感想 "精神科医が教える聴く技術"

精神科医が教える 聴く技術
高橋和巳 ちくま新書 864円


読書レベル ★
結構読みやすい本だった、

感想

傾聴関係の本を探している時に、適当に手にとった。
カウンセラーとのスーパーヴィジョンを通じて体験談や例え話を交えて傾聴の仕組み、どう機能するのかをゆるく説明している。
日常ではカウンセラーが行う傾聴のように、深い悩みを相談される事はそこまで無い事なので、こういう本を読んでどうするのかと言われそうだけど、相手の話を「支持・承認の口を挟まない」「復唱・繰り返し・要約をしない」「明確化しない」「聞き返さない」事や、感情の階層の説明、葛藤の仕組みの説明など、人間を勉強する本として結構良かった。

こういう系の本を読んでいたり、人の話を聞いたりすると必ず出てくるのは、精神的な悩みは解決するまでとてつもない時間を必要とすること、少なくとも数年ベースで話が進んでいく。
カウンセラーは今から2年間続けていけば必ず良くなるよ、とは断言できないだろうし、カウンセリングを受ける人達もいつ改善するかわからない心の悩みを抱えながらクリニックに通わなければいけない(いけないわけではないだろうが)、自分がもしそういう立場になったら日々の不安と、解決する日が来るのかという焦燥感に駆られて悪化しそうだ。
ただ、最近読んだ「ネガティブ・ケイパビリティ」に関する本からの知識や、自身の人生を振り返って得た考え・経験のおかげで、日常生活の中で比較的時間を必要とする物事に対して、かなり耐性が付いたと思う。 大体の物事は時間によって変化するし、その殆どはそこまで悪くない方向に変化してくれる事が多い。 そういう感覚を身に着けれたおかげで、最近はかなり人生を生きるのが楽になったと思っている。

活用


正直言って微妙な所だろう、確率としてはあり得なくはないが、資格もなにも無いままカウンセラーのマネ事をするのは少し無責任に感じる。
ただ、人から相談をされた時や、あるいは人と何かについて話さないといけない時には活用出来るかもしれない。
本の中で出てくるが、「カウンセリングとは、自分自身を表現する、より『しっくり』した言葉を見つけること」 という考えは役に立ちそうだと思う。
対話や傾聴で、感情を「しっくりくる」言葉として言語化出来れば、プレイ内外のマインド・メンタル部分の問題と上手く付き合う事が出来るようになるかもしれない。
資格取るのもありかな~

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