度センサーが温度を検知する前に、既に油には火がついています。

なべ底の焦げつきだけではなく、なべ底にゆがみがある場合、油が少ない調理の場合等も、IHコンロのセンサーはトッププレートに阻まれているために、温度を検知する頃には油火災になってる場合があるのです。

ガスのが危険だとみなされて法律にうるさいため安全装置が多く、実際地震火災の半数以上が電気火災となっていたりするのがリアルなのです。

実際、ガスと電気どちらが安価か

エコキュートは熱効率が良く、安価な夜間電力契約を結んでお湯を沸かすため、お湯を沸かす料金だけで比較すると電気の方が安い場合が多いです。
使用量が多いファミリー世帯の方は、上手く使えば金額の面では得をする場合もあるかと思います。

しかし、電気の給湯機器と比べガスの給湯器の値段は非常に安価です。
それなりの使用量が無ければ元を取る事はないでしょう。少なくとも一人暮らしや使用量の少ないご老人が元を取るような構想で作られた機器ではないのです。

比較しなければならないのではそこだけではありません。
昼間、家に居るか居ないかも非常に大きい要素となります。
安価な夜間電力契約を結ぶという事は、昼間の電気は別に安価ではないという事です。昼間に自宅にいるような方は、結果的に他のエアコンなどの料金で損をしている場合が多々あります。

実際に多数現場で起きている事なのですが、お年寄りの方などはよく訪問販売や家電販売店でオール電化を勧められたり、娘や息子の勧めで導入されるのですが、大抵の場合においてオール電化に切り替えた所で料金で元を取ることはありません。
ガス顧客の傾向でもわかるのですが、そもそもお年寄りの方はガスの使用量は元々少ない方が多く、大した料金は掛かっていません。大抵の場合高額のエコキュートに設備投資するだけの使用量が最初からないのです。

また、夜間電力契約は自由契約になるため、燃料調整費の上下で非常に大きい影響を受けます。
日本はエネルギー輸入国家です。エネルギーにおいて自立しておらず、需給状況の影響を強く受けます。
ウクライナ戦争の影響により一時は、通常契約より安価なはずの深夜電力契約の方が請求金額が高額になった方が多数居たのが現実です。

また、夜間電力はおよそここ10年程度の間に、ベースの単価が1.5倍程度まで上昇している地域もあるという事実もあります。九州電力の夜間電力は、私がガス業界に入った時は9円/kw程度でした。今では14.48円/kwになっています。これは家庭用のガスではまず起きない値上がり率です。

何故この時代にプロパンガスなのか

私の子供時代から言われていますが、日本は拡大家族からの核家族か、そして今では未婚、晩婚化、少子化が進んできています。また昔から言われていますが、同時に高齢化が進んでいる事も事実です。

そういう影響もあり、データを見るに1世帯辺りの使用量は常に減少傾向にあります。つまり金額面におけるオール電化であるメリットは全体的に見て減少傾向にあるという事です。

またお客様が困った際、地域のプロパンガス屋は大抵の住宅の悩みにお答えできます。多数の業者と繋がりがあるし、自社施工の範囲も広い、エネルギーから設備までの総合住宅サービスが我々の目指す姿の1つとも言えます。

今の時代、ネットで調べた業者を呼ぶのは信用できない場合が多々あります。どこの誰が来るのか顔も見えないし、どう信用していいかわかりません。実際に先日、水道業者が摘発される事件が起きました。

オール電化にした際に使った業者は、10年後には存在しないかもしれません。存在しても連絡先はわからないかもしれません。実際にお年寄りの方がオール電化にした後にエコキュートが壊れ、どこに連絡していいかわからずガス屋に相談してきた事例等も多数存在します。

でも、ガス屋ならどうでしょうか。
お客様がガスを使って頂ける限り、そのガス屋は存在します。
日常から付き合っているガス屋であれば、最低限の費用がかかりますが、機器の故障やメンテなどのアフターサービスも行います。
点検等に訪問する事もあり、実際に普段から使っている業者なので信用もできると思います。そうして頂けるよう努力もします。

ガス屋であれば普段から色んな商品を在庫しており、自社施工が出来るため故障の際の交換も非常にスムーズです。
当社では、大規模災害時等でなければ大抵の場合、営業時間内の連絡があれば当日復旧を出来るよう在庫・体制を整えています。これはガス屋としてはよくある事なのです。

またここは会社にもよると思うのですが、当社ではガス供給以外の雑務では基本的に最低限の金額しか請求しておりません。自社施工の範囲でなら他の設備業者より安定的にお安く様々なサービスを提供できる自信があります。
プロパンガスを使うという事、それは地域の顔の見える業者による総合住宅サービスによる見守りが常についているという事なのです。
我々もそれを誇りにしています。

住宅の事でお悩みがあったら、何でもガス屋に相談して下さい。
それがこれからの総合住宅サービスであるガス屋の存在価値となるのです。

何か起きた時に、誰に頼んでいいかの相談先も分からない。そんな社会にならないように、我々は今後もサービスを継続していきます。

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