忍殺TRPGリプレイ【モンキー・マジック・オーケストラ】02
前回のあらすじ:ネオサイタマ、オハヤシ・ストリートで不審な事件が起きている。ソウカイヤにとって不都合な、ニンジャによるモータル殺しの目撃者が増えているのだ。デモゴルゴンとスキャッターは、このストリートを仕切るオフェンダーとともに調査を行うが……。カラダニキヲツケテネ!
◆
「見ざる、言わざる、聞かざる、や」パフォーマーは微笑んだ。「うちは見ざる。こいつらは言わざると聞かざる。オフェンダー=サンは四匹目。悪いことをせざる、動かざるやな」オフェンダーは両手にダガーナイフを構え、デモゴルゴンとスキャッターに向けた!「アバー……殺す……顔の皮を……」
「彼を洗脳して操って、ソウカイヤに不都合な情報を流してたってわけね」「ハイな。あんたらもうちの手駒になってもらいますえ」ピィヨォー……!バイオモンキーが笛を吹くと、あちこちで浮浪者やストリートチルドレンが立ち上がり、ゾンビーめいて近づいてきた。「「「アバー……!」」」
「ここはうちのフーリンカザン。罪罰紋のあるところ、ザイバツの領域や。デモゴルゴン=サンは厳しそうやけど、スキャッター=サンはもらいまひょか」「こ、断る!」スキャッターはスリケンを構えた。デモゴルゴンは鼻を鳴らし、カラテミサイル射出の構えをとる。一触即発アトモスフィア!
戦闘開始
◆ジョルリモンキー(種別:バイオ生物)×2
カラテ 3 体力 3
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 5 脚力 3/N
ジツ - 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 6/ 5/ 2/ 2
◇装備や所持品
●永続ジョルリ化:連続攻撃2、攻撃+3、疾駆、出目6で近接攻撃ダメージ+1、
肉体破壊(素手時のみ連続攻撃+1、出目55で殺伐)
能力値合計:9
1ターン目
「妖精さん、力を貸して!」デモゴルゴンはタフに笑い、周囲のエテルを引き寄せる!路地裏の闇にフェアリーめいた光が集まり、光球と化す!「イヤーッ!」PASHSHSHSHSH!二匹のバイオモンキーにカラテミサイルが殺到!KABBBBOM!「「アバーッ!」」猛攻を食らい昏倒!ナムアミダブツ!
「あらあら」パフォーマーはため息をつき、ポン、とツヅミを撃った。「カワイソウやけど、手駒はまだまだようけおるんよ。オフェンダー=サン、そいつらをやってしまい!」「ハイヨロコンデー……!」オフェンダーの四肢の筋肉が異常に膨張し、カラテをみなぎらせる!ヒュプノ・ジョルリだ!
「ヌウーッ……!」スキャッターはアンテナつき特殊サイバネヘルムをフル稼働させ、周囲の情報をソナーめいて収集!デモゴルゴンのサイバネアイとリンクさせる!『オフェンダー=サンを攻撃して』『rgr』電子の速度で通信し、オフェンダーめがけスリケンを乱射!「イヤーッ!」「グワーッ!?」
スリケンを食らったオフェンダーは一瞬怯むが、両手のダガーナイフを振り上げてスキャッターへ襲いかかる!「ケヒャーッ!テメエは前から気に入らなかったんだぜェーッ!」アブナイ!だが!「イヤーッ!」デモゴルゴンは瞬時にスキャッターと位置を入れ替え、カラテミサイルを放ちつつ迎撃!
PAPAPAPAPAM!「グゥワーッ!?」オフェンダーにカラテミサイルが降り注ぐ!無視できぬダメージだ!そのままカラテミサイルはデモゴルゴンの周囲をヒュンヒュンと飛び巡り、カラテバリアと化す!「ナメんじゃあないわよ、パフォーマー=サン!」デモゴルゴンは邪悪に嘲笑う!
2ターン目
「イヤーッ!」デモゴルゴンは周囲を飛び交うカラテミサイルの数を増やしながら一歩踏み出し、振り向きざまにオフェンダーへ収束カラテミサイルを連発!BOOMBOOM!「い、イヤーッ!」オフェンダーは危うく回避!「イヤーッ!」スキャッターが素早く動きスリケン!「イヤーッ!」回避!
「ほれ、ほれ、踊れ!ジョルリども!」ポン、ポン、ポポン……パフォーマーが優雅にツヅミを撃つと、ジョルリ・モンキーと化した浮浪者やストリートチルドレンが彼女の傍らに駆け寄る!「「キキーッ!」」白目を血走らせて牙を剥き、よだれを垂らした彼らは、モンキーめいた姿勢をとる!
「「「キヤァーッ!」」」オフェンダーとジョルリ・モンキーたちが一斉にスキャッターへ飛びかかる!「イヤーッ!」だがデモゴルゴンがかばい、カラテミサイルの雨を浴びせて迎撃!PAPAPAPAPAPAPAPM!「アバーッ!」「「グワーッ!」」オフェンダーは昏倒、ジョルリ・モンキーも重傷!
3ターン目
「オラオラオラオラオラーッ!」デモゴルゴンは空中へ連続セイケンヅキを繰り出し、ジョルリ・モンキーをカラテミサイルで薙ぎ払う!「「グワーッ!」」「い、イヤーッ!」ほぼ同時にスキャッターがスリケンを乱射!「ンアーッ!?」パフォーマーの頬をかすめ、肩に命中!ワザマエ!
「やってくれたのう!イヨォーッ!」ポン!ポン!ポポン!「「アバーッ!」」ジョルリ・モンキー二匹が飛びかかる!「無駄、無駄、無駄!イイイヤァアアアーーッ!」PAPAPAPAPAM!「「アバーッ!」」デモゴルゴンはカラテとカラテミサイルを組み合わせた恐るべき迎撃を放ち、薙ぎ払う!
4ターン目
「……イヤーッ!」スキャッターはニューロンをブーストさせ、パフォーマーへ駆け寄ってカタナで斬りかかる!ハヤイ!SLASH!「ンアーッ!?」命中!さらに!「オラオラオラーッ!」デモゴルゴンが殴りかかる!「い、イヤーッ!」パフォーマーはブリッジ回避し迎撃!「イヤーッ!」防御!
「ええい、撤退や!イヤーッ!」ポン!パフォーマーは連続側転しながらツヅミを打ち鳴らし、ジョルリ・モンキー二匹を召喚!即座には襲いかからせず、足止めを担わせる!「チッ!」デモゴルゴンは舌打ちした。オフェンダーは気絶したままだ。放置すればジョルリ・モンキーにカイシャクされる。
パフォーマーがオフェンダーを直接カイシャクしなかったのは、助けさせて逃げるためか。デモゴルゴンの脳裏を、あの団地での苦い経験がよぎる。サンシタのゲス野郎とはいえ……「スキャッター=サン、オフェンダー=サンを回収重点!」「ハイ!」眼の前で死なれるのは、寝覚めが悪い!
5ターン目
「「イヤーッ!」」スキャッターとデモゴルゴンは、スリケンとカラテミサイルでジョルリ・モンキーたちを薙ぎ払う!PAPAPAPAPAM!「「アババーッ!」」「オニサン、コチラ!イヤーッ!」その隙にパフォーマーは連続側転を繰り出し、壁に溶け込むように姿を消した。逃げられたのだ……。
戦闘終了
エピローグ
「……フーッ……」デモゴルゴンはため息をついた。事件の黒幕は撃退したが逃げられてしまった。オフェンダーの命が助かっただけでもよしとしよう。「うう……え?」オフェンダーが起き上がってあたりを見回すと、何人もの浮浪者やストリートチルドレン、バイオモンキーが倒れている。「え?」
「殺してないわよ。気絶させただけ。ここに放置しておけばそのうち死ぬでしょうけど」「恐ろしい敵だったな……」スキャッターは映像と音声の記録を抽出し、電脳部門などへ送信する。ハンディ・ビデオカメラの方が味と温かみがあって好みだが、命がけのビズに際して贅沢は言っていられない。
すぐに後始末部隊がクローンヤクザを率いて駆けつけ、周辺をくまなく捜査し、オフェンダーを重要参考人として確保した。「お、俺は、洗脳されていただけだ!」「なるべく弁護はしてあげるわ。ケジメは覚悟しといてね」「ヒィーッ!」倒れた浮浪者やストリートチルドレンは……放置された。
バイオモンキーたちはリー先生のラボなどでニューロンを調べれば発見もあろうが、彼らマケグミを助けるような慈悲深さはソウカイ・シンジケートにはない。仲間やスカベンジャーたちに引き取られ、生き残ったり死んだりするだけだ。ストリートにもそれぞれの生態的地位(ニッチ)が存在する。
そして、ここのようなストリートはネオサイタマに無数にある。今回は追い払えたが、また別のどこかにザイバツニンジャたちが潜み、今回のような陰謀を巡らせ、秩序を揺るがそうとしてくるだろう。キョートのザイバツを滅ぼすのは難しいが、ネオサイタマ駐留部隊の本拠地が見つかれば……。
「次は、もう少し手練れのニンジャも連れて行動するとしましょう。反省終わり。報告に行くわよ」「ハイ」二人のニンジャは後始末部隊に引き継ぎを行うと、家紋タクシーに乗ってしめやかにオハヤシ・ストリートを離れた。
【モンキー・マジック・オーケストラ】終わり
リザルトな
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