忍殺TRPGリプレイ【ニンジャ・ウォッチズ・オーヴァー・アス】03
前回のあらすじ：ネオサイタマの全寮制のカチグミ学校・スナリマヤ女学院で、生徒「モロ・キリエ」が失踪した。彼女の父キリオはソウカイヤに事件の調査と解決を依頼し、2人の女ニンジャ・マーダーシュトロムとヴェノムパピヨンに白羽の矢が立った！果たして真相は？カラダニキヲツケテネ！
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……彼女によれば、こうだ。ナカヨシは恐るべきカルト集団であり、時々立場が弱く家柄もさほど良くない生徒を選んで、礼拝堂に連れ込んでいる。そして……殺すのだ。秘密を共有し、結束を強めるために。キリエも数日前に殺されたが、運良くニンジャになって蘇った。そして、身を隠した。
「……礼拝堂の下には、生徒たちの死骸が積み重なっていたわ。白骨化したものも、かなり古いものも。きっと、ずっと昔から……」キリエは震えた。「私は死んだことになっているし、寮の部屋にも学校にもいられない。外へ逃げて教師や警察に告げても、もみ消されるかも知れない。だから……」
「だいたいわかった」マーダーシュトロムはうなずいた。「あなた達、ニンジャでしょう。そして、ナカヨシについて調べてる。だからこうして出てきたの。私もナカヨシたちを殺すわけにもいかないし、このまま連れ出して欲しいの」キリエは涙を流す。わけがわからないまま孤立無援だったのだ。
「……どうします」ヴェノムパピヨンは眉根を寄せた。このまま彼女を連れ帰れば一応解決だが、ナカヨシの邪悪な儀式を放置しておくのもよくなさそうだ。ユマナのような何も知らぬ善良な生徒たちが犠牲になる。それは、イヤだ。かといって、カチグミたちを敵に回せば……「相談してみよう」
マーダーシュトロムは判断を上に仰ぐことにした。キリエが無事……と言っていいか分からないが、生きていることは確かだ。ニンジャ化しているため、このままソウカイヤに所属することになるかも知れない。期せずして新たなニンジャをスカウトできたわけだが、これで一件落着とも行くまい。
……その様子を、校舎最上層の窓から眺め下ろす怪しい人影があった。
？？？
フェー……夕方の祈りと夕食を告げる笙リード音が響いた。教師や生徒はいつまでも外や廊下でダラダラしていてはならない。今日は土曜日だ。明日は問題の日曜日。キリエをどこかへ匿い、ソウカイヤに連絡を……「痛ッ」キリエが首の後ろを手で押さえた。虫か？……否！彼女が振り向いた先に！
生け垣の陰から半身を出しているのは、黒い頭巾と黒い覆面を装着した生徒だった。手には吹き矢の筒を持っている。「え？」キリエはよろめいた。視界がぼやけ、横倒しになる。ニンジャ？「ニンジャ」「ナカヨシ」近くの生け垣から、別の覆面生徒が立ち上がった。手にはクナイを持って。
「ニンジャ？」ヴェノムパピヨンとマーダーシュトロムは脂汗を垂らした。いつの間に。彼女たちからニンジャアトモスフィアは感じない。非ニンジャのモータルだ。だがおそらく、ニンジャに洗脳されている！「ニンジャ」「ナカヨシ」不気味なチャントとともに、さらに2人の覆面生徒が出現！
「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」……ナムサン！次々に覆面生徒が出現！手にはサイ、ジュッテ、ボー、鎌、モーニングスター、ボンボリライト、スリケン！「キリエ＝サン、泳がされていたな。我々を誘い出したか」マーダーシュトロムは舌打ちした。
2人は理解した。ここはニンジャのドージョーなのだ！それも憑依ニンジャではなく、モータルをニンジャとして鍛え、邪悪なニンジャ性を与えるための！ソウカイ・ネットによれば、以前コブラ教団というニンジャ組織がそうした活動を行っていたというが……！「逃げるぞ！」一触即発！
戦闘開始
マップ
◆ナカヨシ・チーム（種別：モータル）
カラテ ３ 体力 ３
ニューロン ３ 精神力 ３
ワザマエ ３ 脚力 ３
ジツ － 万札 －
攻撃/射撃/機先/電脳 ３/ ３/ ３/ ３
◇装備や特記事項
◆近接武器：近接攻撃、ダメージ１、回避H
◆スリケン一斉投擲：射撃、連射１、ダメージ１、回避H
◆吹き矢一斉射撃：射撃、連射１、毒ダメージ１、回避H
能力値合計：８どこへ逃げても3人1組でアンブッシュし、吹き矢やスリケン、近接武器のサンダンウチ・タクティクスで攻撃してきます。さらにキリエを「運搬」しているニンジャはあらゆる判定難易度が+1されます。危険！カラテやスリケンやジツで倒せますが、きりがないので攻撃しない方がいいでしょう。
1ターン目
イニシアチブ：ヴェノムパピヨン/VP（10）→マーダーシュトロム/MS（9）→ナカヨシ・チーム/NT（3）
VPは…キリエを担ぎ上げる！MSはVPをかばい防御専念！
NTはスリケン一斉投擲、[336]成功！MSがかばう！防御専念により回避難易度H＞N、15D6[436435255554163]成功！
「キリエ＝サン！」ヴェノムパピヨンはキリエを担ぎ上げる！「くッ！」マーダーシュトロムは彼女たちをかばう！「「「イヤーッ！」」」覆面生徒・ナカヨシたちは一斉にスリケンやクナイを投擲！威力は低いが、複数命中すれば危険だ！「イヤーッ！」マーダーシュトロムはマワシウケ防御！
「根を……ナカヨシの、根を絶たないと……礼拝堂……へ！」キリエは毒に抗いながらヴェノムパピヨンに告げる。このまま逃げるのが一番だが、しかし！
2-3ターン目
VPとMSは…礼拝堂へ向けて側転、ともに難易度N。[622156226146][1516662255113]成功。あと2ターン！
NTは吹き矢一斉射撃[341]成功。MSがかばう！回避H！17D6[23566225554312452]回避！
「イヤーッ！」ヴェノムパピヨンはキリエを担ぎ、礼拝堂へと全力疾走！「イヤーッ！」マーダーシュトロムも後を追う！「「「フシューッ！」」」別の茂みからナカヨシたちが吹き矢を携えアンブッシュ！「イィヤーッ！」マーダーシュトロムは陽炎をまとうチョップで全て撃墜！ワザマエ！
VPとMSは側転[616653424563][4611141616631]成功。
NTは近接武器で一斉攻撃[324]1成功。MSがかばう！回避H＞N！
17D6[25615611242133326]回避＆迎撃！「受け流し」発生！NTは回避ダイスを持たないため2ダメージを受け残り体力1！
「「イヤーッ！」」2人の女ニンジャは礼拝堂へひた走る！「「「イヤーッ！」」」さらに別のナカヨシたちがアンブッシュし、サイ、ジュッテ、ボーで襲いかかる！「イヤーッ！」マーダーシュトロムはジュー・ジツの構えで受け流し、ナカヨシたちをなぎ倒す！「「ンアアーッ！」」ミネウチ！
4ターン目
VPとMSは側転[131336251234][5122663243365]成功。礼拝堂へ飛び込む！
「「イヤーッ！」」KRAASH！2人の女ニンジャはステンドグラス窓をぶち割って礼拝堂に突入！そこには！「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」「ニンジャ」「ナカヨシ」……ナムサン！ナカヨシの群れだ！
NTは近接武器で一斉攻撃[524]2成功。MSがかばう！[35626562232512654]回避＆受け流し発生！2ダメージを与え残り体力1！
モーニングスター、カタナ、サスマタを持ったナカヨシが襲いかかる！「イヤーッ！」マーダーシュトロムがジュー・ジツの構えでかばい、攻撃を受け流し、ナカヨシたちをなぎ倒す！「「ンアアーッ！」」ミネウチ重点！「ンッフッフッフッ……」礼拝堂の奥から不愉快な含み笑いが聞こえた。
？？？
数十人のナカヨシを従え、ダイヤモンドの杖を手にした黒頭巾と黒覆面の生徒は、威圧的にアイサツした。「ドーモ、歓迎されざる侵入者たち。私はナカヨシ・ソサイエティのグランドマスター、ヤヨイ・シンケイドです」
丁寧なアイサツだが、彼女もニンジャではない。今は、まだ。しかしアイサツされれば返さねばならない。「ドーモ、イヌジマです」「ヒラカワです」「……モロ・キリエです。あなた達は、何を……」「神聖なる裁判よ、キリエ＝サン。あなたは死んだはずなのに生きている。あってはならない」
「ふざけるな！」キリエは叫んだ！「私は生きている！お前らは犯罪者のカルト教団だ！」「警察やマスメディアにも、ナカヨシのOGは大勢いるわ。もみ消されるに決まっているじゃない」ヤヨイは目を細めて嘲笑う。「そっちの2人はデッカーか何か？無駄よ」「我々は……ソウカイ・シンジケートだ」
マーダーシュトロムは進み出た。「モロ・キリエ＝サンはウチの傘下のヤクザクランの令嬢だ。彼女に危害を加えたことは、ソウカイヤのメンツに関わる。だが……彼女はニンジャになり、蘇った。ならばこのまま連れ帰る。これでテウチとしよう。互いに報復はしない」彼女は理路整然と交渉する。
「イヤだ！ナカヨシの根を絶つ！絶たないと！」キリエは先程とは別人のように怒り狂っている。ニンジャソウルの暴走現象か！ヴェノムパピヨンは状況判断した。「……私のルームメイトの、ユマナ・オミヤ＝サンに手出しをしないと約束して」「彼女以外の生徒なら死んでもいいっていうの！？」
キリエは牙を剥き出し、暴れ出す！「それは……」ヴェノムパピヨンは言葉に詰まった。結果的にそうなる。ユマナのルームメイトだったチコのアダウチもできない。しかし……「美しいユウジョウだな」パチ、パチ、パチ……礼拝堂の奥から、男の声と拍手の音。ナカヨシたちは一斉にひざまずく！
？？？
進み出た人影は、スーツ姿に禍々しいメンポを装着している。ニンジャだ！「ドーモ、私はスナリマヤ女学院の校長兼理事長。ファフニールです」
「……ドーモ、マーダーシュトロムです」「ヴェノムパピヨンです」2人はアイサツを返す。身のこなしといい放つオーラといい、ファフニールは明らかにサンシタニンジャではない。2人がかり、3人がかりでも倒せるかどうか。「ンッフッフッフッ……時々来るのだよ、君たちのような連中がね……」
ファフニールはくぐもった笑い声を放つ。「モータルやサンシタなら、ナカヨシや部下が手を下すのだが……なかなか手練れのようだ。それもソウカイヤとは」彼は構えをとった。「それに……そこの小娘は、アーチ級ニンジャソウル憑依者と見える。危険の芽は早めに摘んでおきたいところだが」
「ドーモ……モロ・キリエです」キリエはギリギリと歯を食いしばる。その傍らに、何か……目には視えない巨大なものが出現した。礼拝堂に満ちるカラテ粒子が、一瞬、異様な狼の姿を垣間見せた。「ほう、やはり。だが私としては、このままお帰り願いたいのだがね。ことを荒立てたくはない」
「……ここは、あなたのドージョーというわけか」マーダーシュトロムは情報を聞き出そうとする。「ドージョー。まあ、そんなようなものかな。彼女らがニンジャになれるわけではないが。3年では短すぎる」ファフニールは諦観に満ちた溜息をした。「死にぞこないの老いぼれのボンサイ遊びだよ」
彼はニンジャソウル憑依者ではない。平安時代以前にモータルが修行を積んでニンジャとなった存在、リアルニンジャだ。だがドラゴン・ゲンドーソーのような高潔な精神もなく、新たなニンジャを生み出すほどの情熱も失っている。単に邪悪なニンジャのミームを社会に撒き散らすだけの化け物だ。
「いいかね？私を敵に回せば、ナカヨシのOGたちを通じてカチグミが動く。逆に味方につければ、ソウカイヤにとっては利益ではないかね？交渉しようじゃないか」ファフニールは手招きする。老獪で狡猾な彼は、このようにして100年以上もの間社会に隠れ潜み、権力と財力、権威を掌握してきた。
「……生徒を殺す儀式をやめて、これっきりにして。そうすれば……」「ンフッフッ、どうしようかなあ。これはこれで必要なことなのだよ」ファフニールは邪悪に嗤う。「生徒以外の……家畜とか、クローンヤクザとかではダメなのか？」「それでは意味がない。秘密の共有にならないじゃあないか」
ファフニールは肩をすくめる。「ことを穏便におさめたいなら、このままキリエ＝サンを連れ帰り給え。ユマナ・オミヤ＝サンにも手出しはしないと約束しよう。これでテウチだ」「くっ……！」ヴェノムパピヨンは歯を食いしばる。結局、ここが落とし所か……その時！「それでいいのかい？諸君」
「！」ファフニールの背後に、背の高い痩せた男が立っていた。「俺は嫌だなァ。ヒヒ……ドーモ、フィルギアです」
【続く】
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