とある本との出会い

わたしは2023年の秋に復学しました。

正直迷わなかったというのは嘘だ。けれど私は学生を出来てない私に耐えられなかった。勉強できてない自分に耐えれなかった。それに当時は母がパートで働いており、1人で家にいると飛び降りる衝動で頭がおかしくなりそうで ただ辛かった。けれど復学する!と決めるにはあることが不安だった。それは何か。文章が読めなくなっていたことだった。今までは何も考えずに、息を吸うように読めていた文章が読めなくなっていたのだ。

当時の私は絶望して「一生このままならいっそ死んだ方がマシだ」とおもうくらいには本が読みたかった。それにそんな時でも本屋によるのはすきだった。私の唯一の癒しだった。本の匂い シーズンで変わる新書の棚 積み上げられる本の表紙 何もかもが癒しだった。ある日突然思い立って本屋行った。そしてとある本を購入した 読めないと思いページを開いて、時計の針が2周したときには最後の行を読んでいた。『レーエンデ国物語』に私は救われた。この本がなかったら、出会ってなかったら私は学生生活を送れていなかったかもしれない。

それから私は多崎礼さんの本を読み漁った。どんな時でも多崎礼さんの本だけは読めた。物語には不思議と力があった。それを実感した。どうか読んで欲しい。絶望の中にしか希望はないのだと思わせてくれる 決して諦めなかったトリスタンの姿に私は心から救われたのだから。

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