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「カットバン」は方言らしい

今年の3月、当時の職場を辞めた。
理由は一つ、ただただしんどかった。
所謂同僚に嫌われていたんだと思う。役立たずだって。
私だって、本当だったらあんな風になる予定じゃなかった。
自分でも精神的におかしいことは分かっていたし、身体症状もだいぶと出ていたし、友人に言ってはいけないことを口走ったりもした。
「あの子(友人)がいなかったら、たぶん、あんた死んでたよ」
というのは大学時代の恩師の言葉。その通りだと思う。

どうせだったら、実家に帰ってからでいいかなと思っていた。
どうせだったら、仕事を辞めてからでいいかなと思っていた。
どうせだったら、あのコンサートを見てからでいいかなと思っていた。

今思えば、たまたま周りに友人とその家族と恩師がいて、たまたま実家との関係も悪くなく、たまたま2年ぽっち働いただけでも退職金が出る仕事についていて、たまたま普段から熱中できる趣味があったから生き延びたにすぎないし、この条件が揃っていなければおそらく今こうしてはいないんだとも思う。
本当に、うまいことつながっただけなんだろうなと。

でも、そのうまいことつながって生き延びたおかげで、周りの人がことをつなげ続けてくれて、同職種で再就職した。勤務地が違うとこんなに違うもんなんだとびっくりした。多分、去年1年間、職場で笑ったことなんてないに等しかったけど、今年は顔が痛くなるくらい笑っている。

しんどかったあの症状に名前がつくことも、名前をつけようとしたこともなかったけれど、あの時のことが傷になって未だにかさぶたになりきらないまま残っているのは確かで、今でもふとした時にそのじゅくじゅくした何かがあふれてくることはある。そのじゅくじゅくには、あの日友人に自らが言った言葉がのっかっている。
わたし、あのとき、あんなこといったんだなあ。
口から出た言葉は帰ってこないとこどものころに聞いたけど、ずっとおにごっこすることになるとは聞いてなかったぞ。

表向きには、円満退職したつもり。
元職場には、本当の理由を知ってる人もいるけれど、その人たちは勝手に理由を言う人じゃないと思う。
言ってくれたって別にかまわないけど。

多分これから一生、このことは引きずるんだろうけど。
うまいことつながりつづける間は、まあ、その端っこを握りしめたままでいいかな。

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