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何者かになりたかった

代わりの効かないプロになりたかった。
個性あるマイノリティな人間になりたかった。
やりがいで夢中に働く自分を見てみたかった。
その先の魅力的な人になりたかった。

だけどそれは、
今は考えなくていいのかもしれない。

昔から行動力だけは謎にあるくせに、
新しくなにかを始めようとすると、
心が体に追っつくのに時間がかかる人間だ。

以前占い師にも言われた通り、
僕は活動エネルギー量が低い。

一日の中に何個も予定を入れると
ものすごく疲れてしまう。

過去、心が追っつかないまま
たくさん仕事を引き受けた結果、
二度メンタルをぶっ壊すこととなった。

そのときの前兆を、最近薄ら感じている。


今は正社員として安定した会社で、
かれこれ9か月ほど働けている。

親の期待を引き剝がした20歳のときから、
給料よりもやりがいをずっと追っていた。
親を見返す一心で、
身銭を切ってスキルを磨いていた。

最近また将来に不安を募らせ
なにか行動しないとと思い、
今本業とは別で、
芸能マネージャーの仕事を取るようになった。
けど振られる量とスピード感がすごくて、
本業のあとに現場に出向かなければならないから
自分の休みを確保できなくて、
僕のキャパシティじゃこなせそうもない。

そして今回の僕が起こした行動で痛感した。

僕が本当に望んでいたものは
ある程度不自由が無いお金と、
仕事とプライベートを両立できる
ワークライフバランスだったのかもしれない。

自分のやりたいことを突き詰めるのは
趣味の範囲内で好きなだけできるし、
無理して趣味をお金にしようとしなくていい。

今の世の中「好きなことを仕事に」
みたいな風潮があるけど、趣味を仕事にした結果
「好き」が「嫌い」に豹変してしまうことの方が
圧倒的に多いし、想像以上に落ち込む。

活動エネルギーを把握できるようになり、
少なからず今は心をじぶんの中に収めるための
休息期間でもあると思う。

その時間をこれからは、
大切な誰かに、趣味に、自分の心の回復に、
費やしたいと深く思うようになった。


「やってから考えればいい」と
言ってくる人は一定数いるけど、
それじゃ遅いんだよ。
環境が変わると、
以前の日常はどこかへ消えてしまう。
やってから期待値やライフが減ることを
実感して後悔するなんて願い下げだ。

その場その場の決断を正解に出来る人間は、
活動エネルギー量が多い人にしか成しえないと、
3年もの間生き急いでしまった自分が
一番分かってる。


何者かになりたかったけど、
何者かになれなかった。

でも、今はそれでいい。

自分のできることや大切なものを
再確認できたような気がするから。


交友関係は広げない。代わりに、
今僕と関わってくれている人たちを大切にする。

新しいことに無暗に手を触れない。代わりに、
やってきたことに再熱中する。

深く考えてもいい。代わりに、
何も考えなくていい時間をつくる。

なにより、色んな出会いを求めたり
人にチャンスを貰おうと躍起になるより。
自分の持ち場の人を喜ばせようと
頑張っている方が、人間としてすごく
魅力を感じると思った。

僕で言うところの持ち場は、
マリオカートというゲームをする中で
僕がリーダーとして運営している
コミュニティのことだろう。

そこの仲間たちとのつながりを強くしたり、
喜ばせることにフォーカスしたい。


無理して何者かになる必要なんてなかった。
自分の持ち場の人を喜ばせる。楽しませる。
それだけで魅力的だったんだ。


心が追っついてくるまで気長に待つ。
キャパシティを見誤らない。
決断を焦らない。

とりあえず今は、
そんな感じでいいんだ。

この考えが、
前向きでいられるじぶんの
更なる一歩になると、
信じることにしたい。



最後に、
23歳の僕より若くて、向上心があって、
メンタルの波を自覚している人は
一度立ち止まる選択肢もあるということを
頭の片隅にでも残しておいて欲しい。

メンタルとのお付き合いは登山と同じで、
自分はまだまだ進めると思っていても、
適度な休憩で心の準備を待った方が
うまく登れるようになっている。

心が追っついてくるのを待たないと
心とじぶんの距離がどんどん離れて、
後々になってじぶんが動けなくなり、
多くの時間をかけて休まざるを得なくなる。

今SNSでは、
若くして活躍している人がたくさんいる。
自分も「何者かになりたい」と
焦りを募らせる気持ちもすごくわかる。
だけどそれにならなくていい。
じぶんにはじぶんの生き方がある。
じぶんのペースで歩いていけばいい。

絶対なんてないけど、
絶対大丈夫だから。

僕の生き急ぎから得た知見が、
あなたの後押しになれたらうれしいです。

最後まで読んでくれて、
ありがとうございました。


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