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忍殺TRPGリプレイ小説【シーサイド・ランデヴー】

邦題:海辺で二人(Seaside Rendezvous)

これは、ニンジャスレイヤーTRPGのオリジナルシナリオ、西犯=サン作「ニンジャの釣り勝負」を元にしたリプレイ小説です。ルールそのままでやってますので、ネタバレにご注意下さい。

ニンジャ総合目次

挑むのはこの二人です。

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◆シルバーナイト(種別:ニンジャ)
カラテ       6    体力        6
ニューロン     6    精神力       6
ワザマエ      8    脚力        6
ジツ        0    万札        0
DKK       0    名声        0

◇装備や特記事項
●連射2、疾駆(脚力+1、回避ダイス+1、ダッシュ移動)
◎トライアングルリープキック:連続側転直後の攻撃難易度ペナルティ無視
▶ヒキャク:脚力+1、回避ダイス+1

能力値合計:20 回避ダイス:9

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◆エッジビショップ(種別:ニンジャ)
カラテ       5    体力        5
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        2    万札        0
DKK       0    名声        0

◇装備や特記事項
☆カトン・ジツ
◆マニ車メイス:近接武器、ダメージ2

能力値合計:19 回避ダイス:5

覚えておいででしょうか。6月の長編リプレイ「ダイ・オフ・ハード」で登場し、ソウカイヤに降伏してドサンコ送りにされた元ザイバツニンジャたちです。他にゴールデンクイーン=サン、オウルベア=サン、パイロリスク=サンもいますが、今回は別行動のようです。

彼らはソウカイヤに降った捕虜として、ドサンコで研修を受けています。手荒に扱っても再び背かれますし、手厚く扱ってもナメられますので、フロストバイト=サンとかがドサンコでのビズに活用しているのでしょう。盗聴器や発信機(IRC通信機)も体内にしっかり埋め込まれているはずです。

ザイバツの機密情報は、左遷組からはあまり得られません。あらかじめなんらかのジツでプロテクトがかかっているのでしょう。ザイバツにより遠隔爆破ジツとか仕込まれていても不思議ではないのですが、このバースでは仕込まれていないようです。イグナイト=サンとかどうしてたのでしょうか。

そうしてしばらく過ぎ……この二人はドサンコの海辺にいました。

これまでのあらすじ

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ざざーん……どどどーん……怒濤が岸壁にぶつかり、轟音をたてる。ここは地の果て、ドサンコの岬。その突端に二人の男が座り、釣り糸を垂れている。「……釣れんな、シルバーナイト=サン」「そちらも。エッジビショップ=サン」二人は共にニンジャであり、ソウカイヤのドサンコ支部に所属する。

かつてはキョートのニンジャ組織「ザイバツ」に所属していた二人だが、ソウカイヤの捕虜となり、尋問と研修を受け、その一員としてドサンコで働いて来た。ザイバツの懲罰騎士や執行者も幸いここまでは来ず、共に降ったゴールデンクイーン、オウルベア、パイロリスクらも今のところ無事だ。

日頃の憂鬱を忘れるため、また当面の活動資金と食料を調達するため、二人は貴重な余暇を費やして釣りに来ているのだ。ゴールデンクイーンも誘ったが断られた。オウルベアとパイロリスクは、この前からドサンコの内陸へ送られている。二人の背後には、監視役のクローンヤクザと軽トラック。

「……釣れんな」「そちらも」ざざーん……どどどーん……怒濤が岸壁にぶつかり、轟音をたてる。ここは漁師も釣り人も近寄らぬ穴場。現在の釣果ゼロ。なにか釣らねばならぬ。

海釣りな

ルールはこうだ。ニューロン判定(難易度U-HARD)を行い、成功すれば魚が針にかかる。1D6を振って魚の大きさを決定し、カラテかワザマエ判定で釣り上げる。成功したら1D6で種類を判定し、必要であればその他の判定や時には戦闘を行う。詳細は元シナリオを参考のこと。
魚には各々スコアがある。今回はどちらかが20スコアに到達するまで帰れま10。戦闘は協力も可能だがスコアは半分ずつとなる。EBが精神力を1消費してカトンを使うと焼き魚になり、食べて体力を2回復させることができる。同じくサシミで食べれば体力1回復。食べた魚のスコアは0になる。食材によっては3ぐらい回復するかも。

釣り開始、1ターン目

ニューロン判定、難易度U-HARD。6D6と5D6で[235566][22345]=SKにヒット!大きさは[5]=デカイ級だ。釣り上げるにはカラテorワザマエ判定で難易度U-HARD!8D6で[22235612]=成功!出目は[3]=バイオシイラだ!

「むうッ」SKの釣り竿に大物のアタリ!SKは巧みに釣り竿を動かし、獲物を弱らせ、糸を引く!「イヤーッ!」釣り上げられたのはデカイ級バイオシイラだ!「AAARGHH!」強酸性バイオ触手を振り上げてSKに攻撃!

シイラ、英名dolphin-fish。オーガニック種でも成魚は最大で体長2m・体重40kg近くに達する。ましてバイオ種である!
バイオシイラは体力2D4(2-8)を持つ。めんどいので間を取って体力5とする。攻撃はダメージ2で1D3発、回避難易度HARD、成功ダイス数は1として扱う。1D6で[4]=連続攻撃2。SKは4D6を2つで[1135][33444]=1発命中!残り体力4!

グワーッ!?」SKが強酸性バイオ触手の一撃を食らう!「なにッ!?」EBが驚いてマニ車メイスを構える!「きょ、協力を!」「おう!往生せイヤーッ!」二人のニンジャがバイオシイラめがけカラテを繰り出す!

6D6と5D6で[345666][33466]=両者殺伐!バイオシイラは回避ダイスがなくまともに食らう!出目は[4][5]=脚と両腕を破壊!…手足がないので尻尾と触手を破壊!ワザマエとカラテが2減少、脚力がD3減少し、追加で1ダメージを与える。マニ車メイスで殴ったのでさらに+1され合計4ダメージ。万札を持っているのも不自然なので、バイオシイラはこれで身動きが取れなくなって仕留めた、ということにしよう。スコア8を二人で割って4。

KRASH!アバーッ!」バイオシイラは断末魔の叫びを上げて地面に落下!二人は急いでトドメを刺す。「……こんなものがかかるとは」さしものSKも肝を冷やした。「ドサンコの海は恐ろしいのう……。まあキョート城の堀にもバイオリュウグウノツカイがおったが。ナムナム」EBが手を合わせる。

「焼き魚かサシミにして食うかね?」「……いや、いい。釣りを続けよう」クローンヤクザがバイオシイラを担ぎ、軽トラに載せた。「次」

スコア:SK4、EB4

2ターン目

ニューロン判定。[234454][33566]=今度はEBにヒット!大きさは[1]=最小。カラテかワザマエ判定、難易度KID(2以上で成功)。5D6で[13556]=成功。種類は[3]=バイオイワシだ。スコア1。

「おっ」今度はEBの釣り竿になにかかかった。スッと釣り竿をあげると、バイオイワシだ。「小物じゃな。リリースしてもいいが、まあ来るものは拒まず」手際よく針を外し、バケツに投げ込む。「次」

スコア:SK4、EB5

3ターン目

[334446][11234]=再びSKにヒット!大きさは[4]=大物だ。難易度HARDで釣り上げる。[12556635]=成功!種類は[3]=バイオヒラメだ。スコア5!

「おっ」再びSKの釣り竿に大物がかかった。巧みな竿さばきで釣り上げると目玉が片面に七つもある大物バイオヒラメだ。「見た目は悪いが、大物だ」襲いかかっては来ない。SKは針を外してバケツに放り込んだ。「次」

スコア:SK9、EB5

4ターン目

[222236][44456]=二人同時にヒット!大きさは[4][4]=共に大物![22555633][12356]=両者とも釣り上げ成功!種類は[5][3]=バイオチヌとバイオヒラメだ。それぞれスコア7とスコア5。

「「おおッ」」二人同時に大物がヒット!「「イヤーッ!」」二人同時に釣り上げると、SKは虹色に輝くバイオチヌ、EBは目が七つのバイオヒラメだ。

チヌとはクロダイのことである。

「どちらもなかなかじゃな」「ツキが来たようだ」二人は笑って釣り針を外す。「ヒラメはイワシを食いそうじゃな。別にしておこう」「次」

スコア:SK16、EB10

5ターン目

[111345][12556]=EBにヒット!大きさは[6]=ヤバイ級だ!カラテかワザマエで判定し、難易度はU-HARD2(出目6が2つ必要)![11256]=失敗。

「ぬおッ!?」ガグン!EBの釣り竿に凄まじい引き!大物どころの騒ぎではない!海面にはクジラかと見紛うばかりの巨大な魚影!「ま、まずい!海に引きずり込まれる!」ニンジャのパワーでも流石に無理だ!「い、糸を切れ!EB=サン!」「おう!」EBは釣り糸を切断し、難を逃れた。

「……あれは、さっきのバイオシイラどころではなかったぞ。逃してよかったわい。こっちが釣られるところじゃった」まだ心臓がバクバクしている。「場所を変えるか」「そうしよう。替えの釣り針と糸をセットせねばなあ」クローンヤクザが頷き、懐から釣り針と糸を出した。

6ターン目

[223456][11555]=SKにヒット!大きさは[6]=またしてもヤバイ級だ![12223523]=失敗。

「うおおッ!?」場所を変え、気を取り直して釣り始めると、今度はSKの釣り竿に凄まじい引き!海面にはやはり巨大な魚影!「ま、またか!さっきのやつか!?」ずりずりと海へ引っ張られる!「イヤーッ!」SKも糸を切断して難を逃れた。「……もうちょっと場所を変えようか」「ああ……」

7ターン目

[344566][22556]=二人同時にヒット!大きさは[6][5]=ヤバイ級とデカイ級だ![13335555][22356]=EBは釣り上げ成功!種類は[1]=バイオスズキだ!

「グワーッまたしても!」「こ、こっちはさっきほどではないぞ!」二人同時にヒット!「わ、我々が餌と見られているのか!?イヤーッ!」SKは再び糸を切断!EBは……「イヤーッ!」渾身の力で大物を釣り上げる!デカイ級のバイオスズキだ!「AAARGHH!」強酸性バイオ触手でEBに攻撃!

体力5、ダメージ1、連続攻撃[5]=3!EBは1発を精神力消費自動成功回避し、残りを2D6ずつで全力回避![66][64]=回避成功&1発迎撃!バイオスズキの残り体力4!

念彼観音力ーッ!」「AARGH!」EBはバイオスズキの恐るべき連続攻撃を紙一重で回避し迎撃!「SK=サン、助太刀を!」「承知!イヤーッ!」

SKはスリケンを連射2、[1224][1124]=成功。EBはメイスで殴って[12666]=成功&殺伐!出目3で急所破壊!バイオスズキは合計5ダメージを受け即死!スコア7を2で割って端数を切り捨て、3ずつ獲得。

即身成仏ーッ!」「アバーッ!」バイオスズキの身にスリケンが突き刺さり、振り下ろされたマニ車メイスが内臓を破壊!バイオスズキは緑色のバイオ血液を吐いて即死した。ナムアミダブツ!「……ここいらの漁師や釣り人は、日夜こんなものと格闘しとるのかのう。非ニンジャだと死ぬぞ」

クローンヤクザはバイオスズキを受け取り、軽トラの荷台へ運ぶ。「次」

スコア:SK19、EB13

8ターン目

[144446][23556]=二人同時にヒット!大きさは[5][2]=デカイ級と小物だ。小物は難易度EASYで釣れる。[23445646][66635]=両者成功。種類は[6][4]=バイオカジキマグロとバイオゴンズイだ!

「ぬうッ!」SKの釣り竿にまたもデカイ級の手応え!一方EBはバイオゴンズイを釣り上げた。「AAARGH!」有毒のヒレを振り回して攻撃!

ワザマエ判定、難易度HARD。[12345]=成功。スコア1。

「おっと!」EBは危うく躱し、チョップで気絶させて釣り針を外す。「毒もあるし小物じゃが、まあよかろう。そっちはどうだ?」「うぐぐ……イヤーッ!」SKが釣り上げたのはデカイ級バイオカジキマグロだ!「ARGHH!」鋭い口吻を振り回してSKに攻撃!

オーガニック種ですら大型種では全長4m以上・体重700kgに達する。小型種でも成熟すると全長1mを超える。ましてやバイオ種である!
体力5、連続攻撃[2]=1、ダメージ2D2(2D6を1/6して[34]=2)。SKは[12346625]=回避&迎撃!残り体力4。

「イヤーッ!」「AARGHH!」SKは冷静に見きって迎撃!「フン、慣れて来たぞ。EB=サン!」「おう!」EBはバイオゴンズイをバケツに放り込み、マニ車メイスを構えて攻撃!「「イヤーッ!」」

スリケン連射とマニ車メイス攻撃。[1116][2623],[13563]=成功。バイオカジキマグロは4ダメージを受けて体力0。スコア10ずつ獲得!

「アバーッ!」スリケンとメイスを受け、バイオカジキマグロは断末魔の叫びを上げて地面に横たわった!ゴウランガ!「そろそろよいか?」「充分です。オツカレサマデシタ」クローンヤクザが口を開く。「やれやれ」

小物2尾はバケツ、大物3尾はクーラーボックスに。デカイ級4尾は軽トラの荷台へ。まとめて売り払えば、それなりにはなるだろう。クローンヤクザが運転する軽トラに乗って、二人は港町へ向かった。

リザルトな

SK:29スコア
 デカイ級バイオシイラ半分(4)、大物バイオヒラメ(5)、大物バイオチヌ(7)、
 デカイ級バイオスズキ半分(3)、デカイ級バイオカジキマグロ半分(10)
EB:24スコア
デカイ級バイオシイラ半分(4)、バイオイワシ(1)、大物バイオヒラメ(5)、
デカイ級バイオスズキ半分(3)、バイオゴンズイ(1)、デカイ級バイオカジキマグロ半分(10)
それぞれを売り払い、万札10ずつゲット。スコアで勝ったSKには万札+2。

エピローグ

二人はクローンヤクザを連れて港町をそぞろ歩き、久々の余暇を楽しんだ。「ついでにスシでも食っていくか」「ああ。負傷も癒やさねばならんしな」ふらりと入ったスシ屋のカウンターで注文を待っていると、隣に誰かが座った。「ドーモ、ゴールデンクイーンです。スシをおごらせてあげるわ」

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「「ドーモ」」二人はアイサツを返す。だが、様子がなにか妙だ。「ああ探したのよ。探したわ。ドサンコの果てまで送られるなんて、酷いとは思わない?」「なんだ、酔っ払ってるのか?」「怖いのよ。懲罰騎士や執行者が来たらオシマイよ」「未だに来てないなら、多分大丈夫じゃ。安心せい」

「そうよ、おかしいと思わない?私たちは、ザイバツに見捨てられたのよ。殺して口封じする価値もないっていうのよ」カウンターに突っ伏して泣き始めた。彼女はキョートの上流階級の出身で、ネオサイタマやドサンコ暮らしは不本意の極みだ。ネオサイタマならまだしも娯楽があったが、ここでは。

「しっかりしろ、ゴールデンクイーン=サン。今度は一緒に釣りに行こう」「おお、そうじゃのう。カラテミサイルでヤバイ級の大魚も倒せるじゃろ」「……あんたたち、どんな大物釣ってたのよ」「ああ、いきなり強酸性の触手を持ったバイオシイラがかかってな……」「いかないわよそんな釣り!」

語らううちにスシも来た。三人は和やかにスシを食べ、サケを飲み、よもやま話に花を咲かす。穏やかに日常が過ぎていく。

一方その頃、ドサンコ内陸部では。

「ドーモ、オウルベア=サン、パイロリスク=サン。バジリスクです」

【シーサイド・ランデヴー】終わり。【サムワン・サドンリィ・ノックス・オン・ザ・ドア・アゲイン】に続く。

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