AIブームに乗るレガシー・テクノロジー企業
人工知能(AI)革命は本格化しており、レガシー・テクノロジーの大手企業でさえ、この変革の流れに資本投下する方法を見出している。 IBM、デル、オラクルなど、かつてはAI競争に遅れをとっていると見られていた企業が、今やAIのパワーを活用しようとする企業にとって実行可能な選択肢として位置づけられている。
株価急騰はAI楽観論を反映している
これらのレガシー・テクノロジー企業の株価パフォーマンスは、投資家のAI戦略への信頼が高まっていることを反映している。 IBM、デル、オラクルの株価は、ブルームバーグ・マグニフィセント7指数に代表される広範なハイテクセクターを凌駕し、2024年のこれまでのところ17~49%上昇している。
何がこの急成長を後押ししているのだろうか? AIに最適化されたインフラに対する旺盛な需要、AIワークロード向けのクラウドサービス、これらの企業が提供するAIソフトウェアの刷新など、さまざまな要因が重なっている。
AIインフラ需要の活用
レガシーテック企業が利益を得ている重要な分野の一つは、AIアプリケーションをサポートする強力なコンピューティング・インフラの需要である:
- デルは、2023年第4四半期にAIサーバーの売上8億ドルと、AIインフラのニーズによる29億ドルの受注残を報告した。
- オラクルは、AIワークロードの実行に使用される同社のクラウドインフラに対する需要が急増している。
- IBMは決算説明会で、サーバーやチップなどのAIハードウェアの成長を強調した。
既存のAIサービスの強化
これらの企業はまた、最新のトレンドに合わせて既存のAI製品やサービスを強化している。
- IBMは、ジェネレーティブAI時代に向けてWatsonプラットフォーム(現在はwatsonx)を再構築し、このビジネスは2023年第3四半期から第4四半期にかけて倍増した。
- オラクルは、ジェネレーティブAIクラウドサービスに対する需要の増加を挙げている。
- デルは、AIクラウドプラットフォームやジェネレーティブAI推論ソリューションなどの新しいAI製品を発表した。
AIプレーヤーとしてのポジショニング
純粋なAI企業ではないが、オラクルのような企業は、大規模なデータセンターの拡張とクラウドパートナーシップにより、AIへの露出を得るための費用対効果の高い選択肢として自らを位置づけている。
デルは、AIインフラサイクルとAIアプリケーションのために予想されるPCリフレッシュの両方から利益を得ている。IBMは、ヘルスケアや金融などの業界全体におけるWatsonの成長の可能性を宣伝している。
パートナーシップと買収
AIの能力を強化するために、これらのレガシー・プレイヤーはパートナーシップを結び、買収を行っている。
- IBMは、企業向けAIの採用に向けてマイクロソフトやアマゾンとの提携を発表した。
- デルはAIインフラソリューションでNVIDIAと提携した。
- オラクルは2022年に機械学習企業のOCI Datascience.comを買収した。
当初は後発組と見られていたIBM、デル、オラクルなどのレガシー・テクノロジー大手は、AIのような変革的トレンドに適応し、それを活用できることを証明している。 ピュアプレイのAI企業と比べて相対的に低いバリュエーションは、AIブームへのエクスポージャーを求める投資家にとって魅力的な選択肢となっている。
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