自炊(電子書籍化)には抵抗がある

裁断本を売り買いしている所があった。

以前から紙の本をスキャンし、自分で電子書籍化する行為はそれなりに行われていて、「自炊」と称されていることは承知している。自炊のために通常のフラットベッドスキャナーより割高なドキュメントスキャナーを使ったり、本のノドを裁断してスキャンする行為に対しては、もったいないと思いつつも「個人の自由」と考えている。
ただ、図書館など自分のものではない本をスキャンしたり、自分のものでも裁断してスキャンした後の本を売る(専門に買取している業者があった)のは、これはアウトじゃないかと思う。

以前から、レコードやCDをレンタルしてカセットテープに録音したり、MP3ファイルに取り込む人は多かった。レンタルビデオやDVDをコピーしたり、そのためにコピーガードを外す(一部怪しげな)機械やソフトも出回っていた。それらはブラック寄りのグレー、ただ捕まっていないだけなのだけど。


私は電子書籍を買うこともあるけど、出来れは紙の本で買いたい派である。新刊だけでなく中古の本を買うこともあるけど、コミックなどは発売から二年くらい経つと絶版になって新刊が入手できないことがままある。そのためコミックをまとめ読みしたいときなど、中古書店の通販を利用することがある(1回読めばいいときなどはネットカフェを利用することがあるが、マイナー寄りだと在庫していない)。

教科書とか専門書は持ち歩きを考えたら電子書籍は有利である。しかし、画像データ化しただけだと検索できるわけでもなく、見通しが悪くなる電子デバイスの欠点を補うだけのメリットとは考えない。教科書として使う専門書においては、「どの版で教育されているか」が問題になることがあり、これを持ち運びできることはデメリットを上回るかもしれないが、そういう本は電子化されていないので自炊したくなる気持ちはわかるが、それなら自炊した上で自分で保管すればいいのに、と思う。

まあ、貯め込んでいた専門書も要らなくなる日が来るので、整理を進めなければならないのだが。自分が持たなくても、母校の図書館にあれば間に合うようになってきたので。


裁断本を売り買いする行為は抵抗がある。「スキャンしたデータの方じゃないから良い」という意見もあるが、「デジタル万引き」に思えるのだ。

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