感想 "人生の踏絵"


"人生の踏絵"
遠藤周作  新潮文庫 

読書レベル ★★
ほんの200ページ位の量なんだけど、意外と読み切るのに時間がかかった。
最初から最後までなかなか面白い話が詰まっている。

・感想
「沈黙」や「侍(まだ読み切っていない)」と、続けて読んでいたら、丁度沖縄に帰省したタイミングで母親から「その遠藤周作という人はかなり面白い人だったらしいよ」と言われ、どういう人だったのか調べている内に、適当に手にとっていた。
ちなみに遠藤周作が亡くなった年と俺が生まれた年は同じだった。

古いのは今から50年も前、一番新しくても30年も前の講演会で話された物をまとめた本。発せられた言葉の節々から今ではとてもじゃないけど笑えないような話や冗談を織り交ぜながら、自身の作品やキリスト教、海外のキリスト教文学について色々話している。母親が言っていたように、確かに面白い人だと感じた。
紹介の仕方が上手いし、すごく面白そうに感じてしまうので「テレーズ・デスケルウ」を買った、まだ読んでいない。

正直、自分でも影響を受け過ぎだと思うが、「沈黙」の映画を観たり、原作を読んだりしてから、宗教やそれに関する事柄について色々考えるようになった。元々の印象として持っていたキリスト教や、その他の宗教に対してのイメージがかなり変わったし、どうして人々がそういう物を必要とするのかも少しだけ理解出来るようになった。
キリスト教を知る上で遠藤周作という作家に出会えて本当に良かったと思う。

自分の性格上、複数の選択肢があるのに、一つの物に対してしか理解を深めないというのはフェアではないという気持ちがあるので、これを機会に他の宗教にも触れてみたいと思っている。とりあえず次はネガティブ・ケイパビリティと同じ様な考えがある仏教について学んでみたい、まだ冗談で言えることだが、いつしか自分に合った宗教を見付けて、そこの信者になる日もあるのかもしれない、それも悪くない気もする。

ところで、タイトルにもなっている「人生の踏絵」というものは、私にとっての「オーバーウォッチ」だったのかもしれない。











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