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忍殺TRPGリプレイ小説【ナイト・フライト】

邦題:夜間飛行(Night Flight)

これは、ニンジャスレイヤーTRPGのラブサバイブ=サン作オリジナルソロシナリオ「墜落飛行船へ潜入せよ」を元にしたリプレイ小説です。かなり自由に改変していますが、一応ネタバレにご注意下さい。

今回挑むのは、6/25に初登場して以来のザイバツ・ネオサイタマ潜伏駐留部隊……チーム・ヘルダイバーのニュービー女ニンジャ二人組です。覚えておられるでしょうか。

ザイバツ・ニンジャの作成や成長、余暇に関しては、まだ公式でルールが決まっていません。トラッシュ=サンの記事を参照してやってみましょう。

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◆ナーギニー(種別:バイオニンジャ/アプレンティス)
カラテ       5>6  体力       11>12
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      6    脚力        4
ジツ        0    万札       14>10
DKK       3    名声        2

◇装備や特記事項
▲バイオサイバネ脚部(尻尾):近接攻撃ダイスと脚力+1、体力+2
◆シミター・カタナ
◆バイオペット用粗悪バイオ・インゴット
○生い立ち:ヨロシサン脱走バイオニンジャ、体力+4
●バイオインゴット欠乏症:体力2以下で行動不能、警戒度+1
◇メンター:モンスメグ

能力値合計:16>17 バイオサイバネ数:2+全身(生来のバイオニンジャ)
回避ダイス:6
余暇2日を概念的に獲得し、1日目は胡乱がらくた市で粗悪バイオ・インゴットを購入。残り1日はモンスメグ=サンとクミテ・トレーニングします。1D6で出目4以上を出せば成功です。[5]=成功。カラテが6に上昇しました。合計万札4を消費し、残りは10です。

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◆ヤクシニー(種別:ニンジャ/アプレンティス)
カラテ       5    体力        5
ニューロン     3    精神力       3
ワザマエ      6    脚力        3
ジツ        3    万札        0
DKK       0    名声        0

◆装備や特記事項
☆カトン・ジツ
◇メンター:モンスメグ

能力値合計:20 回避ダイス:6
ヘルダイバー=サンに説得されてザイバツニンジャになりましたが、ソウカイヤに目をつけられたらまずいので、普段はコメダ・ストリートで闇仕事を請け負うフリーランスニンジャということにします。ニンジャの力で食い扶持程度はなんとか稼げますが、ザイバツへ納める程のカネは出せません。

オープニングな

《メーデー!メーデー!ブッダファック!墜落は免れない!》《ニンジャ!ニンジャが!アイエエエエ!!》《モウダメダー!オムラバンザイ!バンザ……》――オムラ管制室通信ログより

ザイバツのネオサイタマ潜伏駐留部隊のひとつである、チーム・ヘルダイバー(HD)がコメダ・ストリートに橋頭堡を築いてから、しばらく後。

女バイオニンジャのナーギニー(NG)と、カトン使いの女ニンジャ・ヤクシニー(YS)は、メンターであるモンスメグ(MM)に呼び出された。

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「ドーモ、何用でしょうかMM=サン」YSは丁重にアイサツする。MMはアデプト位階の強力なニンジャであり、カラテが強い。「ああ、よく来てくれた。実は君たちに、ある任務を行って貰いたいのだ」MMはテレビをつけ、NSTVの実況報道映像を見せた。《オムラ社のツェッペリン墜落》とある。

《今夜10時過ぎ、オムラ・インダストリが管理するメバチ級マグロツェッペリンが、形状を保ったままネオサイタマ南東の工業区域へ墜落しましたドスエ。工員が多数死亡ないし逃亡し工場の稼働率が低下、関連各社の株価は大きく下がり、オムラ社のツェッペリン担当責任者はセプクしましたドスエ。墜落機は爆発の危険性を抱えており、大変危険な……》

「これを調べに行けと」「そうだ。ツェッペリン内部にはオムラの機密情報フロッピーや最新兵器、電子チップなどが収められたままとなっている。いわば宝の山だ。急がねばオムラやソウカイヤのニンジャに漁られ、証拠隠滅のために爆破されてしまうだろう。その前に潜入し、回収するのだ」

「オムラはソウカイヤともザイバツとも取引がある。ザイバツ紋をつけたニンジャが表立って動くのはまずい。その点、君たちはニュービーだ。ザイバツ所属ではない野良ニンジャとして動けばいい。略奪は思いのままだ。奪ってきたものはザイバツ駐留部隊の本部が持つ裏ルートで捌ける」

「要するに、火事場泥棒ってことッスね」「ああ。武装も充実し、来たるべき時に備えることが出来る。当面の生活費も稼げる」「世知辛いッスねェ」「ああ、切実だ。我々には資金が必要なのだ」ヘルダイバー(HD)がどこからか現れ、三人は度肝を抜かれる。「「「ド、ドーモ、HD=サン!」」」

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「ドーモ。と、いうわけだ。無論現場は危険だし、オムラやソウカイヤのニンジャとはち合わせる可能性もある。その時は無理せず脱出し、生還を優先したまえ。カネを稼ぐために命を落としては元も子もないからね」「了解しました!」「ハイヨロコンデー!」YSとNGは深々と頭を下げた。

工業地帯

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……数十分後!二人は墜落現場であるネオサイタマ南東の工業地帯に到着した。消火は進んでおらず、化学物質が燃える悪臭が漂う。モータルでもニンジャでも近づきにくい状況、潜入には好都合だ。「行くよ」「了解!」二人は炎の中を駆け抜け、ツェッペリンを目指す。……その時!

KA-BOOOM!前方で爆発!巨大な鉄骨が回転しながら迫る!

回避判定、難易度NORMAL。6D6が2つで[155556][112356]=成功。

「「イヤーッ!」」二人は側転回避!ヒュンヒュンヒュン……KRASH!鉄骨は遥か後方の壁に激突した。ニンジャと言えど命中すればただでは済まない威力だが、命中すればの話だ。走り続ける二人の視界に、巨大なマグロの姿が見えた。目的のツェッペリンに違いない!内部へ侵入せよ!

「さて、どうする」「カラテがマスターキーでしょ?」「いや、外壁をウカツに壊せば爆発する。排熱口も火を噴いてる」YSはやや慎重だ。

カラテ、ニューロン、ワザマエのいずれかで判定、難易度HARD。ここはワザマエで行こう。[244466][113456]=両者成功。

「「イヤーッ!」」二人はニンジャ跳躍力を発揮し、高所のダクトからの侵入を図る。危険な排熱口を避け、無事内部に侵入!周囲を素早く見回すが、人の気配はない。どうやら兵員用の装備の保管庫だったようだ。役立ちそうなものが残されているかも知れない。時間はないので急いで探す。

1D6を2つ。出目は[1][5]=フルヘルムメンポタクティカルニンジャスーツだ(正確には、それに相当するオムラのモータル社員の装備か)。まとめて売れば万札5だが、ともに体力を+1する。NGは体力が12もあるのでここはYSが装備しよう。YSの体力が7になった。

「へへ、ついてるぜ」YSがフルヘルムを被り、タクティカルスーツを身に纏う。これで見つかってもオムラの企業戦士だと言い張れるだろう。

遭遇

ツェッペリン内部を慎重に進む二人。時折廊下には、事切れたオムラ兵士の死体が転がっている。墜落のショックで死んだのか無惨な有様だ。ナムアミダブツ。いや、よく見れば死体には銃弾の痕がある。何者かの攻撃を受けたのだろうか。……やがて、二人は僅かに動く人影を見つけた。

NGが急いで物陰に隠れ、YSが進み出る。「う、うう……」うめき声をあげるオムラ兵士だ。彼はこちらに気づくが、敵意は感じられない。「おお、生き残りがいたか……助けてくれ……」YSが返答しようとした、その時!

シ、シシシシ侵入者発見ケンケンケン』電子音声!オムラ社のUNIX制御式マシンガンだ!狙いはYSだが、回避すればオムラ兵士が撃ち抜かれる!

連射3。まとめて回避可能だが失敗すれば3ダメージ。普通に回避すれば難易度NORMAL、オムラ兵士を抱えて回避する場合は難易度U-HARD。防具もあることだし、YSは後者を選ぶ![134446]=ギリギリ成功!

「イヤーッ!」YSはオムラ兵士を担ぎその場から飛び退く!『侵入者を排除します』BRATATATATATATATA!YSたちの居た位置を銃弾が蜂の巣とする!YSは物陰に彼を置き、マシンガンめがけスリケン投擲!「イヤーッ!」

6D6で[145666]=成功。

KRASH!『ピガーッ!』ブルズアイ!マシンガンは沈黙した。

オムラ兵士は無事だ。いや……既に銃弾を脇腹に食らい、致命傷のようだ。「うう……すまない。俺はもうだめだ。ドッグタグを……」YSは状況判断し、彼のドッグタグを引きちぎる。自分をオムラの兵士だと思いこんでいるのなら好都合だ。MMの口調を真似、彼女ならどうするかを考える。

「私はオムラ社から調査のために派遣された者だ。ここで何があった?」「そ、そうか……俺は下っ端でわからんが、ニンジャがどうとか……ブリッジにデータが……艦長に……」オムラ兵士は懐から認証キーを取り出した。「気をつけ……戦闘兵器が……暴走……」オムラ兵士は事切れた。

その時!ガション、ガション、ガション……通路の奥から足音。『シ、シシシシ侵入者発見ケンケンケン!モーターヤブ改善は火力重点!』電子音声!オムラ社の戦闘ロボ兵器だ!その両腕はガトリングガン!

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◆モーターヤブ改善・ダブルガトリングタイプ(種別:戦闘兵器)
カラテ       6    体力       12
ニューロン     3    精神力       -
ワザマエ      6    脚力        3
ジツ        -    万札       10

◇装備やスキル
 オムラ・ガトリングガン:遠隔武器、連射3、ダメージ2、範囲攻撃2x2、重火器
 ショック・サスマタ:近接武器、ダメージ2
 戦闘兵器:「カナシバリ・ジツ」などの精神攻撃は作用しない
公式プラグインにある、マシンガン腕をガトリングガンに置換した火力重点モーターヤブ改善です。片腕ずつ休ませながら毎ターンガトリングガンで攻撃してきますが、両腕で同時に射撃することはありません。

「面倒なやつが出たな」YSは舌打ちする。ヤブ改善は通路を遮っており、他に通り道もなさそうだ。武装を多少得たものの、この先に重要な機密があるならば、それを奪えばキンボシ。「叩き壊そう」NGが現れ、好戦的に笑い、シミターを構える。「ああ。行くぞ!」一触即発アトモスフィア!

戦闘開始

イニシアチブ:NG(5)→YS、MY改善(3)

1ターン目

機械相手にアイサツは不要!「「先手必勝!イヤーッ!」」二人の女ニンジャが飛びかかる!

6D6と5D6で[144556][15666]=成功、YSは殺伐。出目は4、脚を破壊。脚力をD3減少させ万札D3発生。D6は[2][1]=脚力が1減って2となり、万札1発生。MY改善の残り体力10。

KRASH!NGのシミターとYSの強烈なキックがMY改善の逆関節脚部を破壊!『ピガーッ!』MY改善はよろめき、片膝をつく!だが健在!数歩下がって銃口を向ける!『皆様の安全を守るオムラのガトリングガン』BRATATATA!

連射3、ワザマエ6。[65][46][46]=成功。二人は[112466][124445]=回避。

「「イヤーッ!」」銃弾の嵐を難なく回避!ニンジャに銃弾は当たらぬ!

2ターン目

精神集中一斉攻撃。[233446][22335]=成功。残り体力8。MY改善は[13][45][46]=2発成功。[665522][113445]=回避。

3ターン目

[224466][11346]=成功、NGは殺伐。出目は2、頭部破壊。ニューロンとワザマエが1減少し万札D3発生。MY改善のニューロン2、ワザマエ5、残り体力6で万札[1]=1発生。[3][12][15]=1発成功、[113455][222556]=回避。

4ターン目

[224456][66624]=成功、YSは殺伐。出目は1、ふっとばして追加ダメージ。MY改善の残り体力3。[4][14][56]=成功、[666114][111555]=回避。

5ターン目

[122335][22344]=成功、MY改善の残り体力1。[5][36][35]=成功、[233366][244455]=回避。

6ターン目

[123446]=成功、MY改善の残り体力0。機能停止!

BRATATATA!BRATATATA!BRATATATA!BRATATATA!BRATATATATA!!無数の銃弾が撒き散らされるが、女ニンジャ二人にはかすりもしない!激しくカラテが叩き込まれ、鋼鉄の殺戮兵器を打ちのめし、砕き、吹き飛ばす!

「「イヤーッ!」」『ピガーッ!』「「イヤーッ!」」『ピガーッ!』「「イヤーッ!」」『ピガーッ!』「「イヤーッ!」」『ピガーッ!』「「イヤーッ!」」『ピガーッ!』「「イヤーッ!」」『ピガーッ!』
「イイイヤァーッ!」KRAASH!『ピガガガガーーーッ!』KABOOOM!

モーターヤブ改善は爆発四散!ゴウランガ!

戦闘終了

YSとNGは壊れた機体から基盤や素子を漁る。これはこれで重要な機密データだろう。一旦共有し、あとで山分けする。

獲得:万札12

分岐路

二人は先へ進み、分岐路に差し掛かった。案内板を見ると片方はブリッジ、片方は格納庫に続いているようだ。「ブリッジには機密情報があるが、格納庫にも武器とかありそうだな」「じゃあ手分けしよう。YS=サンはブリッジへ、私は格納庫へ」「了解」二人はそれぞれの道へ進む。

ブリッジ

YSはブリッジへの扉の前に立つ。さっきのオムラ兵士から譲られた認証キーを用い、ロックを解除する。ガコンプシュー!素早く中に入りクリアリングすると、シートでは艦長と思しき男が事切れている。その近くのUNIXにはフロッピーが刺さっている。機密情報だ!

1D6の出目は[6]!シャナイ級機密情報フロッピーだ!キンボシ・オオキイ!

「これだな。よし」YSは慎重にフロッピーを抜き取り、防護ケースに入れて懐へしまう。これを持ち帰れば相当な値打ちになるはずだ。だが……

格納庫

一方、NGは格納庫へ進む。ドアは破壊されていた。おそらくさっきのモーターヤブの仕業だろう。内部には誰もいないが、使えそうな兵器やサイバネのたぐいはいくつか残っている。大型の兵器は、抱えて運ぶのは難しかろう。売り払うにも大きすぎると捌くのは難しい。状況判断が必要だ。

5つからチョイス。売値は一律で万札20。とりあえず1D6を振ると3、サイバネフレーム。サイバネ手術で『▶︎▶︎▶︎サイバネフレーム』を導入する際、一度だけ万札10で施術が可能。

NGは小柄だが筋力は高い。甲冑めいたサイバネフレームを着込み、背負う。バイオニンジャである自分にはさほど必要でないが、カネにはなろう。もうちょっと何かないか、探そうとした……その時!

ブガー!ブガー!突如、艦内に警報が鳴り響く!『機密保護のために自爆しますドスエ。3分以内に脱出してくださいドスエ』ナムサン!これ以上調査している時間はない!脱出だ!

脱出

自爆まであと1分ドスエ』無情なカウントダウン!二人はなんとかツェッペリンの外に出たが、ある程度距離を取らねば爆発に巻き込まれる可能性が高い!「走れ、NG=サン!走れ!」「ハイ!」

脚力判定、難易度HARD。格納庫からアイテムを回収している場合は難易度U-HARDだ。その前に難易度NORMALで連続側転すれば脚力を2倍して判定可能。精神力成功はU-HARDでないどちらかにのみ使用可能。格納庫から運び出したアイテムを捨てれば脱出難易度HARD。なお状況を鑑み、連続側転難易度はアイテムを持っている場合HARDにする。
YSは連続側転、難易度NORAML。[112345]=成功。脚力判定、6D6で[123346]=ギリギリ成功。NGは脚力と体力に自信があるのでアイテムを捨てずに運ぶ。連続側転は[222346]=ギリギリ成功。脚力判定は8D6でU-HARD、[11455553]=失敗!爆発に巻き込まれて3ダメージ!残り体力9。

自爆しますドスエ。カラダニキヲツケテネ!KABOOOOOOOOM!!!ツェッペリンは大爆発を起こした!連鎖して工場も爆発!凄まじい火柱が上がる!「ンアーーーーーーッ!」YSはギリギリ爆風を回避したが、サイバネフレームを着込んだNGは動きが鈍った!「NG=サン!」

NGの小さな体が空中高く吹き飛ばされる!YSは顔を青くするが、NGは体勢を立て直して前方になんとか着地!ワザマエ!「無事か!」「なんとか!」彼女は強靭な肉体を持つバイオニンジャであり、サイバネフレームを着込んでもいる。ヨロシとオムラの技術が衝撃をうまく吸収してくれた形だ。

連鎖爆発を繰り返す工場から、二人は脱出を果たした。炎に包まれるツェッペリンが断末魔の如き音とともに大爆発する……。二人は後ろを一度だけ振り返り、戦利品とともに帰路についた。

エンディング

ウシミツ・アワー。ボロ布に身を包み、コメダ・ストリートの橋頭堡に帰還した二人を、ヘルダイバーとモンスメグが歓迎した。「ご苦労だった。では収穫物を見せてもらおうか」「「ハイ」」

★MISSION COMPLETE!★
 獲得 万札:6ずつ(山分け)
    YS フルヘルムメンポ&TNスーツ(装備)、シャナイ級機密情報フロッピー(万札40)
    NG サイバネフレーム(万札20)
 消費 バイオペット用粗悪バイオインゴット(NG)
YSはフロッピー、NGはサイバネフレームを売却(ザイバツに献上)。それぞれ万札40と万札20。MY改善を撃破時に得た万札をあわせて、46と26だ。フルヘルムメンポとTNスーツはオムラ製品で足がつくので、献上したのち同じ性能の別社のものが上から回ってくることにする。

HDはフロッピーを受け取り、スタンドアロンの秘密UNIXに挿入して、データを確かめる。しばらくして、目を大きく開く。「これはシャナイ級の機密情報だ!素晴らしいぞYS=サン、NG=サン。君たちを派遣したのは正解だったようだ!」MMも笑顔で頷く。「駐屯部隊本部に送って解析しよう」

「あのツェッペリンが墜落した理由が、わかるでしょうか」「おそらくな。何か気になるかね」YSの問いにMMが答える。YSはオムラ兵士から受け取ったドッグタグを見せた。「これも拾いました」そこに刻まれた名はモンド・スミダ。「彼の家族がいれば、届けたいのですが……」

「おやおや。オムラの社員データベースを見ればわかるだろうが、君があの現場にいたことがわかると面倒なことになるな」「スミマセン」MMはHDをちらりと見てから、少し考えて答える。「彼は当然あの事故で死んだ。ドッグタグが残っているのは不自然だな。廃棄して熔解する」「……ハイ」

余暇は万札で購入可能。払わなければ1日、万札10で2日、30で3日。間をとって2日とする。YSとNGの獲得万札は差し引き36と16になった。

ツェッペリン墜落のニュースは、当初こそ大きく報道されたが、やがて段々と規模が小さくなり、やがて忘れられていった。多くのカネが動き、少なくない命が失われた。ネオサイタマを生きる人々はそれを深く気にすることはない。そうせねば、明日を生きていくことは難しいからだ。

そもそも何故マグロツェッペリンは墜落したのか?それを知る者は、もはや誰もいない……。

◆◆◆

???

ドゥンドゥン、ドゥルッドゥー、ドゥールドゥルドゥー……低い口笛が聴こえる。意識が浮上し、目を薄っすらと開ける。ベッドの上のようだ。

「おう、目が覚めたかモンド=サン。オハヨ!」

声をかけてきたのは、顔の左半分をサイバネ化した男だ。両腕には無骨な小手。「ドーモ、ハジメマシテ。俺はヴォルテージだ」「ど、ドーモ、ヴォルテージ=サン。モンドです」モンドは思わずアイサツを返した。アイサツは大事だ。「こ、ここは?」「オムラの医療室だ。テメエは運がいいぜ」

「エッ」確か、マグロツェッペリンが墜落して……その後……。「テメエは、ニンジャになったのさ。そして生き残った。俺もオムラの企業ニンジャだ。よろしく頼むぜ」「アッハイ……ニンジャ?ニンジャ、ナンデ?」モンドは困惑したが、生きていることはありがたい。体に力が漲っている。

「オムラにニンジャが仕えていると噂を聞いたことはありますが、まさか、本当に……」「いるんだよ、ニンジャはな。俺やテメエのような、死にかけの人間がニンジャになる。超人さ。これでますます愛社出来るなァ。年収も随分アップするだろうぜ」ヴォルテージは笑った。年収が。すごい。

「あ、あの、ツェッペリンは」「爆発しちまったよ。俺たち調査チームを送り込むとこだったんだが、上が責任問題で揉めてるうちにドカンさ。ま、しょうがねェ」モンドは驚いた。「え、でも私、艦内でオムラの調査隊と名乗る人に出会いました、けど」「なに?」ヴォルテージは眉根を寄せた。

「アイエッ」「聞き捨てならんなァ。……モンド=サン、テメエの見聞したことをとにかく報告書にまとめろ。上に提出する。都合の悪いことは握り潰されるかもだが……」「え、私、ケジメとかさせられるんですか」「さあ。とにかくこれから、テメエはニンジャ部門に配属だ。俺が上司だぜ」

「アッ、ハイ、よろしくお願いします」「さて、ニンジャネームがあったがいいな。なんか思いつくか?」「ええと……」モンドは自分のニンジャソウルに問いかけたが、もう返事はない。ニューロンに溶け込んでしまったのだろう。とすると、自分で考えるか、この上司に名付けて貰うことになる。

ツェッペリン墜落事故でニンジャ化したからといって、レッドツェッペリンやヒンデンブルクもどうだろう。リードバルーン(鉛の気球/ぽしゃる)だと不吉だ。特徴的なサイバネもジツもない。本名をもじるのも難しそうだ。

「じゃあ……ナイトフライトにします」ヴォルテージは頷いた。「そうか。よろしくな、ナイトフライト=サン」

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◆ナイトフライト(種別:ニンジャ/オムラマン)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      6    脚力        3
ジツ        0    万札        0
DKK       0    名声        0

◆装備や特記事項
▶生体LAN端子
○オムラ兵士(電子戦争退役軍人扱い):生体LAN端子を初期装備
◇上司:ヴォルテージ

能力値合計:15 回避ダイス:6
イメジはPicrewの「どこでも立ち絵メーカー」で作りました。

【ナイト・フライト】終わり

リザルトな

◆ナーギニー(種別:バイオニンジャ/アプレンティス)
カラテ       6    体力       12
ニューロン     5    精神力       5
ワザマエ      6    脚力        4
ジツ        0    万札       10>26
DKK       3    名声        2

◇装備や特記事項
▲バイオサイバネ脚部(尻尾):近接攻撃ダイスと脚力+1、体力+2
◆シミター・カタナ
○生い立ち:ヨロシサン脱走バイオニンジャ、体力+4
●バイオインゴット欠乏症:体力2以下で行動不能、警戒度+1
◇メンター:モンスメグ

能力値合計:17 バイオサイバネ数:2+全身(生来のバイオニンジャ)
回避ダイス:6
◆ヤクシニー(種別:ニンジャ/アプレンティス)
カラテ       5    体力        5>7
ニューロン     3    精神力       3
ワザマエ      6    脚力        3
ジツ        3    万札        0>36
DKK       0    名声        0

◆装備や特記事項
☆カトン・ジツ
◆フルヘルムメンポ&TNスーツ:体力+2
◇メンター:モンスメグ

能力値合計:20 回避ダイス:6

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